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悪魔の左腕  作者: 770
116/149

白き空間、黒き誓い

(^^)/

結界の内部は、白く塗り潰された無の空間だった。

足元に立っている感覚こそあるが、地平も天も区別できない。


カイ「……なんだ、この空間。見えているようで何も見えねぇ」

カイの呟きは虚空に吸い込まれていく。


やがて――影が揺らめき、そこに異形の存在が姿を現した。


アエロス「ヒヒヒ……やっと起きやがったか」

カイ「お前……いや、わかってる。そんな姿だったのか」

アエロス「意外とビビらねぇんだな、フフヒ」

カイ「まぁな。見た目だけなら、ドミナスとかの方がよっぽどやばかったしな」


アエロスは楽しげに喉を鳴らす。


アエロス「いい気概だ。……だが、いいのか? 願いを叶えた瞬間、お前は俺と完全に同化しちまうぜ」

カイ「構わねぇ。エリシアの心臓を、人間の心臓に戻してやってくれ」

アエロス「あぁ、いいぜ。だが……ネレウス。バシリスクの野郎を殺したら、お前もとっとと死んでくれよ、ヒヒ」

カイ「なんでだよ。……まぁいい、あとのことは自分で考えるさ」


アエロスが腕を広げ、白の空間に黒い亀裂が走る。


アエロス「――【魔契の終誓オブリヴィオン・パクト】」


その言葉と共に、強烈な光が結界を揺るがした。


―――


結界を破り出てきたカイは、かつての面影を残しつつも、その姿は褐色の肌と鋭い瞳へと変わっていた。背から広がる羽根と両腕の魔の紋様は、見る者に畏怖を抱かせる。


エリシア「……カイ。カイっ!」

駆け寄る彼女を見下ろし、カイは微笑んだ。


DC「あら、男前になっちゃって」

リーディ「ジンもカイも見た目こわっ! 何その変身!」

イグニス「完全同化するとここまで圧が変わるのか……すげぇな」

シュリーデ「でも意識は乗っ取られてないみたいね。上出来じゃない」


―――


夜。宿の部屋。


窓の外で風が鳴く。焚かれた灯が、二人の影を壁に揺らしていた。


エリシア「ほんとに、なんともないの?」

カイ「あぁ。まぁ……肌がちょっと褐色になって、目の色も変わったくらいだ」

エリシア「……よかった」


ふっと安堵の息をつく彼女を見て、カイは問いかける。


カイ「心臓は? 実際どうなんだ?」

エリシア「全然大丈夫。魔力だって心臓に頼って出してたわけじゃないし……今なら瘴気も平気」

カイ「そっか。……ならよかった」


少し間を置いて、カイは天井を見上げて呟いた。


カイ「心残りがあるとすれば、育ててくれた村長にもっとお礼しとけばよかったなってのと……」

エリシア「……?」

カイ「昔、約束しただろ。『ずっと守ってやる』って。……もう俺、人間界には戻れなさそうだしな」


その言葉に、エリシアは唇を震わせ、そっとカイの手を握る。


互いの想いは、言葉を越えて確かに通じ合っていた。

沈黙の中、距離が縮まり――やがて二人は影を重ねた。


……夜は静かに、更けていく。


―――


廊下の影にて。


DC「んーふふ♡ やっとって感じかしらねぇ」

監視魔法を飛ばして、ニヤニヤ笑う彼女。

翌朝のからかいを想像して、口元を抑えきれずにいた。

(^^)/

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