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悪魔の左腕  作者: 770
125/149

強奪の貴族

(^^)/

白い結界の内部に、雷鳴のような緊張感が走っていた。

向かい合うのは、冷たい瞳で黙した老人のような悪魔――強奪のヴェルドガン。

そして、白髪の少年――ジン。


ヴェルドガン「……」

無言のまま、細い目でジンを観察する。


ジン「何を見ている。行くぞ」


ジンが踏み込み、黒き稲光を纏わせた掌を突き出す。


ジン「《黒雷断》!」


闇と雷を掛け合わせた漆黒の閃光が空間を裂き、一直線にヴェルドガンへ走る。


しかし――。


ジン「……!」


ヴェルドガンの胸元で雷は消え、煙のように吸い込まれた。


ヴェルドガン「……ふむ。闇と雷の複合……悪くない。なかなか滋養がある」


ジン「吸収か……。厄介だな」


一瞬、間を置いてジンの表情が変わる。

青白い稲妻と、赤々とした炎が両腕に絡みついた。


ジン「ならば……燃え尽きろ!

《雷炎連弾》ッ!」


怒涛のような炎の槍と雷撃が雨のように降り注ぎ、結界全体を焼き焦がす。

爆ぜる音と共に土煙が視界を覆い尽くした。


ジン「……」

深呼吸しながら様子を伺うジン。


やがて、土煙の奥から低い声が響く。


ヴェルドガン「ほぅ……」


土煙を裂き、悠然と歩み出てくる巨体。

その身体は焦げも傷もなく、ただ無傷のまま立っていた。


ヴェルドガン「危なかったわい。もう少しで本当に持っていかれるところじゃった」


ジン「……出し惜しみはいい。さっさと本気を出せ。

こちらは急いでいるんだ」


ヴェルドガンの口元がわずかに吊り上がり、長い指が印を結ぶ。


ヴェルドガン「ほほっ……気に入ったぞ、小僧。ならば応えてやろう。

魔神化ディモナイズ》――!」


背から幾重もの黒い腕が生え、空気そのものを掴み取るかのように結界がきしむ。

その圧に、結界全体の光が一瞬暗転した。


ヴェルドガン「これが“強奪”よ……奪って、喰らって、喰らいつくす!」


しかしジンは一歩も退かず、鋭い眼光で相手を見据える。


ジン「……なんという男だ。本当に強い。

だが――俺も、この程度では止まらない」


彼の身体から、さらに濃く黒と黄金の稲光がほとばしる。

それは羽を持つ爆炎の魔神の影を背後に映し出すようであった。


ヴェルドガン「……小僧……やはり異質よ。

貴様は、魔神と肩を並べる存在か……!」


結界が軋み、次なる激突の予兆に震える。

(^^)/

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