パタつかせて解決
称号【神の祝福】
我が輩に気に入られたソラ殿へと贈る祝福。 汝に苦難あれ。
筋肉がつきやすくなる。
全ステータス上昇無効化。
全補正の優遇無効化。
全補正の低下率増大。
スキル壌度封印。
生命力低下による効果解除不可。
レベルアップ効率低下。
アイテムハント確率低下。
トラブル発生率上昇。
優先度神。
ファッ○。○ァッキンだゴッド。
なんだこれ。祝福ってか、まんま呪いじゃねぇか。馬鹿なの? ハゲマッチョは馬神様なの? 申し訳程度に筋肉だけ優遇すんなや!!
[称号【神の祝福】の効果、育毛率低下が追加されました]
み、見てやがるな、ハゲェ……!!
あ、いや、馬鹿は私に御座います。全ては私が願った結果、ですので何卒育毛率低下なんて恐ろしい効果を消してくださいませ……!!
[アクションによるアンロック、アビリティ【祈祷の心得】を取得しました]
[称号【神の祝福】の効果が一部消失しました]
「ソラよ。目覚め一番に何をしておるのだ?」
「これは師匠。新しい一日の始まりに、神への感謝をしているのです」
「ふむ、神とは胡散臭いが、お主と引き合わせたのも神とやらの仕業かも知れんの。どれ、儂もひとつ祈りとやらを捧げようかの」
隣に座り込んで両手を組むジョルト師匠。ハゲ、もとい筋神様と気は合いそうだ。謎のアビリティも手に入れたし、少し確認してみるか。
アビリティ【祈祷の心得】
神への感謝を忘れない敬虔なる者の発芽。祈るだけでも、お供えだけでも神は応えない。行動を起こす者に神は悪戯を与えん。
一部、スキルの解放可能。
自然治癒率増加、魔素吸収率増加。
筋力増加。筋肉再生率増加。
増加云々は俺に関係ないとしても悪戯って、これは邪教じゃ……いかん。髪が人質にされてるんだ。滅多な考えはできない……!!
「ふむ? これは、天の声? ふっ、こんな容易に加護を授かれるとはな……」
「し、師匠!? それはまさか……いや、なんでもありません……」
くっ、みすみす信徒を増やしてしまうとは何たる失態……!!
「さて、愉快な事ばかり目を向けても仕方あるまい。ソラよ、お前はこの光景を"どうしたい"のだ?」
「…………」
遠く見やれば、どこか無理のある笑顔のママ鳥と普段通りに見えるメアリーとジョニーの姿がある。
うん? なんかあいつら大きくなってないか? ジョニーに至っては一回りは大きくなった気がする。特に足まわりの成長が著しい。メアリーは翼が長くなってる。全体的にひよこなのは変わらないのに。
まぁ、それはさて置くとして。メアリーの件だ。
「実際問題。今のメアリーとマザーが戦った場合、どちらが勝つんですか?」
「単純な戦力でいえばメアリーがフェニスに勝つ道理はほぼない。しかし、フェニスがメアリー相手に本気を出すことはあるまい。そして、突然にあれだけの力を引き出したメアリーの力は軽視できん」
妥当な推察だとは思う。ただ、改めて考えるとその推察以上の差がまだあると思われる。
「巣の破壊という点でマザーの力を上回ったという事は確かですが……師匠、マザーがジョニーに張った壁のような球体を覚えてますか?」
「ふむ、言われてみれば確かにフェニスの障壁はメアリーの風からジョニーを守りきっておったの……盲点だったわい」
もしかすると、俺含めてマザーも師匠も思い違いをしていたのかも知れない。希望的観測なのかも知れないけど、少なくともメアリーの今後に目を向けるくらいの措置に落ち着く流れを……作れる気がする。
「それに加えて、メアリーの成長速度に目を向けてますが……マザーはこれ以上強くなれないのですか?」
「……ソラよ。はっきり言って構わん。その遠回しな言い方はやはり好かん」
言ったな? 言質は取ったぞ?
「もう歳だとか言ってないで、子供に追い抜かれて悔しくないのかって事ですよ」
「それは、はっきり言い過ぎじゃ……フェニスの話なのにこちらも耳が痛くなるわ」
「苦言は薬なり、甘言は病なりです。手を抜いていただろうとはいえ師匠ももっと強くなってもらいませんと弟子が困ります」
「お主、本当に稚児とは思えぬほど悟っておるの……」
胡乱に視線を向けられるが、大儀は此方にあるし正論は揺るがないから正論なのだ。故に正論マウントは気持ちがいい。
「それで? マザーは後程訊くとして、師匠も出来ないとは言わせませんよ?」
「抜かせ小僧。勝ちを拾って気が大きくなってるようだが、直ぐに凹ませてやるわ」
そういって抜き手の形に手を整える師匠。や、それは物理的に凹むんでやめてください。跡残ってねぇだろうな? よしっ。
「ふん、良かろう。今はその口車に乗ってやろう。メアリーを手に掛けるなんて愚行はせぬよ、芝居とてな」
「言質は取りましたからね。代わりに可愛い弟子を可哀想なくらい可愛がってくださいよ」
「ふふっ、言質は取ったからな」
やれやれ、どうにかこれで丸く収まったか。次はママ鳥だけど、多分心配いらないだろう。強いママ鳥だからね。大丈夫だ。
こうして、バタついた親子、師弟騒動は幕を閉じた。
メアリーは初め、ママ鳥達がジョニーを救ったと勘違いしていたが、巣に空いた大穴が自分のした事であり、さらにジョニーを巻き込んだと知ると神妙な面持ちで謝罪し、自分の力と向き合うと告げた。ジョニーはいつも通り、脳天気なものだったけどな。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ひとまず二章はこれにて終了。
2~3つの閑話を挟んで三章に入りたいと思います。
活動報告にも挙げましたが、このキャラのこういった話が見たいという御要望がありましたら御連絡下さいませ。




