闇より現れるもの
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闇の帳が音もなく消えていく。
崩れた結界の中から、カイとエリシアが慌ただしく駆け出してきた。
カイ「みんな!」
エリシア「大丈夫!?」
そこに広がっていた光景に、二人の足が止まる。
空中に腰かけるように浮かび、お茶をすするDC。
その足元には無惨に引き裂かれた肉塊――バシリスク=グラヴェルだったものが転がっていた。
DC「あらお二人さん、結構早かったのね」
カイ「DC! ……!? お前……それは……」
DC「アンタたちが遅すぎたせいで、こっちは待ちくたびれたわよ! ほら、謝罪しなさい!」
茶化すような言葉とは裏腹に、空気は緊張に包まれていた。
やがて、肉塊だったはずのバシリスクが蠢き始める。
???「……いい宿主を見つけたと思ったが、これもダメか……」
その亡骸から、別の意思が声を発した。
背に黒い羽が芽吹き、ぞっとするような存在感が溢れ出す。
DC「何者かしら~? もしかして……その背中の羽?」
???「お前……いいな。ゼノアスを思い出す」
エリシア「ゼノアス……? 伝説の勇者様の名前……?」
周囲に冷たい風が吹き荒れる。
謎の存在は後方を一瞥し、呟いた。
???「……後ろのお前、ヴォルカスだろう? 意識がないのか?」
カイ「……?」
羽「チッ……先を越されたみてぇだ、ヒヒ」
不吉な笑い声が響く。
???「とはいえ、この体も限界に近い。少し治さねば、まともに戦えんな」
そう告げると同時に、その存在は闇の魔力を収束させた。
DCが即座に詠唱する。
DC「逃がさないよっ! 《拘束の連鎖》!!」
無数の鎖が絡みつく――だが敵の目前で霧散した。
???「誰が逃げると言った? ……全員殺して、ここで癒すとしよう」
濃密な魔力が膨れ上がる。
???「《%#$’%”*》――」
DC「やっば……これは無理! 退却しなきゃ!」
エリシア「でも、リーディとジンがまだ!」
DC「一か八か……! 《空間転移》ッ!!」
空間が歪み
???「……人間でその魔法を操るか。面白い」
闇に沈み、姿を消していった。
転移が終わり、広場に再び静けさが戻る。
DCは膝をつき、荒い呼吸を吐いた。
DC「……今の一回で……すごい魔力もっていかれた……はぁ、はぁ……」
やがて、闇の帳からリーディとジンが現れる。
全身傷だらけで、だがまだ戦える眼をしていた。
カイ「……」
カイは仲間を見回し、静かに拳を握りしめる。
胸に湧き上がるのは、安堵と……そしてこれから訪れる戦いへの不安だった。
次なる激闘の幕が、ゆっくりと上がろうとしていた――。
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