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悪魔の左腕  作者: 770
113/149

魔王の器

(^^)/

村の門をくぐった瞬間、温かな声が飛んできた。

イグニスが大槍を肩に担ぎながら、白い歯を見せて笑っている。


イグニス「おう!お疲れさん!……って顔だな。かなり荒れてたろ? 悪いが早速で済まねぇ、長老が呼んでる。どうにも大事な話らしい」


カイ「長老が?……わかった、行こう」


村の奥、小さな祠のような建物。その中央に座すのは、しわ深く刻まれた顔の老人だった。

長老はゆっくりと目を開けると、カイたちを見回す。


長老「来たか……。お前たちには伝えておかねばならぬことがある」

リーディ「伝えること?」

長老「“魔王の器”についてじゃ」


火の粉が弾けるような沈黙が落ちる。


長老「古き伝承によれば、部位を集め願いを叶える代償は“魔王の器”となること。しかし……器がすでに埋まっておる場合は、その必要はない。すなわち、魔王がすでに存在するならば、誰かがその座に縛られることはないのじゃ」


エリシア「! じゃあ……今は仮とはいえ魔王が復活してるから……」

DC「あら、面白いじゃない。……ってことは、“器”なんて今は不要ってわけ?」


羽がクツクツと笑った。


羽『……ヒヒヒ、聞きやがったな。都合よく解釈しやがって……』

左腕「しかし理屈は合っております。器を必要とするのは“空席”の時のみ。今は埋まっている……」


DC「ふーん……あんたらが器狙ってるの、バレバレなのにね?」

羽は黙り、気まずい沈黙。


カイ「……よし、決まったな。魔王を完成させて願いを叶え、そのあと討つ。やることがはっきりした」


リーディ「本当に……討てるのかな」

カイ「討つんだよ。絶対にな」


その時、子供たちがどっと駆け込んできた。


リリアナ「お父さん!また無茶する気でしょ!」

カイエル「父さん、俺たちも一緒に戦える!」

ナディル「ぼ、僕だって……!」


イグニスは困ったように頭をかき、子供たちをまとめて抱きしめる。


イグニス「バカ言え。お前らはまだまだ伸びるんだ。ここで死なれちゃ、俺が困る。……でも心配すんな。父ちゃんは死なねぇよ。カイたちもいるからな!」


エリシア「イグニス……」


イグニス「まぁあれだ、魔王が復活したらまた魔界は荒れる。だったら俺も討伐に参加するしかねぇだろ?カイ、お前らだけに任せる気はないぜ」


力強い声に、子供たちは涙目で頷いた。


DC「ふふっ、仲間が増えるのは歓迎よ。で、あの北のお姉さん――」

カイ「シュリーデも呼ぶか。エリシアを守ってくれた恩人だしな」

リーディ「なんだか心強くなってきた!」


長老が小さく頷き、低く言葉を落とす。


長老「東は雷、中央は魔王。……西を経由して北へ向かえ。運命の糸は、必ずそちらへとつながる」


カイは立ち上がり、深く息を吸った。


カイ「よし、じゃあ決まりだ。まずは北へ向かうぞ!」


焚火の火が高くはぜ、決戦の夜が近づいていることを告げていた。

(^^)/

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