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ちゅきちゅき、あいちて!  作者: 榛名のの(春夏冬)
8/14

商機到来!!

ここから出ないようにと言われたので、近くに自生している薬草をとにかく煎じて飲ませていると4日経ったお昼過ぎに鑑定さんが、ポーションの正しい作り方を教えてくれた。

岩石魔法で乳鉢とすりこぎを作り、丁寧に洗って乾燥させた薬草を切り刻んですりつぶす。魔法で出した水を乳鉢に注ぎ更に混ぜる。この時魔力を一定に注ぎながら混ぜなければならない。

 何度も失敗して時間ばかりが過ぎる。


あれから何日経ったか…。やっとポーションが出来た。ルパートはもう自力で飲めない。口移しで飲ませた。すると、ルパートの体が発光し、ルパートが目覚めた。


「・・・エイチ様、お腹が減りました」


炊いてあったご飯で、雑炊を作ってスプーンで食べさせた。ルパートは喜んで食べた。

 その夜俺は安心して眠ってしまった。


翌朝、顔を舐められて起きると、15メートルくらいになったビジューが、薬草を抜いて来てくれていた。


「ビジューおおきくなっちゃにぇ!ぢぇも、やくしょうぬいちゃらメッ!はえちぇこにゎくにゃりゅよ?」


許してのスリスリに許されてやることにした。ルパートは、まだ眠っている。

 本調子じゃないみたいだ。

ポーションを作って飲ませたら、柔らかい食事からだ。パンが硬くなっていたので、ミルクパン粥にした。

 ルパートも俺もお替わりしまくりだった。

 ビジューは自分で狩って来たボアを小屋の外で食べていた。

 ルパートには朝昼晩とポーションを飲ませて、滋養がある食事を取らせた。

 食糧はビジューが調達してくれた。お礼に肉料理をバナーナの葉っぱに山盛り作ってあげてたら、母親蛇も食べに来るようになった。

 ルパートがケガをしてから3週間が経ち、母親蛇のオニキスが、ルパートの従魔になった。街までの送り迎えはもちろんの事、ルパートに大ケガをさせた者への制裁まで、キッチリとこなした。

 ルパートにちょっかいを出すバカはいなくなった。

 じゃあ、俺を、と考えるバカはいたが、オニキスとビジューの2段構えの前に大森林の藻屑と消えた。


狩り場は、以前の所から変えて小屋の奥の樹海に移動した。

 強い魔獣ばかりで手こずる事も多いが、討伐出来たら喜びも倍になる。

 鑑定さんに教わりながら、各種ポーションを揃えていく。品質も良品になり、これなら売っても大丈夫だと、太鼓判を押された。

 樹海を越えて隣国セシルガーデンの街へ行き薬師ギルドに登録してポーションを100本程うると、ウッドランクから、アイアンランクにすぐランクアップした。

次に来るときには1000本ポーションを納品してほしいとポーション瓶を渡された。

 しかもポーション瓶は無料だと言う!


「どうしてでしゅか?」


窓口のお姉さんは声を潜めて訳を話してくれた。


「この国の薬師がね、ちょっとじゃ済まない問題起こしちゃってまとめて粛清されて今、人手が足りないの!よかったら、うちの国に来ない?」


商機到来!!


「ちょっと、おしぇわににゃったひちょにしゃよにゃりゃしてかりゃきましゅ!」


樹海の手前で待たせていたオニキスとビジューに乗りデューバーグ国に樹海を渡って帰る。街まで直行してハンターギルドに行き、ギルドマスター部屋へ乗り込む。

ドゥーマがロックさんに怒られながら書類を片付けている。


「ドゥーマさん、セシルガーデンにいくかりゃ、おにくはおうごんのかぶちょにいりゃいしちょいちぇ!いりゃいりょうは、ハンターギルドのおりぇのこうざかりゃ、ひきおちょしちょいちぇ!」


「そんなに長く行くのか?」


「うん!おかにぇちゃまりゅまで、もぢょりゃにゃいかも」


「セシルガーデンは小麦が安いから、パン屋で儲けろよ!」


何だと?!商機!!


「忘れずにミンミを連れて行けよ!」


「・・・じゅんびがぢぇきちゃらよぶ!」


「んー、用はそれだけか?今日は泊まってけよ」


「らめ!ビジューちゃちまちゃしぇちぇりゅ」


「何だよ・・・寂しくなんなあ」


ドゥーマの潤んだ目を見て言う。


「じゃあ、ちょきぢょき、かえってくりゅ!」


「いつでも遊びに来い!稲穂屋はお前の実家だ!商業ギルドの口座に稲穂屋のエイチの分の利益の配当金入ってるから今すぐ確認しとけ!店やるなら元手が必要だろう?」


「しょりぇ、なんぢゃけぢょ、ぢょりぇいしゃんかいちゃいかりゃ、ちゅきあっちぇ!」


ミンミが店長として、俺の奴隷だから、従業員が平民なら揉めるかもしれないし、レシピをばらされたりするのは、もうこりごりだから、奴隷を買う!


ロックさんが舌打ちしてドゥーマを解放した。


「奴隷買ったら、すぐ帰って来るんですよ!」


「おう。エイチ行こう!」


 ♢♢♢♢♢


初めて行った奴隷屋は、まるで見世物小屋のようだった。

 不潔な檻に入れられた奴隷達は、皆、栄養状態が悪くて痩せ細っている。


「お?ダンナ。また来てくれたのかい!おっと、それとも売りに来たのかい?こんな上玉最近トンとお目にかかれねえ!高く買い取りますぜ!」


俺のこと?

ドゥーマが何故かニヤリと笑う。


「街でウワサのブラックラインサーペントの主だ。軽口たたくと食われるぞ!」


「ヒィ?!冗談です!どちらが奴隷が欲しいんですか?」


ドン引きした奴隷商人に心中で舌を出す。


「この子だ。狩りで生計を立ててるんだが、料理人と解体が出来る者が入り用でな。何せブラックラインサーペントの食事を用意するのが大変だから、かんたんな家事も出来るメイドも合わせて欲しいのさ」


「へえ!たくさん買って下さい!」


「おう!まず、見せろや」


ドゥーマが居て良かった!適当な言い訳出来ないし。

片っ端から鑑定して下さい!鑑定さん。


※※※※※鑑定

ここには犯罪奴隷しかいません。買うのは止めましょう!

※※※※※


おや、犯罪奴隷って何?


※※※※※鑑定

悪い事ばかりやった凶悪犯の成れの果てです。

※※※※※※


「ドゥーマしゃん」


「んー?」


「やめりゅ」


「そっか、またな!店主」


「はい!またおいでください!」


奴隷商人が見えなくなった所でドゥーマに聞く。


「ほかのぢょりぇいさん、のおみしぇ、どこにありゅ?」


「何が嫌だった?」


「じぇんぶ、はんじゃいぢょれい」


「マジか?違法行為だな。領主に言ってもな、ああ!じゃ、王都行ってみるか?明後日の朝出発な!」


そう言ってハンターギルドに駆け込んで行ったドゥーマにポカンと口を開けるのだった。

後ろから付いてきたルパートに問う。


「ルパート、セシルガーデンにはぢょりぇいさんうってりゅちょこにゃいにょ?」


「はい、奴隷の売買禁止ですから、奴隷商自体ありません」


「おうちょ、ってちかいにょ?」


「そうですね、馬車で6日かかります」


「いかにゃきゃ、らめ?」


面倒くさい!馬車で6日!ケツが割れるわ!やってられっか!


「まともな奴隷が欲しいなら、王都に行くべきです!」


「とちゅうまでオニキスにのってっちゃらめ?」


「オニキス達は留守番です!」


「ちっ!」

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