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悪魔の左腕  作者: 770
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砂漠の門、ガルディナへ

(^^)/

灼ける空気が地表を揺らす。風よけの土壁――リーディが即席で作った“砂かまくら”の中から、四人は砂漠の地平を伺った。


カイ「……蜃気楼ばっかで距離が全然わからん」


DC「愚痴る暇あったら水の循環結界でも張りなさいよ。はい、これで体表の温度を下げる」


リーディ「ボクは土で屋根を増築っと……ふんぬ!」


エリシア「ありがとう、リーディ。……でも無理はしないでね」


そこへ、鈴の音。ラクダを引いた商人の隊列が現れたが、先頭のラクダが膝を折って倒れ込む。


商人「こりゃダメだな……よいしょっと」


リーディ「え、持ち上げた!?」


商人は笑ってラクダを肩に担ぎ直し、ひょいひょいと歩きだす。その背後に、砂煙の向こう――巨大な白石の城壁と無数の塔が姿を現した。


DC「見えた、武闘都市ガルディナ。国民の半分が闘技場で働いてるし、残りの半分は観客って噂」


カイ「どんな国だよ……」


――門をくぐった瞬間、空気が変わる。太鼓の連打、客引きの叫び、鍛冶屋のハンマー音。街路の両脇には剣、槍、拳法、魔術――あらゆる流派の旗が並び、中央広場には「国王生誕50周年・三対三武闘大会」の巨大な掲示板が立っていた。


受付兵「参加者か? チーム名は?」


カイ「……カイチームで」


DC「“ダークチャーム隊”の方が耳ざわりいいでしょ」


リーディ「じゃあ“エリシア守る隊”!」


エリシア「えっ、私?」


受付兵(苦笑)「……“カイチーム”で登録した。予選は明朝。遅れるなよ」


四人が宿を探して歩き出したそのとき、正面から黄金の外套を翻した四人組が現れた。背に聖徽、腰に煌めく聖剣。


アルディス「ほう、悪魔の匂いがするな」


ゴラン「鼻にツンと来る。……おい、そこの獣耳」


セリナ「やめなさい、ゴラン。ここは街中です」


ヴァロフ「でも面白いものが見られそうだ。観測魔眼、起動――」


リーディが縮こまりかけた瞬間、カイが一歩前に出る。背の黒い羽が、音もなく角度を変えた。


カイ「用があるなら俺に言え」


アルディス「“悪魔付き”は領都では拘束対象だ。自ら名乗り出るというなら話は早い」


エリシア「彼は悪魔なんかじゃありません!」


ゴラン「へっ、善人の顔が一番信用ならねぇ」


DCが小さくため息をつき、ふっと笑った。


DC「勇者に戦士、僧侶に魔法使いですって!? なんてベタなパーティ……ウチみたいね?」


アルディス・カイ「やかましいわ!」


――氷の壁が、バシュンと音を立てて二組の間に立ち上がる。


DC「ここ、武闘都市。やるならルールの上でね。ほら、行くよ」


カイ「……借りができたな」


リーディ「勇者って……うるさい人たちだね」


エリシア「早く宿を見つけましょう」


四人は氷壁が融ける前に、人混みの中へと消えた。


――勇者一行の背後で、群衆の囁きが波紋のように広がる。


観客A「悪魔付きと勇者が鉢合わせ?」


観客B「大会で当たったら荒れるぞ、こりゃ」


ヴァロフ「ふむ、舞台は整いつつあるな」


セリナ「アルディス、いざとなれば止めますからね」


アルディス「俺を止められる者は――いない」


彼の目に宿る光は、氷壁より冷たかった。

(^^)/

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