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パタつかせてペン生~異世界ペンギンの軌跡~  作者: あげいんすと
第一章 ペン里の道も一歩から
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パタつかせてアンロック

ステータス回のようなもの

 

 遠くに眠るママ鳥とジョニーを見ながら、メアリーと幾つかの質疑応答を繰り返す。


 目から鱗、とはこの事だ。



「"アンロック ステータス オープン"」



 キュイクィキュー。っと些かの緊張を持って呟いた直後。俺のなかでカチリと音を立てて何かが開示される。俺の意識とは別の何かが自動的にそれを文字として目の前に組み上げた。


 そう、俺が産まれた時に確認しようとしたステータスは、ステータス オープンだけで開示されるものではなかったのだ。




 名前:ソラ

 種族:ミニペンギー

 レベル:1

心 B

技 E-

体 F-

魔 F-


 アビリティ

  【ふわふわボディ】

  【格闘の心得】


 スキル

  【逆水平チョップ<T>】

 

 称号

  【神*呪%>◎℃】

  【神の悪戯】

  【凶極鳥の寵愛】

  【ペテンペンギン】

  【翼を打つペンギン】



「…………」


「ふふっ、私もキミのような顔をしていたのだろうね。あぁ、勿論キミのステータスはキミしか見られないようになっているから安心するといい」



 確かに、冷静とは言い難い心境だ。非常に、形容しがたい気持ちに俺は震える。



「生憎、攻撃力などの数値はないのだが、そこに私は深みを感じる。レベルやランクという概念があるだけで目標に――」



 同時に身体中の血が凍り付く、とはこういうのか。メアリーがどこか遠くに聞こえる。



 なんだ、これは。


 実物を目の前にして、初めて感じた。


 まるで、ゲームのような光景。前世で冗談半分に思い描いた光景に、皮肉にも拭いきれない違和感がある。



「メアリー、ごめん」


「――つまりは、え? どうしたんだい?」


「今は、ちょっと色々と考えたいんだ。その、ひとりで……」


「あ……うん。そ、そうだな。私も当初は困惑したし、考えたい気持ちはよく解る。将来的な事もあるのだからな」



 俺の様子に何を察したのか。メアリーは最後におやすみと呟くとママ鳥の下へと帰っていく。その背中が寂しげに見える程度にはまだ余裕があったし、申し訳なく思える。



 しかし、違和感がゆっくりと恐怖に変わっていく予兆が心に影を落とす。


 前世の幼き日、夜中に窓を叩く風の音や暗い闇のような、冷たい怖さ。



 それは称号に並ぶ文字から感じた。



「大丈夫、ファイトだ俺……」


 深呼吸を一回、二回。


 ステータスの詳細を念じてみる。それで解るらしい。


 ま、まぁ……まずは、これかな。



 アビリティ【ふわふわボディ】


 物理攻撃、防御に補正。優しい触り心地に包まれる貴方をもふもふしたい。



 なにこれ。意識に浮かんだ説明は確かに説明だが……こんなのばかりなのか?



 アビリティ【格闘の心得】


 戦いの基本であり、数多ある入り口の一つ。近距離物理技攻撃に補正。格闘系スキルの取得が可能になる。闘争にこそ、生がある。



 その説明に、やはりなんとも言えなくなる。嫌いじゃないけど。厨二臭い。嫌いじゃないけど。っていうか威力補正って明らかに補正かかってなかったよな。次。 



 スキル【逆水平チョップ<T>】

 ツリー派生

 ・地割りチョップ

 ・飛び魚

 ・アラウンドワールド

 ・天昇ペン竜斬

 ・よく見たら垂直チョップ

 ・ああああ

 ・俺の怒りファイナルギガンティックいい加減にしろ

 ・お願いですから俺の手で死んでくれませんかね?



 うん、落ち着いた。何やってんだ俺は。

 更に詳細を念じると<T>はツリーの意味合いらしくそれぞれの動作、由来、意味などが解る。黒歴史決定なモノもある。



 次は称号だな。


 称号【翼を打つペンギン】


 チョップ系スキルを規定数取得したペンギン。チョップ系スキルの威力に補正。

 これはチョップへの挑戦。始まりの一手に過ぎない。



 少なくとも説明は既存する物らしい。俺が考えた物ではないし。威力に補正ってどのくらいな物だろうか。次。



 称号【ペテンペンギン】


 愛くるしい姿に隠れた利己的な心も持つ腹黒ペンギン。話術に補正。悪戯は程々に、本当の自身を偽る前に。



 なんともいいがたい。微妙にぐさりと刺さる説明だった。あの時はごめんメアリー。話術はスキルがないから判らないな。



 さて、残りは【神*呪%>◎℃】【神の悪戯】【凶極鳥の寵愛】の三つだ。ここから得もいえぬ何かを感じるのだ。明らかに、ここにあるべきではないレベルの異質さというか……



 称号【凶極鳥の寵愛】

 

 凶極鳥フェニスの寵愛を受けし者。成長率上昇、攻撃補正、技/体/魔ランク補正、運気上昇、風/氷属性魔力補正、病気耐性強化、火属性耐性劣化、補正優先度高。鳥族系スキル取得の容易化。


 私は、貴方を愛している。>>



 なんというか。凄かった。ママ鳥パネェ。冗談は抜きにして、胸の奥が温かくなる。最後は説明というより、ママ鳥からの言葉らしく、なぜか後半が明記されておらず開けないのか判らないけど。


 ありがとうママ鳥。早く俺も子供として慣れたいものだ。本当にありがとう。


 よし、元気と勇気が湧いてきた。




 称号【神*呪%>◎℃】

 △⊇⊃たら不・ "、「<●>



 うわぁバグじゃねぇかなコレ!? 気持ち悪さの理由これだわ。(バグ)は食えるからいいけど故障(バグ)は駄目だわ。ないわー。次。



 さぁ、最後の称号。

バグはさておき、何かしらの秘密がここにある気がする。




 称号【神の悪戯】


 全ステータス上昇無効化、全補正の優遇無効化、スキル壌度等封印。優先度神。



 故、水鳥 空殿の気構えに応える。>>




「……嘘、だろ」



 一喜一憂の最後にして、まさかの効果に俺は呆然と声を漏らした。

まさかのチート封印。


ここまでお読みいただきありがとうございます。ストック切れましたが、毎日更新出来るように頑張ります。ぺぺん。

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