強奪の貴族
(^^)/
白い結界の内部に、雷鳴のような緊張感が走っていた。
向かい合うのは、冷たい瞳で黙した老人のような悪魔――強奪のヴェルドガン。
そして、白髪の少年――ジン。
ヴェルドガン「……」
無言のまま、細い目でジンを観察する。
ジン「何を見ている。行くぞ」
ジンが踏み込み、黒き稲光を纏わせた掌を突き出す。
ジン「《黒雷断》!」
闇と雷を掛け合わせた漆黒の閃光が空間を裂き、一直線にヴェルドガンへ走る。
しかし――。
ジン「……!」
ヴェルドガンの胸元で雷は消え、煙のように吸い込まれた。
ヴェルドガン「……ふむ。闇と雷の複合……悪くない。なかなか滋養がある」
ジン「吸収か……。厄介だな」
一瞬、間を置いてジンの表情が変わる。
青白い稲妻と、赤々とした炎が両腕に絡みついた。
ジン「ならば……燃え尽きろ!
《雷炎連弾》ッ!」
怒涛のような炎の槍と雷撃が雨のように降り注ぎ、結界全体を焼き焦がす。
爆ぜる音と共に土煙が視界を覆い尽くした。
ジン「……」
深呼吸しながら様子を伺うジン。
やがて、土煙の奥から低い声が響く。
ヴェルドガン「ほぅ……」
土煙を裂き、悠然と歩み出てくる巨体。
その身体は焦げも傷もなく、ただ無傷のまま立っていた。
ヴェルドガン「危なかったわい。もう少しで本当に持っていかれるところじゃった」
ジン「……出し惜しみはいい。さっさと本気を出せ。
こちらは急いでいるんだ」
ヴェルドガンの口元がわずかに吊り上がり、長い指が印を結ぶ。
ヴェルドガン「ほほっ……気に入ったぞ、小僧。ならば応えてやろう。
《魔神化》――!」
背から幾重もの黒い腕が生え、空気そのものを掴み取るかのように結界がきしむ。
その圧に、結界全体の光が一瞬暗転した。
ヴェルドガン「これが“強奪”よ……奪って、喰らって、喰らいつくす!」
しかしジンは一歩も退かず、鋭い眼光で相手を見据える。
ジン「……なんという男だ。本当に強い。
だが――俺も、この程度では止まらない」
彼の身体から、さらに濃く黒と黄金の稲光がほとばしる。
それは羽を持つ爆炎の魔神の影を背後に映し出すようであった。
ヴェルドガン「……小僧……やはり異質よ。
貴様は、魔神と肩を並べる存在か……!」
結界が軋み、次なる激突の予兆に震える。
(^^)/




