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悪魔の左腕  作者: 770
12/149

予選――“棒一本”の門

(^^)/

翌朝の演習場には、各国から集まった猛者で埋まっていた。砂地に等間隔で立つ黒鉄の木柱。一見ただの丸太だが、淀みない魔力が内側を循環している。


アナウンス「試験は単純!“一撃で柱を破壊せよ”。攻撃は一回のみ、武器・魔法問わず。完全破壊は建国以来二人のみ!」


リーディ(小声)「カイ、すごい魔力が通ってる……油断すると逆流で腕がもげるかも」


カイ「サンキュ。やってみる」


カイは短剣を抜き、呼吸を落とす。師匠の教え――刃にだけ魔力を通す。風が刃先へ収束し、見えない層となって積み重なる。


カイ「――ッ!」


斬撃。柱は半分までスパッと裂け、ポン、と鈍い音を立てて止まった。


エリシア「すごい!」


リーディ「次はボク!……えい!」


拳に石英の層を纏わせて叩き込む。魔力の反発で拳が弾かれ、柱の表面が大きくえぐれた。


アナウンス「カイ・アーデン――合格。リーディ・リーディ――合格」


客席がどよめく。その直後、別会場の魔力測定に歓声が上がった。


審判「魔力量“2900”。魔人クラス」


冒頭の数字が掲示板に躍る。視線の先、涼しい顔で杖をくるくる回す赤髪の少女。


DC「まぁまぁ、朝の準備運動」


カイ「お前の“準備運動”、ちょっと世界が違う」


リーディ「お腹減ったー!ごはん!」


エリシア「はいはい、屋台で甘いパン買ってあげる」


――午後、ベスト16の対戦表が張り出される。鉄仮面チームの名にざわめき、勇者チームの名で歓声、そしてカイチームに好奇心混じりのどよめき。


アルディス(遠目に)「逃げずに来い。大会で、正面から決着をつける」


カイ「望むところだ」


二人の視線が空中で交差し、火花の代わりに砂塵が舞った。

(^^)/

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