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悪魔の左腕  作者: 770
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荒野に響く告白

(^^)/

少し離れた丘の上、周りには荒野が広がる。


カイ「さて、どうしたもんかなぁ」


天を仰ぎながら言う言葉は乾いた空気に消えていく。


その背後から、小さな足音が近づいてきた。

振り返らずに、カイは声をかける。


カイ「……エリシアか。どうしたんだ?」

エリシア「ん……ちょっと、話したくて」


隣に立つエリシアの顔は、焚火のような夕焼けに赤く照らされていた。


カイ「びっくりしたな。まさか“心臓をささげる”なんて条件が出てくるとはな」

あえて笑みを浮かべて軽口を叩くカイ。


だが、エリシアは首を振る。

エリシア「ううん。……心臓をささげるだけなら、カイは迷わずやっちゃうでしょ? だから……私が止めるの」

カイ「ははっ、確かにな」


その場を和ませようとする笑いも、エリシアの次の言葉で揺らぐ。


エリシア「だってカイは優しいもん。でも……でもね、私は……カイに死んでほしくない」

溢れる涙をぬぐいもせず、まっすぐに見つめるエリシア。


カイは息を吐き、かすかに自嘲めいた笑みをこぼした。

カイ「……俺だって、死んで魔王になるなんざごめんだ」


一瞬の静寂。風が二人の間をすり抜ける。


エリシア「なら、お願い。私のことなんて忘れて、みんなで人間界に戻って。……私だけ置いていけばいい」


その言葉に、カイの目が見開かれる。

カイ「……なんだと?」

エリシア「だってそうすれば、誰も犠牲にならないで済むから」

カイ「ふざけんなよ!」


怒声が荒野に響く。

カイ「お前を忘れて帰る? そんなの、俺が一番許せねぇ! エリシアを置いて帰るくらいなら、死んだ方がマシだ!」


エリシア「カイ……そんなこと言っても!」

カイ「俺は昔からずっと……お前が好きなんだ! だから絶対に諦めねぇ! 何があっても一緒に戻る!」


エリシアの瞳が大きく揺れる。

頬を濡らす涙が光の粒になって零れ落ちた。


エリシア「……私もだよ。カイのことが……好き」


次の瞬間、二人の距離は自然と縮まる。

言葉はいらない。ただ互いの想いを確かめ合う。

荒野の風がやさしく吹き抜け、二人を包み込んだ。


……その少し離れた場所。

魔法陣に片肘をつき、水晶を眺めている少女がひとり。


DC「ふふっ……やっと言ったわねぇ♡」

にやにやしながら指先で映像を拡大したり縮小したり。


DC「……って、あら? あの角度、ちょっと見えづらいわね。もうちょっと……よし、ズーム♡」


荒野に響くのは、風の音と。

そして遠くから聞こえる、妙に楽しげな魔女の笑い声だった。

(^^)/

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