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第2話 付与魔法陣すげー!

連チャンで投稿です。よろしくお願いします。

デッドバリーと対峙した僕は相手の出方を見ていた。

本来なら対峙することすらなかったはずの強敵だ、いくらレベルが一気に上がったとはいえ魔力とHPとMPしかほとんど上がっていない。まぁ、この3つの上がり方は異常だけど。かと言って油断は出来ない。デッドバリーが鎌を構えながら咆哮する、骸骨の口からけたたましい声がフロアを揺さぶる。


「くぁ!なんてでかい声なんだ…」


鼓膜が破けそうになるくらいの声だ。僕は戦闘中だと言うのに耳を塞いでしまった、次の瞬間僕はデッドバリーの方を見ると一瞬で間合いを詰めてくる奴が見えた。


「クソっ!」


デッドバリーの鎌が斜め上から僕を引き裂くために振り下ろされる。耳をやられている僕だったがミスリルソードで鎌を防ごうとした。


パキーン


甲高い音とものすごい衝撃が僕の前方から後方へ抜け、気がつくと自身もはるか後方のフロア入口にある扉の横の壁に吹き飛ばされた。全身に痛みが走る、ぶつかった壁はクレーターが出来るくらい潰れていた。


「ははは、選択を間違えたかも…でも生きてる!」


自分のHPを見るとやはりごっそりと削られている。


HP 24500/50000


一気に半分以上持ってかれた、また同じ攻撃を喰らえばいくらレベルが200でも即死だ。ゾッとする感覚を覚え逃げ出したくなったがまだ何も試していない。わかったのは何もしていない状態でもあいつの一撃にだけは耐えられる事くらいだ。もしかしたら他のジョブならレベル200もあればそんなにダメージを受けないで楽にあいつを倒せるかもしれなかったと頭をよぎるが、自分のジョブは設置型魔法戦士でしかない。もうあれこれ考えるのはやめよう。


痛むからだを気合いで奮い立たせデッドバリーを見ると、骸骨で表情は分からないのにケタケタと笑っているように見える。

ゆっくりと鎌を構えながら僕の方に少しづつ近づいて来る。


「次は僕の番だよ…」


そう言って左右の手を前に出し上下左右に動かす。これで準備は終わった。

デッドバリーが歓喜の雄叫びと共に猛スピードで僕に突っ込んで来て鎌を振り下ろす。


ザシュ!


と音がして鎌が地面に突き刺さるとデッドバリーは骸骨の口をカタカタ鳴らし喜びをあげているようだった。だがそこに僕はいない。

上下左右至る所に設置した魔法陣に僕は飛び込んでいた。右側から始まる設置型魔法陣の道、自身にバフを何重にも重ねがけが始まる。魔法陣の効果は様々で身体強化、加速、感覚強化、回復、等などを1つでは無く何十、何百と空間に設置する。まるで光の道を高速移動するかのように、自分自身にかかるバフが数十倍、数百倍に身体能力をあげていく。


「やっぱり、思った通りだ、この力はどんなジョブなんかよりぶっ壊れている…」


一瞬で自身の力が数百倍に上がる、さっきまですごい速さで動いていたデッドバリーが今ではゆっくりゆっくりとスローモーションの様に動いている。そういえばさっき喰らった攻撃でミスリルソードが真っ二つになっちゃったな。僕は仕方なく余り物の練習用の鉄の剣をアイテムボックスから取り出すと、鉄の剣を設置型魔法陣にスっと通した。

剣は切れ味強化、斬撃強化、耐久性強化の付与魔法を一瞬で数百回受けた事になった。鉄の剣のクセにそこら辺の聖剣や魔剣よりはるかに性能が良くなった状態だ。本当になんでもありになってきたな。


「ありがとう、デッドバリー。君のおかげで自分のジョブの事がよくわかったよ」


そう言って僕はデッドバリーに向かい動き出すと、デッドバリーと交差する瞬間な鉄の剣でバリーを数百回切りつける。


お互いが的に背を向けた状態で少しほんの少しだけ時間が経過する。僕は剣のバフが無くなったことを確認すると鞘に剣を戻して、デッドバリーの方を向く。デッドバリーもゆっくりとこちらを向くとケタケタ笑ったかと思った次の瞬間、全身を黒い霧に変えて消滅した。奴がいた場所には手のひらより少し大きな赤いクリスタルの様な魔石が落ちていた。

魔物は倒すとクリスタルを落として消滅する、そしてまた別個体の同種の魔物がダンジョンによって創り出される。それがこの世界『デュアルストール』の常識だ。


僕はデッドバリーのいた場所に頭を下げ、テレポートの効果がある設置型魔法陣を作り出し地上に帰ることにした。出てきたのはダンジョン入口の洞穴の前より少しそれた場所だった。そしてあることに気がつく、この世界の通常のカンストレベルは99、今の僕は200とありえない数値を出している。これは隠蔽しなければ!とダンジョンで拾ったピアスに永久隠蔽魔法の設置型魔法陣を施し耳につける。ステータスを確認するとレベルアップ前のステータスが表示されて少しほっとした。さて、街に帰ろう。


「あー、やっと帰ってこれた…」


もう日は暮れて、街にはあかりが着いている。とりあえず疲れたので宿に戻り、明日はギルドに報告をしに行くことにした。

あーあ、明日の報告は憂鬱だ。こうしてベットに潜り込み今日の出来後を頭の中で思い出す。


「すごい色々あった1日だったなぁー…パーティー首にされてダンジョンに置いていかれて、レベルが上がって、デッドバリー倒して…でも明日からどうしよう…1人になっ…た…な…」


気がつくと僕は夢を見ていた。

はるか昔の子供の頃の夢、幼なじみ2人と冒険者ごっこをしている夢を…


『俺が勇者になってみんなを助けに行くよ!』


『期待してるぜレイ!』


『私の事も助け…て…レ…イ』


ハッとして目を覚ますと日が差して朝になっていた。

あれ?あの夢は…ゴーシュともう1人、誰だ?あの子は誰なんだ?僕のは必死に思い出そうとしたがまるで記憶になく誰だかわからない。思い出すのを諦めてギルドに報告しに行くために宿を後にした。


ギルドは宿から歩いて15分位のところにある、その間には道具屋や武器屋、他には飯屋なんかが沢山ある、もちろん僕の通っている店も何件かあったりするが今日はなんだか行き交う人が慌ただしくしているように感じていた。ギルドに着き中に入ろうとすると中から大きな声が聞こえてくる。受付嬢のニーナの声だ。ニーナは猫の獣人の女の子で青いショートカットが印象的だ、その髪の隙間から白い猫耳がピョコンと生えている、最高に可愛い…うぅん!それはさておき何を叫んでるんだ?


「皆さん!緊急クエストです!アサヒダンジョンに取り残された冒険者の救出をお願いします!」


ダンジョンに取り残されただって?!大変だ!僕も参加しな…ダメだ、今の僕はソロだし…


「頼む!俺たちの大事な仲間を助けてくれ!」


ニーナの声とは別によく知っている声が聞こえてきた。ムハだ。こともあろうに僕をクビにしてダンジョンに置き去りにした張本人、多分だが緊急クエストと言って他の人に僕を見つけさせるさんだんだろう。あいつの中では僕は既に死んだ事になっているんだろうな。僕はそっとギルドの入口の扉を開ける、ムハの必死な演技演説にみんな集中しているため誰も僕に気が付かない。


「あいつは俺たちのかけがえのない仲間だ!なぁみんな!頼む!助けてやってくれ!」


必死に呼びかけるムハ、ほかの三人、ブリード、マリナ、シリアは罪悪感があるのか下を向いて一言も発していない。

ザワザワと多くの冒険者がざわめく中僕が口を開いた。


「見つけ出したら報酬は頂けるのですか?」


その言葉にムハが反応する。


「こんな時に報酬とかないにいってるんだ!大事な人の命がかかっ…て…る…なんでお前がここにいる!?」


必死になっていたムハが僕を見て驚く。


「なんでってダンジョンから帰って来たからだけど?」


「嘘だ!あそこから帰ってこれるはずない!」


「現に僕はここにいるけど、帰って来たら都合が悪いのかな?」


「な、ちが、何言ってるんだ!みんな喜んでくれ!俺たちの大事な仲間が帰って来たぞ!」


ムハの動揺の仕方がおかしすぎて集まっていた冒険者達はさらにざわめきを増す、僕はムハ達を逃がさないと心に決めた。

逃がさないよ( ˙꒳˙ )キリッ

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