第六十一話 魔法が使える施術と性教育
※表現を抑えてますが過激なシーンがあります。
ウルスラの舎弟スパルタコを暴力で大怪我させた、マフィアのリド・レ・デル・ソーレを退治することが出来たビーチェたち。
マフィアに嫌がらせを依頼した黒幕は、ウルスラは見当が付いているとのことで警察に調査を依頼し、今日の所は場を収めることが出来ました。
店のジェラートを勝手にバカ食いしていたビーチェとジーノは腹を壊して…… いないようですね。
案外、お腹もオーラで鍛えてあるのかも知れません。
三人は遅くなった昼食をまた屋台通りで軽く済ませ、アレッツォへ持って帰るお土産のまだ足りない買い物をしてからホテルへ帰りました。
私は、前にも書きましたが教皇に付きっきり。
礼拝の時間にご一緒したり、二人で信徒と修道女への講演、加えて事務仕事まで手伝ったり、お仕事そのものでした。
でもウルスラから僅かなお小遣いを頂いただけのほぼ一文無し状態の私に、なんと三十万リラも礼金を頂くことが出来たのです!
たった一日でウハウハじゃないですか。
教皇や他の司祭が贅沢な生活をしているようには見えませんでしたが、ありがたいことです。
そして、私がアレッツォの教会でお仕事が出来るように書簡を書いて頂きました。
小さな街の教会の場合、多くが領主が徴収した税金から成り立っているそうですが、この国の人々は信心の深い浅いはあれどほとんどがサリ教の信者で、問題無いそうです。
私は明日の表彰式に参加する必要が無いので別の意識にビーチェたちを覗かせて、私自身はアルテーナの商店街でお買い物を楽しむことにします。むっふー
私は三人より一時間ほど遅くホテルへ帰館。
レストランで四人揃って夕食を取りました。
その時の会話で――
「ディアノラ様! あたしたちマフィア退治をしてたんだよ!」
と、ビーチェはドヤ顔で言いましたが――
『ああ…… お空の上から覗いてましたよ。ご苦労様です。オホホ……』
「えー、なんだあ。これから武勇伝を語ろうかと想ってたのにぃ」
「武勇伝って、三分で片付いてんのに何を語るんだ?」
「そこはこう、ぶん殴って、ちぎっては投げ、ズバババーン! ドシャー! っと」
「――それで終わってるじゃん」
ジーノのツッコミでビーチェがそう言いましたが、ジーノは呆れ顔。
ビーチェは頭の中の映像を言葉にしにくいんでしょうかね。ちょっと心配です。
「ねえディアノラ様。あたしが魔法を使えるようにするって話、どうなったの?」
「ビーチェ、ディアノラ様にそんなお願いをしたの!? 私でも出来ないのに、神様ってとんでもないことが出来るのね……」
「えへへー」
『わかりました。今晩施術しましょう。ですが体質の問題もありますから必ず魔法が使えるようになる保証は出来ません。良くて生活魔法が使えるEかFクラスぐらいだと思っていて下さい』
「あー そっかあ。でもいいや。料理をするときに火種にしたり、水やお湯を出せるだけでもすごく便利になるよなあ」
「それでも魔法書を読んで勉強しなければいけないのよ。あなた大丈夫?」
「うっ それは…… メリッサ先生に教えてもらうから……」
『いえ、私の力のことは他の方には秘密にして頂きたいのです。ウルスラさんならもうわかってますから、彼女から教わって下さい』
「そうだねえー ひっひっひ ビシビシいくからねえー」
「うへぇ……」
ウルスラにそう言われ、萎れるビーチェでした。
あっ!? そうです!
私がビーチェを施術している間、ジーノがウルスラにむふふな相談をしてくれれば良いんです。
それをビーチェに見つかったらいけませんから、そのタイミングで施術することにしましょう。
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「ディアノラ様! やっぱり早くしてもらいたい!」
「あら……」
ビーチェのほうから、言っていた時間より早く私の部屋へ来てしまいました。
でも私の部屋はウルスラとジーノの部屋から離れているし、向こうの声がこちらへ聞こえることもないでしょう。
あと私の方で時間稼ぎをすればどうにでもなります。ふふふっ
彼女は昨日と違い、上下薄い緑のキャミソールとショートパンツです。
『さっ ベッドへ横になって下さい』
「はーい」
ビーチェは素直にベッドへ横になりました。
彼女の身体を至近でまじまじと見るのは初めてです。
若いお肌がプリプリ、お胸もたゆんたゆんで羨ましい……
香水は着けていないけれど、石鹸の香りがふわっと漂います。
これならジーノが早く暴発したのは仕方が無いと言えましょう。
『では始めます。時間が掛かりますが、身体は動かさないで下さいね』
「はーい」
私は彼女の額と胸の谷間に手を置いて、ゆっくり神力を込めました。
おほっ Eカップバストがこんなに柔らかいとはっ
勿論、キャミソールの下はノーブラです。
「わっ 身体がちょっと熱くなってきた。でも頭はひんやりして気持ち良い……」
『あなたの頭の中で処理が始まってるので、同時に冷やしてるんです。そうしないと熱中症みたいになってしまいますから』
「ええ…… なんか怖い」
『大丈夫だと思いますが、目眩がしてきたら言って下さいね。寝てもらっても構いませんから』
「はーい」
ふふふ…… ビーチェは大人しくしてますし、これでジーノの様子を覗けます。
そろそろ始まらないかしら……
――十数分後、ウルスラの部屋へジーノが尋ねてきました。
キョロキョロと挙動不審になってますねえ。うぷぷっ
――コンコン
「開いてるわよー」
「お、お邪魔します……」
ジーノがウスルラの部屋へ入ると、彼女は上下ワインレッドのキャミソールとショートパンツという刺激的な姿で脚を組んで座っており、備え付けの魔動冷蔵庫に入っているビールで一杯やってました。
「いらっしゃい。まあそこへ座りなさい」
「うん……」
見てくれは二十代半ばのウルスラと、十五歳のジーノ。
お姉さんがイケナイことを教えてあ・げ・る、みたいな妖しいシチュエーションですねえ。
ウスルラは冷蔵庫へ向かい、カンパリソーダに似た色の瓶ジュースを持って来てグラスに注ぎました。
「こんなのしかもう無いけれど、口に合うかしら。ちょっと苦いけれどスカッとするわ」
「ああ…… これ飲んだことあるから」
と言いながら、ジーノはグラスに入っているその炭酸ジュースをゴクゴクと一気に飲み干しました。
「ふーん、口が渇くほど緊張してたんだ。可愛いっ ぷぷっ」
ウルスラがそう言って何秒か間が開いた後、ジーノは思い切ったふうに口を開きました。
余程思い悩んでいることなんでしょうか。
「あ…… あのさ……」
「ん?」
「き、き、き、昨日の夜……」
「昨日の夜ね。どうしたの?」
「ビ、ビーチェとその……」
「うん」
「キスして…… 裸になって…… ベッドへ行って……」
「まあ! とうとうあなたたちそこまで行ったんだ! おめでとう!」
「あいや、それで無事に済んだんなら相談しないって……」
「ん? 何があったの?」
「出来なかったんだよ……」
「何が出来なかったのか、頑張って言いなさい」
「う…… は…… 始める前に…… 出ちゃったんだよ……」
「あー……」
ウルスラは察したかのように声を出しました。
私もこのことはわかっていましたが、やっぱりそう言う相談でしたか。
女の子を満足させられなかったことで男の子は恥を掻いたと思い込み、落ち込んでしまう。
初めての経験ではよく聞く話ですよ。
ビーチェが彼をあざ笑うことはしなかったし、今日はいつも通り仲良くやってたんですから気にすることないのに。
でもこの年頃は悩んじゃうんでしょうねえ。
「初めてだったんだろ? 気にすることないって。慣れたら出来るようになる!」
「その慣れるまでがさ…… 何というか、女の…… 大事なところ見てたらドキドキが止まらなくなって……」
「あー、わかった。ロッツァーノで私と寝た後に、私の股間をガン見してたろ。なるほどなるほど」
「うげっ わかってたのかよっ」
「あんな目をしてたらすぐわかるって」
「ううう……」
あの時ですか!(第三十四話参照)
私がウルスラと初対面した時です。
確かにDTのジーノには、ウルスラの全裸は刺激が強いですよねえ。
ジーノにとって女性の◯◯◯は、それは尊く神格化していると思います。
地球の日本でも観音様を隠語として観音開き、御開帳と言っていたこともあったくらいですから。
「そっかそっかあ。じゃあ仕方が無い。私が一肌脱ぐかあ」
ウルスラはそう言いながら、キャミソールとショートパンツをスルスルと脱ぎ始めました。
本当に一肌脱いでどうするんですか!?
「あ…… あの えっ? なんで?」
ウルスラは、ぱんつ一丁になり、ドヤ顔でベッドの前に立っています。
ぱんつまでワインレッドで、レースのハーフバックですね。
ローライズで覆っている布面積が小さく、セクシーさがより表現されています。
大きな胸も堂々とぷりんぷりん。
ジーノは彼女の胸と股間へ視線を交互に送りつつも、何が起こっているのかわからない驚きの顔です。
元来むっつりスケベのジーノは、女の裸があればすぐ目を逸らすラノベの主人公とは似ても似つきません。
「これからあなたに性教育をしてあげよう」
「えええ……」
ウスルラはそう言って、ベッドに寝転びました。
「私のぱんつを脱がせてみなさい。あなたは服を着たままよ」
「――」
ジーノは無言でベッドの上に乗り、ウルスラの足下へ座りました。
しばらくウルスラのぱんつをじっくり眺めた後、両手でぱんつに手を掛けました。
――ゴクリ……
ジーノがゆっくりぱんつを下ろすと髪の毛と同じ灰緑のそれが現れ、彼の目はさらに大きく開きました。
(ビ、ビーチェより薄い…… もう丸見えじゃん! ひいぃぃぃっ)
ウルスラは両脚をグッと広げてこう言います。
わっ いくら私が女でも、ここまで他人の大事な場所をはっきり見るのは長く生きてきて初めてですよ。
私も勉強になります…… ドキドキ
私自身は、時々鏡でチェックしてますよ。
あらいやだっ 口が滑ってしまいました…… 恥ずかしい……
「しっかり見なさい。そしてここで我慢するの。慣れておかないとまた同じ事になるわよ」
「――」
(前は遠くからチラ見したんだけど、ウルスラが外国人で色白だからやっぱりこっちも…… あいや、そんなことよりもう俺の俺がもう爆発しそうだ。うううっ)
「ふふふ…… 何だか苦しそうね。顔が真っ赤じゃない」
「ううっ……」
「でもこれからよ」
ウルスラはおもむろに両手を自分の股間に当て、拡げました……
はわっ はわわわわっ
私、もう見ていられませんっ 女の私でも恥ずかしいですっ
目を塞いで声だけ聞きます……
「ここが、赤ちゃんが出てくるところ…… 且つ、女が男を受け入れるところ……」
「はひっ……」
「ああ…… 私も興奮して来ちゃった…… このままあなたを受け入れたいところだけれど、ビーチェが可哀想だものね……」
「はふーっ はあーっ」
「慣れるまで…… アレッツォへ帰ってもこうしてあげるよ…… ふひっ」
ウルスラったら何を言ってるんでしょうかねっ
二人のイケナイ関係が始まってしまうのですか?
そのジーノは、半泣きになりながらも歯を食いしばって耐えているようです。
ああっ 見ちゃいけないんでした!
「お、俺もうダメだあ!!」
――スタタタタタッ バタンッ
ジーノはスクッと立ち上がり、大慌てで部屋から出てしまいました。
ああ…… まあお察しの通りでしょうね。
それにしても、ウルスラに襲いかからないなんて理性が強い子ですね。
(ありゃりゃ、出て行っちゃった…… あの子にはまだ刺激が強すぎたのかしら。またチャンスを作ってあげるとしますかね。むひひっ でもホント真面目ねー 私に覆い被さらないどころか、身体に一切触らないなんて…… 口には出さないけれど、ビーチェに一途なんだろうなあ。私にもそんな良い男が寄ってこないかねえ)
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ジーノは今頃自分の部屋で、一人で頑張ってることでしょう。
私のほうはそのままビーチェに施術をしているところで、間もなく終わりそうです。
ビーチェは眠りもせず、むしろわくわく楽しみでたまらない様子で大人しく寝転がっていました。
『もう終わりそうです。あと二、三分ってとこでしょうか』
「ホントですか? うーん、何だか自分が生まれ変わった気がする!」
『今はあなたの身体の中に魔法が使える血脈のようなものを形成して、魔力の種を植え付けただけです。だから今すぐ魔法書で勉強したとしても魔法は使えませんよ。何週間かして身体に馴染んでから魔力が湧いて使えるようになります』
「なーんだ、まだ先なのかあ」
『その間に、ウルスラさんからしっかり教わって下さいね。たぶん世界一の魔法使いですからこんな贅沢はありませんよ』
「ウルスラそんなに強いの? コロッセオでの戦いはすごかったけれど、ウチの店で飲んだくれてるのを見てる方が多いからなあ」
『本当に強き者は、力を得意がって見せつけないものですよ』
「ふーん……」
ビーチェも十分に強いです。
遠回しに言ったつもりですが、彼女は気づいてくれるでしょうか。
バルも大魔王との対戦時を思えば、今はとても大人しいです。
ビーチェたちはバルの本当の力をまだ知りません。
その力を使わずに済めば良いのですが、魔女ラースローネの登場で心配になってきました。
『ふうっ これで完了しました。後はあなた次第ですから、頑張って下さいね』
「ありがとう、ディアノラ様!」
ビーチェはベッドから起き上がり、ウキウキしながら自分の部屋へ戻っていきました。
そのままジーノの部屋へ突入してその報告をしなければ良いのですが。ぷぷっ
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「(ドアをガバッ)おーいジーノ! あたしねー! あっ……」
「ぎゃあああ!! ビビビビビビーチェ!?」
「わっ 悪かったな…… それではごゆっくり……(ドアをそっと閉じ)」
「ぐぬぬ……(しおしお)」




