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第四十六話 謎の外国人少女がアレッツォに来た

 (わたくし)が天界へ帰るために三人が祈ってくれましたが、またもや失敗。

 光の扉から吐き出され、私の身体は礼拝堂の床に強く打ち付けられてしまいました。


『あうあう痛い痛い痛いいいいいっ! うえええええん!!』


「ありゃー! また戻ってきちゃった!」

「せっかく頑張って祈ったのに、どうしてなんだ!?」

「こここっ こんなことってあるんですかあ!? ああっ お(いたわ)しやディアノラ様……」


 ビーチェとジーノは残念そうに私を眺め、教皇は私に寄り添い手を握ってくれました。

 さすが教皇になれるだけあって、根は優しいんですね。


『ぐすん ううう…… (わたくし)、二度と天界へ戻れないのかしら……』

「まあまあ、ディアノラ様がこっちに来て日が浅いんだから焦らないでゆっくり考えようよ」

「そうだよ。俺たち付き合うからさ」

『ありがとうございます…… しばらくお世話になります……』

「私がお力になれることがありましたら、何でも(おっしゃ)って下さいませ」


 私はよろよろと立ち上がり、教皇にこう願いました。


『そうですね…… 教皇の権限で、仮でも良いので何か行動しやすい地位を頂くことは出来ますでしょうか?』

「承知しました。外国から来た司教ということで、私の直属であればご都合がよろしいでしょうか」

『それで構いません』

「では、祭服と証明書を…… 明日、いえもう今日ですね。今日のお昼までには準備しますので、私の公邸までいらして下さいますか? 公邸の者には話を通しておきますので」

『わかりました』

「神様にお手を(わずら)わせてしまい大変申し訳ございませんが、何分(なにぶん)私も忙しい身で……」

『いいえ、そこまでして頂けるならば十分です』

「ああっ なんて慈悲深くお優しいのでしょう! これはサリ教ディナ派を起ち上げないといけませんね!」

『あいや、そこまでしなくても…… オホホホ』


 教皇は目をキラキラさせながら両手を組んで祈るように言いました。

 (わたくし)はあくまでサリ様の従属神に過ぎませんから、(わたくし)オリジナルの教えを説くようなことなんて何もありませんよ。

 さて、今晩の所はもう用がないのでホテルへ帰らせて頂きますか……


===


 時は第四十三話に戻り、ビーチェたちとアルテーナの街巡りをしていた頃。

 アレッツォで起こっていたことをこれからお話しします。

 (わたくし)の別の意識がアレッツォにあるので、こちらからご案内しますよ。


 北方からアレッツォに向かう街道にて、一人の少女がぷわぷわと長い杖に乗って進んでいました。

 この子、魔法使いのようですね。

 そのスピードなら間もなくアレッツォへ着く距離です。

 少女は道際に立っている木製の看板を見てこう言いました。


「Hmm, enää 5 km jäljellä. Äiti, olet tullut näin pitkälle.」

(ふーん、(アレッツォまで)あと5kmかあ。お母さん、こんな所まで来てたんだね)


 おや? 外国人のようですね。

 最近どこかで聞いたような言葉ですが、誰がしゃべってましたっけ。

 髪の毛が緑色のくせ毛で、長さは肩まで。

 帽子は被っていませんが、水色の魔法使いのようなコートを着ており、見た目は十歳くらいの可愛らしい女の子です。

 どうやらアレッツォに着いたようですね。

 街の入り口から街を見渡しますが――


「Vau, tämä kaupunki on maalaisempaa kuin odotin.」

(わあ、思っていた以上にこの街は田舎ね)


 少女は杖に乗ったままぷかぷかと進んでいました。

 彼女はキョロキョロとあたりを見ていますが――


 ヒュルルルルルル――(風の音)


「Tiellä ei ole ketään kävelemässä!」

(道に誰も歩いている人がいないじゃない!)


 彼女が言うとおり、アレッツォの本通りは誰もいません。

 今日は平日で子供たちは学校。

 たまたま旅人が出発する時間には遅く、買い物客が歩く時間にはちょっと早いからでしょうか。


「Ah, siellä oli joku!」

(あっ あそこに人がいた!)


 そのまま進んでいると、彼女は人を見つけたようです。

 その人とは、酒屋の前で馬車の荷台に酒樽を積んでいる若い男でした。


「えーいよっこらせっとお!」


 あら、このシチュエーションは前にも見ましたよ。

 ふふ、思い出しました。あの人ですよ。

 ここまで読んで頂いた熱心な読者の皆様ならわかりますよね。


「Hei setä. Haluaisin kysyä sinulta jotain.」

(ねえ、おじさん。ちょっと聞きたいことがあるんだけれど)


「えっ ええ!? 何言ってんだこの子? 外国から来たのか?」

「ああ、ごめんなさいね。つい頭の中の言葉で話してしまったの」


 ガルバーニャ語しか通じない相手につい外国語で話しかけてしまった少女。

 酒屋の男は見慣れぬ外国人の女の子に戸惑いながら応えました。


「あーびっくりした。君、ガルバーニャ語がしゃべれるんだ。それで俺に何か用なの?」

「この街に、この髪の毛と同じ色の女の人がどこにいるか、知らない?」


 少女は右手で自分の緑色の髪の毛を摘まみ、酒屋の男に見せました。

 こんな色の女性ってあの人しかいませんよね。


「うー…… あ! ウスルラさんのことじゃないかな?」

「そうよ、ウルスラを探してるの。私のお母さんなんだけど」


 やっぱりウルスラの子だったんですね。

 彼女の名はヴァルプリ・ユーティライネン(Valpuri Juutilainen)といい、現在二十四歳。

 第二十三話にてウスルラの3D映像魔法で、そのヴァルプリが四歳の時の姿が出ました。

 見た目は十歳か十一歳くらいなのに、ロッカ族は成長が遅いんですね。


「へーっ!? ウルスラさんにこんな大きな娘さんがいたんだ! 彼女ならパウジーニ伯爵家に住んでいるけれど、向こうのラ・カルボナーラというお店によく入り浸ってるから行ってみるといいよ」

「そ、ありがと。うふふ」


 ヴァルプリは、やや作り微笑み気味で酒屋の男に挨拶し、ラ・カルボナーラへ向かいました。

 酒屋の男は、杖に乗って立ち去る彼女を見てニヤニヤしています。


(むふふふー ウルスラさんの娘さん、めちゃくちゃ可愛いなあ。俺、ロ◯コンになっちゃいそうだよ。いいなあ、バルさんの周りは可愛い(ひと)ばかりで……)


---


 ヴァルプリは、ラ・カルボナーラの前までやって来ました。

 彼女は店構えを眺めてこう言います。


「ふーん、パスタのお店か。アルテーナで初めてパスタを食べてからハマっちゃって、つい一ヶ月も滞在しちゃったもんね。このお店も美味しいのかしら」


 それからヴァルプリは店のドアを開けて中に入り、店内の様子を見ましたが……


「こんにちは。あー、そうか。この時間じゃまだお店開()いてないよね」


「いらっしゃいませ。そうなんです、ごめんなさい。このお店、お昼はやってなくて夕方からなんですよ」

(まあ、可愛い女の子ね。一人で? でもどこかで見たような……)


 厨房では、ナリさんが一人で準備をしていました。

 バルはどこにいるんでしょうか。

 ナリさんは妊娠をしているから遠くへ出掛けていないと思うのですが。


「ああいえ、ちょっと尋ねたいことがあって。ここによくウルスラがいるって聞いてきたんですけれど」


「ウルスラさん? よくウチに来てもらっているけれど、生憎ウチの子たちと数日前からアルテーナまで出掛けてるの」


「えええっ!? 行き違いだったのかなあ……」


 ヴァルプリは肩を落としてガックリ。

 そんな小さな彼女を見てナリさんはこう言いました。


「でもあと一週間くらいで帰って来ると思うわ。――って、あなたお連れの方は? お父さんかお母さんはいらっしゃるの?」


「いえ、一人で来たんですよ。てか、ウルスラが私のお母さんなんです。私はヴァルプリと言います」


「えっ…… え? えええええええええっっ!?」


 第二十三話でバルとウルスラの間に子供がいる事実を知り、白目を剥いて倒れかけた新婚のナリさん。

 その本人がいきなり目の前に現れたので、ただ驚くしかありませんでした。

 ヴァルプリは何故ナリさんがそこまで驚いているのか、知る由もなく。


「ちょ、ちょっとそこで待ちなさいね――」

(はわわわわわっ ヴァルプリ!? ということは、バルとウルスラさんの子供!? たたたたた大変なことだわ!)


 ナリさんは慌てて店の勝手口から飛び出て、バルが借りている家まで向かいました。

 そこで、魔動冷凍庫に入っている魔物肉など店に入りきらない食材を整理していたバルのてを引っ張り、すぐに店へ戻ってきました。


「おお、おいナリさん。どうしたんだ? 珍しくそんなに慌てて…… お腹の子に障るから良くないよ」


「ああっ あの! とにかく大変なの! すぐお店に来て!」


 バルにどう応えたら良いのかわからないほど慌てているナリさん。

 この後どんなびっくりポンなことが起きるのか想像が出来ないバル。

 クックック…… 面白いことになってきました。

 二十五年前にウルスラといたした時の自分の子と初めて会うことになるんです。

 店内へ連れて来られたバルは、店の椅子に座って待っているヴァルプリを見て言いました。


「こ、この子…… 奥底からとんでもないオーラを感じる。ナリさん、大変なことってこの子のことかい?」

「そうなの。あのね、落ち着いて聞いてちょうだい」


「お姉さん、誰このおじさん? オーラって―― このおじさんのオーラも凄いよ」


「俺のオーラを感じるのか?」


「うん。何だか私のオーラと波長が近いんだけど―― まさか??」


「バル、この子はね。前に話を聞いた、あなたとウルスラの子なのよ!」


「「どひええええええええええええええっ!!!!????」」


 バルとヴァルプリは同時に叫び声を上げ、びっくりしました。

 まさか今日という日が、彼女が二十四歳になってから父娘初めての対面になるとは思わず。


「ああああああああああ―― バルって、私のお父さん!?」


「ヴァルプリ―― 俺の娘だと!?」


 お互い人差し指で()して存在を確認していました。

 ガクガクと口を震わせながら。


「えっ? でもウルスラと―― 君のお母さんとパーティーを分かれてから二十五年にもなってるのに、子供じゃないか」


「私は今二十四歳でも、ロッカ族は成長がゆっくりなの! というかお父さんがそんなおっさんだとは思わなかった!」


「これでも普通の人間のおっさんより若く見られるんだぞ! うわっ 口の悪さはウルスラそっくりだな!」


 どうも感動の親子の対面というわけにはならなかったようです。

 ヴァルプリの性格はウルスラの影響が強いみたいですね。


「はぁ…… まあいいや。で、ウルスラ―― いや、ヴァルプリはお母さんに会いに来たのか?」


「そう。でもそのお姉さんからアルテーナへ行ってると聞いた」


「そうか。どこかですれ違ったんだな。まあそのうち帰ってくるからこの街でしばらく待ってるといい」


 それからバルは、自身が五年前にここへ流れ着いたことから、ビーチェとファビオ君のこと、ビーチェとジーノに修行をつけてること、ナリさんと最近結婚したことなど順を追ってヴァルプリに詳しく話しました。

 ヴァルプリのほうは、父親として自分に何も出来なかったバルのことを嫌う様子は無く、行儀良く聞いていました。

 ウスルラがバルのことを好きなまま分かれただけですから、ウスルラがバルのことを悪く言うことも無かったのでしょう。


「そっかあ。いろいろわかったけれど、お母さんがちゃらんぽらんなのは知ってるから今更かな。で、ナリさんが私の義理のお母さん!」


「よろしくね、ヴァルプリ。うふふ」


「可愛いお義母さんが出来て私も嬉しい!」


「まあまあ。あなたもとても可愛いわよ。うふふふふ」


 突然可愛い娘が出来たんですから、ナリさんもご機嫌良いですね。

 見た目が子供だからそうなのかも知れませんが、実際に人間の二十四歳の姿だったら微妙な空気になっていたかも?


「それで、姉弟もいるってことかあ。なんか楽しみになってきた!」


「そうだな。弟は夕方になったら学校から帰って来るから紹介しよう」


「ホント! 可愛かったらいいなあ」


「おお、可愛いぞ。女子に人気があるウチの看板息子だ。ハッハッハッ」


 ファビオ君のことですね。

 あの子の笑顔に悩殺されなきゃいいんですが、ヴァルプリとファビオ君の見た目年代は同じですから丁度良いかも知れませんね。


「さて、取りあえずの君の寝床なんだが…… ウチじゃ狭いしなあ。パウジーニ家へお願いするか。どうせお母さんが使ってる部屋があるから、そこへ……」


「嫌よ。絶対ぱんつやプラを散らかしているに決まってるわ」


「そ、そうか…… じゃあ他の部屋があるか聞いてみよう」


---


 というわけで、バルはヴァルプリをパウジーニ伯爵家へ連れて行き、応接室に案内され待っていたら伯爵とルチアさんがやって来ました。


「ほほう、この子がウルスラ様の――」

「まあ! 可愛いですわあ!」


「お、おう。そうだね――」


 バルは、伯爵とルチアさんにはウルスラと自分の間に娘がいるということは話していませんでした。

 秘密にしておく理由が無いので、彼はこの機会に全部話してしまいました。

 それを聞いた二人は――


「そ、そうなのですか。なかなか複雑な事情なんですね…… ハハハ……」

「ぐぬぬぬバル様ったらいけず! 女ったらし! まさかウルスラ様ともだなんて……」


 ルチアさんが憧れのバルが、二人もの女性を(はら)ませたという事実を聞いてハンカチを口でくわえながら悔し涙を流していました。


「いや俺もこの子のことをつい最近知ったし、若いときの話だし……」

「お母さんがバル―― お父さんをたらし込んだらしいから、女たらしじゃないよ」


 と、バルを(かば)うヴァルプリですが、バルが娼館通いをしていたことを知ったら蹴飛ばされるかも知れません。

 さすがにナリさんと結婚してからは娼館へ行っていないようですが。


「ううう……」

「まあルチア、生きていれば人生いろいろあるから。それでヴァルプリさんには部屋は別に用意させますからそこを使って頂けますか?」


「はい、ありがとうございます」

「で、ヴァルプリ。お母さんに会えたらその先はどうするんだ?」

「特に決めてない。しばらくこの街に住んでもいいし、ソーマを売って稼げるんだったら」


「なんとソーマを! あの、ヴァルプリさん。魔法師か薬剤師の資格証明書を持っていたら見せてもらえますかね?」


「ええ、いいわ。どっちも持ってるから」


 ヴァルプリは懐から二枚のカードを伯爵に渡しました。

 伯爵はそれを見るとぷるぷる震え、冷や汗をタラタラと流していました。


「お父様、それがどうかしましたの?」

「い、いや…… これはお返しします……」


 伯爵はカードの内容を確認したら、すぐにヴァルプリへ返してしまいました。

 ほうほう、ちょっと覗かせてもらいましょうか。


 ヴィルヘルミナ帝国発行:上級魔法師SSSSSSクラス(セクスタプルS)

 ヴィルヘルミナ帝国発行:上級薬剤師SSSSSSSSSクラス(ノナプルS)


 ひえっ!? 魔法師はウスルラよりSが二つ少ないものの、常識外れですよ!

 薬剤師にいたってはウルスラよりSが一つ多いじゃないですか!

 しかも僅か二十四歳でこんな超上級資格を取れているなんて、天才にも程があります!

 バルやウスルラの正体はルチアさんには秘密にしてあるので、それで伯爵はすぐにカードを返したんですよね。


「どれどれ、俺にも見せてよ。――げっ 薬剤師はウスルラより上じゃねーか! 魔法師もすぐ追い越せるんじゃないか?」

「魔力はお母さんのほうがずっと上だから、今はこれが限界ね。でもその分ソーマの勉強はたくさんしたから。ふふふふ……」

「すげえなヴァルプリ。俺の自慢の娘だ!」

「お父さんからは何も教わってないよ」

「あ……」


 とヴァルプリは言いつつも、お父さんと呼んでくれていることにバルはほくそ笑んでいました。

 ヴァルプリもソーマを作って街の薬屋に卸すことと魔法使いの用心棒を条件に無償で部屋と食事がつくことになり、パウジーニ家での用事を済ましました。


---


 バルとヴァルプリがいったんラ・カルボナーラへ帰ると、ちょうど昼食時。

 ナリさんが(まかな)いのボロネーゼをヴァルプリにも作ってあげ、三人で食べました。


「モグモグモグ…… むふー! むふー! 何これ美味しすぎる! ()き肉の甘みが脳にとろけそうおおおお!」


 ヴァルプリはナリさんのボロネーゼが相当気に入ったようですね。

 まるっきり子供の姿なので、多少下品な食べ方でも微笑ましく見えます。

 バルもナリさんも彼女を見てニコニコしていました。


「ああ、それ大猪の魔物肉だからな。美味いだろう」

「魔物肉!? それがこんなに美味しくなるの? アルテーナでもこんな美味しいボロネーゼは無かったわ!」

「ありがとうヴァルプリ。うふふっ お代わりはまだあるわよ」

「本当!? モグモグモグ…… 決めた! 当分この街に住むことに決めたわ!」

「そうかそうか。ハッハッハッ お父さんは嬉しいぞ!」


---


 食事を楽しんだ後は、バルが街を案内したりペトルッチの精肉店など馴染みの店へヴァルプリへ紹介。

 バルが途中で思い出して、領主事務所でヴァルプリの住民登録を行いました。

 担当はやはりドジッ娘受付係のフェリチータさん。

 バルが事情を話し、滞りなく済ませることが出来ました。

 資格証明書のカードを見せたときは倒れちゃいましたけれどね。


 夕方になるとファビオ君が帰宅しました。

 ヴァルプリはもう用がないはずなんですが、大好物のパスタが気になって夕食もパスタを食べようと、準備をするところから店を見学をしていたのでした。

 バルはナリさんと厨房で仕込みをしています。


「ただいまー!」

「おかえりファビオ」

「ああファビオ、おかえり」


「あれ? この子だあれ?」


「彼女は前にも話した、おまえのお義姉さんのヴァルプリだ。二人とも挨拶(あいさつ)をしなさい」


「えええ!? そうなのお!? よろしくね! ヴァルプリお姉ちゃん! ニコニコォ!」


「よよよよよろしく――」 バフーーーーッ パタッ

「おおおおい! 大丈夫かあ!?」


 ヴァルプリは、ファビオ君のスマイルニコニコフラッシュにやられ、鼻血を噴いて倒れてしまい、バルが介抱しています。

 これは想像以上の反応でしたね。

 こうしてヴァルプリも、ウルスラと同じように夕食にはラ・カルボナーラに入り浸りになってしまうのでありました。


 作中の外国語は、フィンランド語に似た、ウスルラたち出身国で使われているカーマネン語です。

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