第一時限 初出勤の大出世
少し短めですが、楽しんでいってください。
二〇XX年。日本は少子高齢化社会を克服し3度目の人口増加社会に直面、そして教員のなり手不足に悩まされていた。そこで、政府は教員免許を取得するのに必要な授業単位数を減らし、教員の増加を試みた。これは、その制度によって生まれたまさかの「全科目教員免許を持っている」スーパーでペーペーな教員(とその仲間たち)の話である。
ジリリリリ・・・
数年ぶりにかけた目覚ましの音で俺は目覚めた。流石に初出勤日で遅刻するわけにもいかんだろ。という訳で午前四時起き。日付が変わるまで某国民的RPGをプレイしていた俺にとっては拷問に近い。実家から送られてきた新品のスーツを身にまとい緊張よりも眠気のほうが勝ってる俺はなんとか学校の前まで着いた。
現在時刻は午前七時。時間は大丈夫だ。初出勤日だから校長室に行かなければ。ここの学校はとても手際が悪いらしい。まあネットの情報だから嘘かもしれないが。
ガラガラ
「失礼します。三ノ宮 陸翔です。今日からよろしくお願いします」
「あー、よろしく。配属についてはこの通りだ。」
校長が封筒を渡す。俺はすぐに受け取って開けてみた。するとそこには、
第一学年主任 兼 生徒指導部長 兼 一年A組担任
三ノ宮 陸翔
と書かれていた。
おいおい、冗談だろ?思わずそんな顔で校長を見てしまった。すると
「わが校は教員が足りない上に教師、生徒、はっきり言って両方質が悪い。いくら子供が多くてもこのままでは志願者が少なくなって来なくなって学校がつぶれてしまう。」
新卒の俺に主任や部長をやらせるお前の質を問いたいと言いかけた。
「そこでだ。先生。あなたの能力にかけてみることにしたんですよ。知ってますよ。例のアレがあるでしょう?」
「知ってるんですか。校長先生。」
「ええ、まあ。そしてあなたがこの仕事を断れないことも知っていますよ。」
「とぼけますか。まあいいや。ほら、入学式始まりますよ。行った行った。」
校長室を追い出されかけた俺に、
「あと、お祖父さんによろしくお伝えください。」
とささやいた。
この学校は一体何なんだ。俺は就職先を間違えたのかもしれない。
どうも、なわむーです。私も主人公並みの新米ですが、頑張っていきたいと思います。ご意見、ご感想等あればぜひ。