幻影に囚われて
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光が歪み、戦場の空間が切り離された。
ジンは見慣れぬ結界の中に立たされる。
ジン「っ! また隔離魔法か……」
目の前に現れたのは、艶やかに鎧を纏った女騎士。妖しい微笑みを浮かべる。
ヴォルク「あら♡ 私の相手はあなたってことね」
ジン「お前を倒せば出られるんだろ? ……まぁいい、さっさと始めるぞ」
ヴォルク「ふふっ、せっかちさんはモテないぞ♡」
ジン「黙って死ね」
ジンが一気に距離を詰め、渾身の拳を振るう。
その攻めは容赦なく、ヴォルクを防御ごと吹き飛ばす。
ヴォルク「あら? 思ったより……やるじゃなっ……! あっ、えっ……!」
鋭い拳、重い蹴り。次々と畳み掛けられ、ヴォルクの身体は無残に打ち据えられる。
ジン「相手にならん……さっさと出せ!」
騎士が崩れ落ちる。
だが――隣に、同じ姿のヴォルクが立っていた。
ヴォルク「どう? 楽しかった?」
ジン「……!? まだ生きてやがったか!」
すぐさま拳を叩き込む。しかし、そのヴォルクは霧のように掻き消える。
四方から甘やかな声が響いた。
ヴォルク「私は幻影使いのヴォルク。今は幻覚だけ。……でも、どんどん精神を犯していくわ♡」
ジンは荒く息を吐き、構え直す。
ジン「はぁっ……はぁっ……! クソッ、どれが本物だ……!」
幻影が襲いかかり、ジンは必死に迎え撃つ。
拳を振るうたびに、影が霧散する。だが終わらない。
やがて――。
ジン「……やっと捕まえた!」
正面に現れたヴォルクに全力の拳を叩き込む。
確かな手応え、吹き飛ぶ姿。勝利を確信した瞬間――。
崩れた顔が変わる。そこにいたのは、懐かしい少女。
血を吐きながら倒れる、ジンの妹、リシェルの幻影だった。
ジン「なっ……! 嘘だろ……リシェ……!」
次の瞬間、リシェルが獣のように目を血走らせ、ナイフを振りかざして飛びかかってきた。
ジン「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
精神を切り裂かれる悲鳴。
空間に響くのはヴォルクの妖艶な声。
ヴォルク「あら……もう壊れちゃったの? 残念♡」
歪んだ結界の中で、ジンの意識が闇に沈んでいった――。
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