ドロドロになるまで私を愛してくれますか?
⚠︎出産シーンがありますので、苦手な方はブラウザバックを推奨いたします。
高校2年の春。私は病んでいた。いわゆる病み期ってやつ。
そんな私でも少し前まで愛してくれる人がいた。
彼氏、大輝くん。
大輝くんは私を最も愛してくれる人。私も彼を愛していた。大輝くん以外なんて要らない。彼さえいてくれればいい。心の底から信じて疑わなかったんだ。
でも、彼はお母さんが大好きで、所謂マザコンってやつだった。家族って一般的には愛し合うものだから、仕方ないって思っていた。私の家は、そういう意味で例外だったのかもしれない。
だって、政略結婚で出来た娘なのだから。
家庭に愛なんてなかった。愛されてると思った事はなかった。美男美女から生まれた私は容姿端麗と言われたが、家の中では喋った事がない。
そういう意味でも微笑ましい家族だなって思ってた。羨ましい。私が嫁いだらあの暖かい雰囲気に混じれるのだろうか。きっとそうだと希望に満ちていた。
私は5,6ヶ月前、大輝くんと共に処○/童○を捨てた。好き好き言ってくれる大輝くんが大好きで大好きで!
ゴム?つけなかった。そのまま私は
……妊娠した。
◇◇◇◇
今はベッドの上にいる。今までのは回想シーンみたいな。
私は今、大輝くんとの子供を産もうとしている。でも、彼はこの場にいない。
なんで、なんで、なんでって。
居るのは子孫を望む、母と父。それ以外はお医者さんとか看護師さん。私はまだ、大輝くんに愛されてるんだよね。
痛い、頭がクラクラするし、お腹が痛い。辛い。処○を奪われた時よりも鈍く、長い激痛が私を襲う。
「痛い痛い痛い!」
帝王切開は手遅れ。もう、後戻りなんて出来ない。辛い、苦しい、痛い。大輝くんがいれば私は?いや、大輝くんは今どこにいるの?
「ああああああああああああああああ!」
助けてよ、だって、
好きって言ってたじゃん!!!
「ゔああぁぁぁぁあぁあぁぁぁあぁあぁあぁぁぁあああ!」
もう無理、お腹、裂ける。
「あ、あぁ、あ、ああぁ」
「ゲフッ!オギャ〜〜〜!」
「おめでとうございます、元気な女の子ですよ!」
よ、ようやく産まれたんだ。でもこの子、大輝くんに似てる。なんで?
「大輝くんに...似てる?」
「...。」
その場が一斉に静まった。
「ずっと思ってた、どうして彼は居ないの?」
止まらない。もう、止まれない。
「なんで私だけ痛い思いをしたの!彼は?彼のつけた種じゃない!」
ストッパーが頭で“バコンッ”と大きく外れる音がした気がする。
「なんで!?はぁ!?わけわかんない!」
「とまって!」
「お母さんは黙ってて!なんで!?ねぇ、彼はどこに居るの?」
「おい!」
「だから煩いって言ってるじゃん!!!」
静まり返る手術室に息がハァハァする私。
「大輝くんは慰謝料だけ、払ってくれたよ。」
「!?!?」
理解不能だった。好きって言ってくれたのに。
「結婚する気、ないんだって。」
「だって、好きって何度も!」
「大輝くんはお母さんが...」
「大輝くんはお母さんが?」
「大好きなんだって...。」
「...有り得ない。」
◇◇◇◇
私はこの先、この醜い娘を育てることになる。愛情なんて微塵も感じられない。もういいや、男の人なら誰でもいい。
ドロドロになるまで私を愛してくれる人、探そう。
◇◇◇◇
男遊びに明け暮れた数年後、
醜い娘が同じようになるなんて、誰が想像した?
★★★★★評価してくだされば幸いです!↓↓↓
ドロドロ系を書く参考になりますし、作者のモチベに繋がります!
閲覧ありがとうございました!