破壊の貴族
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荒野を思わせる白い結界空間。
剣を構える巨躯の悪魔と、漆黒の羽を背に持つ青年が対峙していた。
カイ「……なかなか強そうだな」
内心で呟くカイ。その視線を受け止めた男が、重々しい声を響かせた。
ガルダイン「貴様……元人間だな?」
カイ「元って言うな! 俺は今でも人間だ!」
ガルダイン「今の貴様を人間とカウントする者はおるまい」
低く唸る声には、嘲笑とも憐憫ともつかぬ響きが混ざる。
ガルダイン「私は七大貴族の一角……“破壊”のガルダイン!
魔王様にたてつく異物よ、今ここで塵と化せ!」
その宣告と同時に、ガルダインの巨体が一瞬で間合いを詰めた。
カイ「なっ!?」
振り下ろされた漆黒の剣を、咄嗟にダガーで受け止めるカイ。
衝撃で地面が砕け、結界の空間が揺らめく。
ガルダイン「……ほう、弾くか。やるな」
一歩退き、忌々しげに笑う。
ガルダイン「だが、ここからだ! 我が破壊の真髄を見よ!」
彼の全身を覆うように光が広がり、圧倒的な魔力が沸き立つ。
岩盤のような体から迸るのは、黄金に輝く破壊のオーラ。
ガルダイン「《崩滅顕現》ッ!!」
結界全体に亀裂が走り、空気そのものが悲鳴をあげる。
カイ「うおぉ!? なんだこの圧……!」
金色に輝く巨躯が咆哮し、剣を振りかざす。
ガルダイン「待たせたな! いくぞ!!」
ガルダイン「破壊剣――《滅多切り(ラグナロク・クロス)》ッ!!」
何十、何百という斬撃が一瞬で展開され、嵐のようにカイを襲う。
光の奔流に飲まれそうになりながらも、カイは必死に受け流し、弾き、飛び退く。
斬撃が通り過ぎた後、白い空間の地面は削り取られ、瓦礫が散乱していた。
カイ「ふぅ……あっぶねぇ……」
息を吐きながらも、眼光は揺るがない。
対するガルダインは荒い呼吸を吐き、驚愕を隠せない。
ガルダイン「はぁ、はぁ……なんなのだ貴様!
魔力の解放もせずに……その力……!」
カイ「? ……いや、お前、まだ本気出してないだろ?
なんで俺にだけ本気を出させようとするんだよ」
ガルダイン「……っ!?」
胸奥に走るのは動揺と恐怖。
ガルダインは己の手が震えていることに気づき、歯を食いしばった。
ガルダイン(心の声)「なんだ、この小僧……恐ろしく強い……。
これは……魔王様に匹敵する強さだ……!」
カイが一歩踏み出した瞬間、空気が変わった。
その背に広がる黒翼が羽ばたき、凄まじい圧が結界を満たす。
カイ「じゃあ……俺も防御だけじゃなくて、攻めてみるか!」
目に見えぬほどの速さで踏み込み、ナイフを構える。
その気迫に、ガルダインの黄金のオーラが軋む。
ガルダイン「……!!」
プレッシャーが一気に跳ね上がり、
両者の間に火花のような魔力が散った。
カイ「行くぞ……!」
次の瞬間、黒と金の閃光がぶつかり合い、
破壊の結界は轟音とともに震えた。
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