予選――“棒一本”の門
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翌朝の演習場には、各国から集まった猛者で埋まっていた。砂地に等間隔で立つ黒鉄の木柱。一見ただの丸太だが、淀みない魔力が内側を循環している。
アナウンス「試験は単純!“一撃で柱を破壊せよ”。攻撃は一回のみ、武器・魔法問わず。完全破壊は建国以来二人のみ!」
リーディ(小声)「カイ、すごい魔力が通ってる……油断すると逆流で腕がもげるかも」
カイ「サンキュ。やってみる」
カイは短剣を抜き、呼吸を落とす。師匠の教え――刃にだけ魔力を通す。風が刃先へ収束し、見えない層となって積み重なる。
カイ「――ッ!」
斬撃。柱は半分までスパッと裂け、ポン、と鈍い音を立てて止まった。
エリシア「すごい!」
リーディ「次はボク!……えい!」
拳に石英の層を纏わせて叩き込む。魔力の反発で拳が弾かれ、柱の表面が大きくえぐれた。
アナウンス「カイ・アーデン――合格。リーディ・リーディ――合格」
客席がどよめく。その直後、別会場の魔力測定に歓声が上がった。
審判「魔力量“2900”。魔人クラス」
冒頭の数字が掲示板に躍る。視線の先、涼しい顔で杖をくるくる回す赤髪の少女。
DC「まぁまぁ、朝の準備運動」
カイ「お前の“準備運動”、ちょっと世界が違う」
リーディ「お腹減ったー!ごはん!」
エリシア「はいはい、屋台で甘いパン買ってあげる」
――午後、ベスト16の対戦表が張り出される。鉄仮面チームの名にざわめき、勇者チームの名で歓声、そしてカイチームに好奇心混じりのどよめき。
アルディス(遠目に)「逃げずに来い。大会で、正面から決着をつける」
カイ「望むところだ」
二人の視線が空中で交差し、火花の代わりに砂塵が舞った。
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