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ちゅきちゅき、あいちて!  作者: 榛名のの(春夏冬)
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イネ農家との契約

ドゥーマに借金して、買ったオーダーメイドのサバイバルナイフと子供用の弓。

 サバイバルナイフは今日初めて使うが、良い切れ味だ。


「【ちゅきちゅき、あいちて!】」


魅了がかかったコカトリスの首を蹴りで折ったらルパートにドン引きされた。


だって手加減してたら死んでたから、仕方ない!


「まだ、狩りますか?」


「きょうは、いいかにゃ?」


「では、帰りましょう」


借りて来た魔馬に乗ってシルバーサーペントの生息地から離れる。

シルバーサーペントは5頭狩った。お金が足りないから、仕方なく。

その他はボア(小山のような)1頭。

角ウサギ10頭。

ホーンディアー2頭。

コカトリス6頭。

野生のブルーブルの雄2頭。


俺達は侮られてるらしく、狩り放題だった。ほとんど俺が弓で射って倒した。

コカトリスと蛇だけは、サバイバルナイフでぶっ殺した。あ、足も出た。気が付けば囲まれていたので必死だった。

ハンターギルドに到着して買い取り窓口に全て並べてシルバーサーペント以外は肉とコカトリスとブルーブルの骨を持ち帰ると言うと、窓口のおじさん職員に変な顔をされた。


査定がすみ、俺達は初めて金貨を見た!

金貨8枚と銀貨2枚の稼ぎになった。

シルバーサーペントが良い値で売れた。肉と骨は明日の朝の受け渡しになった。

 ドゥーマの家に帰ると良い香りがする。

食パンを気長に焼いたらしい。

夕食にはサンドイッチを教えた。マヨネーズ無双をした。

 前世で弟子達にマヨネーズとハンバーグの作り方は覚えておけと、かしましく言われた結果がこれ。皆が【ちゅきちゅき、あいちて!】で魅了されたかのように、サンドイッチをがっつく。


俺は今夜はドゥーマと一緒に食べてやろうと食堂…もはや店に移動した。

今日は、大工さん達が来て2階に上る階段前に扉をつけている。

 メシ食べたついでに泥棒とかされたくないなら、防犯対策しろ!と活を入れたのだ。

よきよき。

店で一人食べてるドゥーマのテーブルを挟んで椅子に立ち上がって食べる。

 テーブルが高いのだ。まず、最初に借りてた金貨2枚を返した。


「シルバーサーペント5頭倒したんだって?・・・全く、危ないことするなよな」


「もうしばらくやらにゃい!ちかれた!」


「ちかれた、じゃねぇ!やるなっつってるの!」


「イネにょうかしゃんから、ちょくしぇちゅイネかいちゃいにょ!いくら?」


「おお、契約したいなら、良い農家かある。そこは、イネしか作ってないから、金貨1枚ありゃ、一年間契約できると思うぞ」


で、次の日イネ農家のディンクスさん家に来ました~!


ディンクスさん家はブルーブルの畜産農家さんでもありますが、俺がこの世界に来た頃にバジリスクにブルーブルを食べられてしまって今困っています。


「・・・というわけで、イネを契約して欲しいんだが、頼めるか?」


「良すぎるお話しですが、イネからパンが本当にできるのですか?・・・そこがどうにも不安です」


「ルパートだちて!」


昨晩のサンドイッチの余りを持って来たのだ。

 ドヤァするとドゥーマに睨まれた。ドゥーマが今朝食べたいと言ってたのに隠してたからだろう。

ディンクスさん一家は、サンドイッチを貪るように食べて、契約の条件を出して来た。


①ブルーブルを捕獲したいからハンターを雇うお金を上乗せして欲しい。

②うちの娘もパン屋さんで働かせて欲しい。

③出来ればイネをイネとわかる状態の料理も店で出して欲しい。


「ハンターへにょいりゃいりょういくら?」


「護衛に1人、テイムするのに、ブルーブルを弱らせるから、3人で、コッパーランクのハンターチームに依頼するとして銀貨8枚だな」


ドゥーマがその場で作った契約書にサインしたいが文字が判らない。

 ドゥーマが俺を膝に座らせて羽根ペンを握らせてその手を2人羽織して、サインした。

 これが、「エイチ」って字か。俺、勉強もしなきゃ!

 

 俺達が簡単にサインしたのに驚くディンクスさん一家。急にオロオロし始めた。

それを宥めるドゥーマ。


「こちらにもいい条件で契約が結べた事を感謝します!とりあえず1年間よろしくお願いします!エイチ、金出せ!」


金貨2枚と銀貨8枚をディンクスさんに渡すと額に押しいただき涙していた。


早速イネをルパートのアイテムボックスに入るだけいただき、ウチで働く女の子アン(12)、ネネ(15)をギルドの馬車に乗せて俺達も乗る。俺はルパートの膝の上だ。お尻が痛くなくて嬉しい!

 今度この馬車改造しよう!板バネ付けるくらい簡単だ。

 身体強化の練習をして重いものでも持ち上げることが出来るようにするんだ!ルパートに昨日教えてもらったから、コツはつかんだ。

 しかし、異世界の常識、非常識。毎日ちょっと緊張しながら生きてるから、よく眠れる。前世じゃ、寝ないような生活してたから、ちょっとくらい非常識でもいいかも。


ドゥーマの家で降ろされてルパートとまず倉庫へ行く。イネの入った麻袋を出すとそれだけで倉庫の半分近くぎっしり詰まった。

 トニスさんはそれを見て「望む所です」と腕捲りして、米粉を次々作っていた。

 昼までにハンターギルドからお肉を取って来ないといけない。

急いでハンターギルドに行こうとしたら、ディンクスさん家の女の子二人に捕まった。


「アタシ達はどうすりゃいいのよ!ほっとかないで!」


「お姉ちゃん…そんなにえらそうにして大丈夫なの?」


「アタシ達を働かさないと契約違反よ!つまり、コイツらが悪い「コイツら?ご主人様になんて無礼を!」痛い!何すんだ!」


ミンミとネネが取っ組み合いのケンカを始めた。ルパートが止めたが懲りずにまた始めた。

 異世界の女の子はマウント取らないと気がすまないのかな?とりあえずアニーさんを呼んできたら、二人の顔が腫れるまでビンタしてからの説教。


「契約を盾に何でも許されると思ってたら大間違いよ!不真面目な態度なら契約違反になるはずだよ!ミンミ、お前も今日からの仲間に手出ししたらいけないよ!」


躾完了。

アニーさんを怒らせてはいけない!

 アニーさんが二人の腫れた顔を魔法で癒していた。また、にらみ合う二人は懲りずにビンタ食らっていた。結果泣きながら仕事をしていた。恐るべしアニーさん!


 そういうわけで、アニーさんに丸投げしてハンターギルドへ行き肉を受け取る。解体長のヤンソンじいさんが、シルバーサーペントを定期的に卸してくれと言う。


「ギルドマスターにおこりゃりぇる」


「そっちは言って聞かせておく。領主様からの依頼なんだ。頼む!」


「へびどうしゅりゅの?」


ヤンソンじいさんがニヤリと笑う。


「シルバーサーペントは高級食材なのさ。ひと月に1回のパーティーで振る舞われる。とっておきのごちそうさ!」


「ちゅき、いっかいにゃりゃがんばる!」


お金が欲しいし。


「頼んだぞ!」


ハイタッチして約束するとギルドから出ていつもの商店でタレの代わりになりそうなものを物色してると、高いタレを買う客がいないのか試食までさせてくれた。

 照り焼きソース風のタレと焼き肉のタレ(辛い)風のタレと薄味のしょうゆ風調味料を10壺づつ買い、ニンニクや果物、野菜、ハーブや香辛料、小麦粉などを金貨4枚分買ったら、お得意様のカードを渡された。


「ハーライト商会のラペルともうします!エイチ様」


「ん、ありがちょ!」


「かわい・・・ゴホン!カードを擦っていただいたら、良いだけです。店を開いてお待ちしております」


ハーライト商会のラペルさんね。

 ドゥーマの家に帰ると看板が出ていた。


「稲穂屋と書いてあります」


「わりちょ、センシュいいにぇ。ギルドマスター」


ルパートがウケている。

ローレンさんが玄関先で待っていた。


「肉を下さい!」


「ちゅうぼういくよ」


厨房で肉を出したら、コカトリスは3頭分唐揚げ用に切り、しょうゆ風調味料とニンニク、ショウガ、塩コショウをまぶし大瓶に入れて氷室へ。他は照り焼きにするから、一人前の大きさに切り、手を加えた照り焼きソース風のタレに漬けて氷室へ。ボアはソテーしてクレイジーソルトで味付けする。ステーキサイズに焼く時に切る。

ブルーブルは熟成待ち。保冷庫へ。

さて、明日の開店はどうかな?

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