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ちゅきちゅき、あいちて!  作者: 榛名のの(春夏冬)
10/15

行幸

すみません!お待たせしました!

今まで食べた異世界料理の中で一番マシな味だった。

 ただ、パンが硬かったので天然酵母のパンの作り方を教えてあげたら、何かに取り憑かれたかのように作っていた。

 料理が出て来なくなったので、お腹が空いてた俺は仕方な~く、作るハメに。面倒くさいから焼き肉にした。

 これにはエリンさんが喜んだ。

この店の秘伝のソースを作る事になって、労働基準法違反だと怒っても、まあまあまあ、と流されて作ったテリヤキソースと焼き肉のタレ。もう眠いって言ったのに、4才児に無茶させやがって!覚えてろよ!!


俺は食べている最中に寝落ちしたらしく、全く知らない部屋で目覚めた。

 上級の宿らしく窓にはガラスが使われていた。

 ルパートがいつも通り隣りに眠っていてホッとした。

 御者をしていたので疲れてるのだろう。もう少し寝かせてやろう。

着替えて廊下に出るとメイドさんが水桶を持って待ち構えていて、まずは洗顔、御髪のお手入れ、服のチェックと仕事に情熱を燃やしていた。


「旦那様が食堂でお待ちです。パンを作って下さい」


え?ここ誰かの家なの?!


「ごめんなしゃい、ここ、だりぇにょいえ?」


メイドさんはにっこり笑って答えた。


「エリン様のお屋敷です」


ルパートに、発酵頼まなきゃ!

 俺は心を鬼にして今出て来た部屋に引き返し、ルパートを手荒に起こした。


「すみません、起きられませんでした」


「いいにょ!パンやくかりゃ、したくができたりゃ、ちゅうぼうにきちぇ!」


「はい、エイチ様」


メイドさんに連れて行ってもらった厨房は稲穂屋のものより大きな物で、いろんな調理器具と食材があった。

 ベルトに指してある薬瓶から、天然酵母を出すと早速パン生地をこねる。

 エルフの料理人達が次々真似してパン生地が量産された。

 ルパートはすぐ来てくれて、第1発酵と第2発酵を何でもない顔でこなした。むむ、魔力量増えたな?

 ジャムパンと食パン、マヨ玉サンド、ハム卵サンド、フレンチトーストを作って料理人さん達に試食してもらうと、大騒ぎになった。美味すぎる、と。

マヨネーズのレシピを教えて、目を潤ませて食堂に見送られた。

 食堂では、エリンさんとドゥーマが競うように食べていてお残しなど考えていない。

 ルパートと俺は外食する事にしてエリンさんの屋敷から出た。

 

串焼き屋はハーライト商会のタレを使えばもう少しまともな味になるのに、鑑定したらほぼ雑草と少しの塩で味付けとか、あり得ない感じ。帰りの食材を金貨1枚分買ってルパートのアイテムボックスにしまった。

 自分達のブランチは少し高かったが、ハチミツのかかった果物のお店で腹ごしらえして、エリンさんの屋敷に戻った。


「何食べて来たのですか?期待外れだったようですね」


「おいちくにゃい」

エリンさんがクスクス笑う。そして俺を抱っこして屋敷から出る。


「もう少しで昼ですからね、メンドーサの商会に行きましょう」


あっ、奴隷さんの引き渡し!

後ろからドゥーマとルパートが付いてくる。

 ハンターギルドの裏口に置いていた馬車に乗り奴隷商会に着くともう、出発の用意が整っていた。

 ちなみにエリンさんとは、ギルドでお別れした。


馬車2台に護衛のハンターチーム2つ、奴隷さん達は馬車に乗り込み、普通の服を着て明るい笑顔を見せていた。


「メンドーサ、これは別料金か?」


メンドーサさんはドゥーマの心配を笑った。


「料金内です。ご安心を。ただし、馬車を買うなら別料金になりますが、どうしますか?」


「いくりゃでしゅか?」


「そうですね、お安くして、一つ大金貨2枚ですね」


セシルガーデン国で店買わなきゃいけないから、これ以上の出費はムリ!。仕方ない、セシルガーデン国に入国する時はオニキス達に手伝ってもらおう。


「あきりゃめりゅ、ありがちょ!メンドーサしゃん」


「いいえ、どういたしまして。またのご利用お待ちしてます!」


「メンドーサ、世話になった!またな!」


「ドゥーマもお元気で!」


馬車の横と後ろを並走するハンター達に驚いていると、身体強化してるらしい。


「ばしゃ、にょりゃにゃくちぇ、らいじょうぶ?」


「そうだな、半日走らせて半日馬車に交替で乗せてやるか」


御者台に2人づつ、俺とドゥーマの乗っている馬車に御者台に一人(もう一人は御者のルパート)、馬車の中に2人乗ってもらったら、通常の護衛付きより、早く進めたようだ。

 朝、晩ご飯は、野営地でしっかり取り、お昼ご飯は、馬車の中で食べる強行軍。

馬たちには、スタミナポーションEXを朝ごはんと一緒に飲ませている。

 途中、山賊が出て来たが途中までお迎えに来ていたオニキスとビジューを見て逃げ出した。っていうか、ビジュー!また大きくなってないか?!

 こうして、山賊が出たら、オニキス達が追い払ってくれたので王都を出て6日目には、辺境の街に帰って来た!

 

奴隷さん達は今日はゆっくり休んで、明日からパン職人の研修をひと月する。

ミンミには、店長兼シェフブーランジェとしての自覚を促す。


そして、俺はと、言うと、ポーションの生産してセシルガーデン国に売りに行くついでに、パン屋の候補地を選定する。


初めてセシルガーデン国に行ってから3週間が経っていたが、熱烈歓迎を受けたばかりか、セシルガーデン国に移住するなら、いろんな便宜を図ってくれるという。

 そこまで薬師がいないらしい。

俺の担当になった、薬師ギルドのルルーさんは、口元にあだっぽいホクロがあるセクシーダイナマイトで、気が利く受付嬢で、ルパートがパン屋を作りたいと説明しただけで、早速物件を案内してくれたが、どれも古くて、直さないと店が出来ない。ハンターギルド近くのボロボロの木造住宅を買って、図面を引いて後はルルーさんおすすめの大工さん達にお任せした。


 テイクアウト専門店で厨房と、2階の従業員の部屋を広く作った。サンシェードとショーウィンドーを付けたら、びっくりするくらい高くなったが、ショーウィンドーは、重要だよ!売れ行きを左右する大事なパーツ。

ただし、サイクロプロスの眼球を磨いたら良い具合にガラスに似たものが出来るらしい。

 経費削減の為、ルパートとオニキス達を連れてサイクロプロス狩りに行き、オニキス達がサイクロプロスの体を締め付けてる間に目玉を抉り出し、目から脳を突き討伐した。

 ちなみにサイクロプロスは角と目玉以外価値がない上に強いので、誰も好き好んで討伐しない魔獣ナンバーワンらしい。

 

 ルパートがサイクロプロスの眼球を加工してる間に俺は樹海の薬草をいろんなポーションに作り替えた。

 状態異常に、マジックポーション、普通のポーションの良品にたまに、最高品質の物が作れ始めた時、それは唐突にアナウンスされた。


※※※※※鑑定

欠損部位を治療するポーションが作れるようになりました。最高品質のポーションにハノン草の絞り汁をステアして下さい。

※※※※※※


俺はビジューに乗って樹海に飛び出した。

 夕暮れ近くの採取は、手元がよく見えなくて困難を極めたが早くルパートを喜ばせてあげたくて、魔導具のランプを使って、ハノン草を見つけるまで粘った。

 やっと見つけたのは真夜中を過ぎていてセシルガーデン国に移した家に帰るなり、ルパートに叱られた。

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