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悪魔の左腕  作者: 770
122/149

咆哮と空腹

(^^)/

荒れ果てた結界空間。

血のように赤い空が頭上を覆い、ひび割れた大地が幾筋も亀裂を走らせている。

リーディの前に立ちはだかるのは、巨体にして異様に膨れた腹を持つ大悪魔。

瞳は常にぎらつき、口元からは絶えず涎が垂れていた。


ベロガン「ん~、焼いて食うか、煮て食うか、迷うな」


リーディ「ひっ……!」


にやりと笑った瞬間、重圧が一気に空間を支配する。

空気がねっとりと胃の中に絡みつくようで、リーディは無意識に喉を押さえた。


ベロガン「悪いな、俺は七大貴族が一人、“空腹”のベロガン。急に復活させられたもんだから腹が減ってな」


ベロガンの眼がぎらりと光った瞬間、背後の岩に巨大な歯型が刻まれる。

リーディは反射的に斜め後方へ飛び退き、すでに全身の毛が逆立ち、魔人化の兆しが宿っていた。


リーディ「な、なんだ今の……まるで空間ごと噛みちぎったみたいだ……!」


ベロガン「よく避けたな。だがまだ行くぞ!」


声と同時に、四方八方から獣じみた歯列が迫る。

噛みつかれる――そう思った瞬間、リーディは自ら魔人化を解き、身体をしぼませて肉を裂かれることを防いだ。


リーディ「ぐっ……! 体を縮めれば、致命傷にはならない……!」


ベロガンは感心したように笑い、舌をだらりと垂らす。


ベロガン「おもしろい……では次は、直接食ってやろう!」


巨体が突進する。地面を砕き、赤い空を背負って迫る姿はまさに怪物。


リーディ「出し惜しみしてる場合じゃない!」


全身の毛が逆立ち、爪が鋭く伸びる。

牙を剥き出しにして咆哮するリーディの体を、蒼い魔力と漆黒の瘴気が同時に包み込んだ。


リーディ「――魔狼顕現・魔人融合ッ!!」


獣と悪魔の力が混じり合い、二つの影がぶつかる。

結界内に轟音が響き渡り、砂煙が四方へと吹き飛んだ。


ベロガン「ぬっ……! 俺と同等の体格だと……!? さっきまでの小僧とは別人じゃないか……ぐっ……!」


リーディ「どうした? 俺とやるにはちょっと力不足だな!」


リーディの拳が顎を打ち抜き、地響きが走る。

しかしベロガンの口角が吊り上がる。


ベロガン「いいぞ、そうこなくちゃ……ならば見せてやる――俺の本当の腹の中を!」


大きく口を開けた瞬間、空気が吸い込まれ、胃袋の奥から異形の魔力が噴き出す。

その圧にリーディの体は弾き飛ばされ、魔人化も解けてしまう。


リーディ「うっ……ぐぅ……!」


膝をつくリーディを見下ろしながら、ベロガンは狂気じみた笑みを浮かべた。


ベロガン「――“消化開放”。」


大地がえぐれ、空間が歪む。

その中で、ベロガンは獣のような目でリーディを舐め回す。


ベロガン「さぁ、第二幕といこうか。腹の虫が鳴って仕方ないんでな!」


赤黒い空に、リーディの咆哮が再び轟く――。

(^^)/

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