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ちゅきちゅき、あいちて!  作者: 榛名のの(春夏冬)
12/15

第12話 カラビナ国へ

価値ある砂糖を売り物にして、他の国とも、繋がりを持ちたいセシルガーデン国。


そんなに困ってるなら助けてあげたい。


「ルパート、ルパートちゃいへんに、にゃりゅけど、いいでしゅか?」


「もう1人護衛兼アイテムボックス持ちのお友達を増やしましょう。私が安かったのは、あまり、容量が入らなかったからもあります。カラビナ国に行ってお友達を増やしましょう」


「カラビナこく?」


知らない国の名前が出た。

 ヴェルヌさんは「とんでもない!君たちが奴隷になるよ!」と大反対。ああ、そんな国な。お金は限界まで持って行かないとね!

自宅に帰ると、ルパートが欠損部位治癒薬を用意しておくよう言った。


「多分正規の値段では買えませんから。欠損奴隷を買いましょう。オニキス達には、首輪のようなものを作ってやれませんか?」


「わかった!やってみりゅ!」

藤の蔓を編んでオニキス達にぴったりになるようなサイズにし、それをシルバーサーペントの皮で包む。おしゃれな首輪の出来上がり♬

 欠損部位治癒薬は、念の為3本用意した。

旅の用意に最高品質のポーションともしもの時の造血剤、マジックポーション、スタミナポーションEX、解毒剤、状態異常治癒薬、布団、3日分の料理。

 夜に移動して朝か昼に到着予定だ。

武装してオニキス達に乗る。不気味な夜の樹海を安全渡航して翌日のお昼過ぎには、カラビナ国に着いていた。

検問所の前までオニキス達に乗って進むと、首輪が見えたのか、皆興味津々でこちらを見ている。オニキス達から下りると俺たちを値踏みする視線が、嫌って程あちこちから送られる。

 中には、俺を買うから連れて来いというのもあった。奴隷商のハシゴをしてると襲われて返り討ちにする事35回、やっと、襲われなくなった。


「ルパートがちゅよくてよかっちゃ」


「エイチ様には敵いませんが?」


「・・・みちゅかりゃにゃいにぇ」


「安い奴隷商ばかり選んでますからね、普通の奴隷商に行きましょうか」


普通の奴隷商はメンドーサさんの商会みたいな感じのお屋敷でそこそこ見栄えの良い奴隷が出てきたが、綺麗なだけで、何の技能も無くて大金貨3枚とか、勘弁してよ!

 戦闘奴隷になると大金貨10枚以上もして、草。


「アイテムボックス持ちの奴隷を見せてくれ」


「大金貨100枚からですよ?持ってるんですか?」


「欠損奴隷でいないか?」


「居るには居ますが、もうそろそろ死にますよ?売れるなら売りたいです!」


「アイテムボックス持ちかどうか、確認したい。見せてくれ」


金貨1枚を奴隷商にルパートが渡すとその奴隷が入っている檻の前に連れて行かれた。

両手両足が無い。


「・・・ひじょい」


※※※※※鑑定

ブラッド(19)狼獣人。この屋敷の10倍の収納力を持つアイテムボックスの持ち主。今朝斬られた両足が致命的。早く買うべき!

※※※※※


「かいましゅ!いくりゃ?」


「大金貨3枚です」


「ルパート、おかにぇ」


「はい、エイチ様どうぞ」


「いま、もってかえりゅ、どりぇいもんらけ、つけて」


奴隷紋を付けたら、最高品質のポーションと造血剤と欠損部位治癒薬を飲ませて応急手当してルパートにブラッドを背負って行かせた。検問所までに何回か襲われたけど、コールドブレスで遠慮なく凍りつかせた。

 オニキスとビジューが首を長~くして待っていた。二人に乗ると夜の樹海をセシルガーデン国へ。自宅に帰り着く頃には、ブラッドの手足と尻尾が生えていた。

 猛烈にお腹が空くと言うルパートの証言に基づいてシチューをたっぷり作ってブラッドの目覚めを待ったが、ちっとも起きない。

 死んでいるのかと、呼吸を確かめれば、やっと目が覚めたらしい。


「手足がある?うおおおお、お腹痛い!」


「お腹が空きすぎて、痛いんじゃないかと・・・、食べさせてみましょう」


「あ~ん、ちて」


「かわいい・・あ~ん(モグモグ)美味い!もっとくれ!」


木皿ごと渡してお替わりを8皿して、やっと、ブラッドは落ち着いたらしい。


「教会で復活の聖魔法かけたのか?おっさん」


「私の名前はルパートという。こちらはエイチ様、私達のご主人様です。無礼は許さない。お前の欠損を治したのはエイチ様のポーションで、お前が元気なのは全部エイチ様のお薬のおかげだ。良く仕えるように!」


「わかったけど、一度村に戻りたい!皆が金と食料を待ってるんだ!」


「ブラッド、今、お前を買ったおかげで金が無い。1週間待て!」


「・・・俺、いくらだったの?」


「大金貨3枚だ」


 ブラッドの顔色が悪い。


「エイチ様!俺、頑張って働くから、時々村へ食料持って行かせて欲しい!」


「いいけど、じぶんにょ、おきゅうきんでにぇ」


「エッ!給金出るの?!いくらくらい?!」


食いつくなあ。


「ルパート、どうしよう?」


「貿易を始めてみないことには何とも言えませんね」


ブラッドが必死で言い募る。


「うちの村、発泡酒作ってんだ!それ売ってくれ!」


「まあまあ、とりあえずデューバーグ国に小麦粉と砂糖を輸出してみましょう。エイチ様はポーション作りですか?」


「ん、ブラッド、ルパート、がんばりぇ!」


二人が留守の3日間でポーションの最高品質を100本と良品を950本作った。

 夕飯には、ブルーブルを使った、ビーフストロガノフを作ってパンを焼いて二人を待った。

 しかし、二人はその日帰ってこなかった。

翌日のお昼過ぎにようやく帰ってきた2人は辺境の街から少し離れたヨルスの街へ砂糖と小麦粉を持ち込んだらしい。

 辺境の街はバカ領主がまたちょっかいかけてきたら面倒くさいので、評判のいい領主様の街で取り引きしたという。

砂糖だけで大金貨4枚の稼ぎになったとルパートは笑っている。

 小麦粉は残念ながら売れなかったので売れるだけ稲穂屋に売って来たらしい。

 やっぱり、得意先との取り引きがあるから皆うんとは言えなかったようだ。

 なら、商会を立てたら良くない?

ポーションを薬師ギルドに納品して大金貨1枚と、銀貨5枚をもらうと、小麦粉と野菜、調味料をたくさん買って、狩りをしながら、カラビナ国の北にある小国郡を目指した。

 何処に行ってもオニキス達はすごく恐れられていて大体樹海を通って進んだ。

リベルタを出て3日目、ブラッドの実家の村へ着いた!

 グレプ畑が広がる牧歌的な土地だが、朝は少し肌寒い。発泡酒か、シ○ン○ンみたいな物かな?


 ブラッドは村人たちに抱きしめられ、泣き出され、引っ叩かれていた。奴隷紋を見られて主人に挨拶すると、家族が俺たちの所へ来た。


「ノルドの里長でブラッドの父のファリオと申します。ブラッドを助けてくださってありがとうございます!これからもバカ息子をよろしくお願いいたします」


「こちりゃこしょ、よろちくおにぇがいしましゅ!エイチとルパートでしゅ!」


「「「「「「「かわいい!」」」」」」


可愛くないぞ!中身おっさんだからな!

ルパート、打ち合わせ通りに、言っちゃって!


「ところで皆さん狩りは得意でしょうか?」


「「「「「「「ああ、得意だ!」」」」」」


「でしたら、私共からご提案があります」

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