4話 サイガ、領地を開発し、王都に行く。
今回ちょい長いよ!増量中だよ!昨日更新しなくてごめんね!
まずは温泉だ。とにかく人海戦術で山を掘り返す!もちろん環境への配慮も忘れずに。という予定だったのだが・・・。
昨日の夜、寝る間際のこと。
「ふぁああああああ。ねみぃ。今日も楽しんで仕事したなぁ。寝よ。」
「やっはろー!!!!!!!」
突然、少女が現れた。
「うわあ!誰だよ!」
不審すぎる。いきなり扉を蹴破ってきやがったから眠気が吹っ飛んだ。
「やっはろー?」
「なにそのあいさつ。流行ってんの?」
「オリジナル。」
「はぁ、アンタ誰?」
「神様です!」
「は?」
「だから、神様です!」
「はあ?」
「だーかーらー」
「いや意味が分からん。」
「ふふん、つまりですね?「ああ、分かった。マイファムの製作者か。」なんで言っちゃうんですかああああああああああああああ!?」
「うるさいしドヤ顔だったから。うざいから二度とすんな。」
「ヒトの決め台詞奪った上に扱いがひどい!?」
「ねみぃんだよ。早くしろ。」
「は、はい。ええと・・・。私はマインファームの製作者です。あなたに伝えるべきことがあり、今日ここに参上しました。あなたがここに飛ばされたのは、日米両政府が合同で進めているプロジェクト、『オペレーション・レヴォリュシオン』の遂行者にえらばれたからです・・・。」
「なげぇ。三言にまとめろ。」
「つまりこの世界でガンガン稼いでハーレムでもなんでも好き勝手やってください。タイムリミットは5年!それまでにあなたがこの国をどうにかしなければ、滅びるように予知されています!」
「んだと?予知だぁ?誰がそんなことを?」
「私です。がんばって!」
「・・いろんな意味でどうでもいいな。どの道この国はひっくり返す予定だったしな。ところで質問なんだが、この世界はゲームなのか?そして向こうに帰れるのか?」
「いえ、急に現れたゲートを渡ってくると、この世界に出ます。マイファムはただの召喚装置です。5年後以降なら、希望するならいつでも帰れますよ?一方通行ですが。」
「ふーん。他にもいるのか?遂行者とやらは。」
「ええ、国を越えてあなたの他に4人ほど。」
「なるほどな。」
「さて、やっとこさチュートリアルの時間です。右手でメニューを開いてください。」
「どうすんの?」
「ソードアートオ〇ラインみたいな感じで。」
「ああわかりやすいな。」
右手を軽く上から下に振ったら出てきた。
「これで、様々な特権があなたに与えられます。最大限に活用してください!あと、ここで死んだらマジで死ぬのでお気をつけて!」
どこのデスゲームだ?てかチュートリアル手抜きだな。
「ああ、さよならおやすみさっさと消えてくれ。」
「最初っから最後までひどい扱いですね!?どんだけ眠いんですか!?」
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翌朝。
「オープン!」
シャラン♪ メニューウインドウが開く。音声認識もあるようだ。かっこいい。
「色々出来るなこれ・・・・・!ま・ず・は・・・♪」
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西緒「説明しよう!サイガのビジネス構想を!」
「その1!『三大革命を起こす』
①産業革命=農業改革と工業の発展。まずは軽工業と農法から手を付ける。
②金融革命=領地銀行の設置と株券、兌換券の発行。
③教育革命=学校の創立と学制の発布。識字率の増加。
その2!『心休まる田舎としての観光地化』
温泉を主軸に第三次産業を興し、外貨を稼ぐ。
その3!『領地の拡大』
墾田永年私財法のようなものをつくり、開墾の奨励をする。
速攻で実績を出してさらなる領地を王からぶんどる。他のクズ貴族から土地を買い取ったり借りたりしてその土地の民を救う。」
西緒「今のところは以上!あとはネタバレなんでまだ待ってねー!」
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俺はマクスウェル山の開発の様子を見に来ていた。
「どうだ?」
「いやぁ、なかなか見つかりませんでさぁ。山道は舗装しましたが、なにせ今まで放置されてたもので、猛獣も多いんですわ。」
「報告ありがとう、お疲れ様。全員休憩だ。水分と栄養の補給を。」
「きゅーうけーい!」
「あー疲れたぜ!」「おうなかなか手強いなこの山。」「まあでも、今日の仕事は休憩時間があって、飯と水まで出るんだろ?」「そうだ、あっちで配ってる。」「すげぇ待遇。」「いい仕事だなぁ。」「昼寝までいいらしいぞ。」「嘘だろ!」「本当だぜあっちで寝てる奴いる。」「うおおおおおおお!」
それぞれ休みに入ったところで、俺はすこし深いところまで分け入り、ウインドウを開く。
「あったあった。これこれ。」
俺は、ウインドウにお金を放り込み、課金オプション『地質調査』をタップする。
瞬間、俺は周囲の地質、マグマの位置、次回の噴火予測まで、ありとあらゆる情報を得た。
「あった!そこか!」
水脈とマグマ熱が交わるところを発見した。ここを掘れば一発だ!
感覚が消える。チートだが、かなりの資金を注ぎ込まなければならないので、連発は出来ない。
名付けて、『資本主義の魔法』だ。
結局、その日のうちに温泉の源泉は見つかった。
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次は文字が読める人間で領議会を設置して、恒久的開墾法を作ってもらう。これで各々の村の次男三男は競って開墾し、畑を広げるだろう。
もう中世国家の体裁はほぼ整った。
それが終わったら、今度は(近代国家の仕組み的にも領地経営的にも必要である)銀行を造ろうとしたのだが、あまりに知識人が少ないので、シャサと一緒に王都まで出向いて、金融や会計の知識がある人を雇いに来た。あと議会の議長も。やはり金融革命は少し時間がかかるな。馬列車から降りると、シャサは目をキラキラ輝かせてこう言った。
「うっわあ・・・!ここが王都なんですね!一度は来てみたかったんです!サイガ様、ありがとうございます!大好き!一生お仕えします!」
「お、おう。俺も好きだぞ。じゃなくてええっと、別に感謝しなくたって、用事のついでに見学できるってだけだからな?」
「それでも、ありがとうございます!」
「うんまぁ、とりあえず城、行こうか。」
「はい!」
まっすぐな笑顔と感謝を向けられて、さすがに照れてしまった。顔赤くないか?俺よ、
そんな表情で大丈夫か?・・・大丈夫だ、問題ない。
さすがに、王都観光でデートだな!とは恥ずかしくて言えなかった。
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「この度は、領主着任式を領内で済ませてしまい、もうしわけございませんでした。」
王に謝っておく。
「よいよい。では改めて、着任の儀を執り行い、ウォルフガング伯爵に領主のマントを授けよう。」
「ありがたき幸せ。」
この国では、すべての土地は王のものであり、領主は預かっているにすぎないらしい。
だから、領主は必ず代替わりをしたら報告し、勲章の代わりであるマントをもらうしきたりなのだそうだ。
「必ずや、わが領地を王都よりも発展させてみせましょう!」
「これ、なんと無礼な!田舎領主の分際で思い上がりもはなはだしいぞ!」
まぁ、王を超えると宣言したようなものだから不敬だよな。しかし、王の腰巾着のクズには言われたくないな。すくなくともお前の領民よりは幸せだ。
「良いのだ。このような前途ある有望な若者が出てくるとは、この国も安泰であるな。」
「もったいないお言葉でございます。ご期待にそえるよう、努力いたします。」
ああ貴族だりぃ。
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城での野暮用が終わったので、とりあえず商業ギルドにきた。人材を紹介してもらうためだ。ハロー〇ークみたいなものか?
「すまん、ウォルフガング家当主、サイガ・ウォルフガングなんだけど。」
「ああ、貴族様でしたか!すみません、就活の時期でして、この頃は毎年上級学校の卒業生であふれかえるんですよ。こちらへどうぞ!」
ギルド長の部屋に案内された。貴族べんり~(華麗な手のひら返し)。
「ウォルフガング伯爵、わがギルドを選んでくださりありがとうございます。御用はなんでしょう?」
「んーと、今回は金融、会計の知識を持ってる人間、議会で議長をした経験のある人間を雇いにきた。」
「おおおお、左様でしたか。でしたら、卒業生から採っていただければいいですね。議長は、ある程度の年齢が必要でしょうから、宰相だった方をご紹介しましょう。今は隠居されていますが、有能な方です。頑固な方ですが、口説いてみては?発展が加速すると思いますよ。少々お待ちいただければ、すぐに紹介状をお渡しします。」
「ありがとう。今後ともよろしく頼む。」
待合室は人でごった返していた。
「サイガ様・・・人ごみ気持ち悪いです。」
「うーん、どこか喫茶店でも行ってようか?」
「いいですね!行きましょ・・・ひゃあああああ!」
「どうした!?」
急に大声を出したシャサ。
「お・・・おしり触られました・・・。」
涙目のシャサ。
その瞬間、俺はその、かなぁーり、
キレた。
「全員手を挙げろぉ!!!!!!!!」
資本主義の魔法で壁を拳でぶち破る。
「俺のメイドに手ぇ出した奴、誰だァ!こン中に居ンだろ!自白しろ、殺す!自白しなけりゃ皆殺しだ!」
全員で目配せする。
「こ、こいつだ!今目をそらしやがった!」
「ここまで連れてこい!」
心底ビビったようで、おとなしく出てくる。
「きっききき、貴族様・・・お許しくださいぃ。ふざけただけですよぉ。それにたかがメイドじゃないですかぁ。」
「はい、しーねー♪」
「ブゲラッ!」
とりあえずぶん殴った。ドゴォ!壁に叩きつけられて気絶する。
「こ、殺してませんよね?」
「殺す価値もないさ。」
騒ぎを聞いた職員が駆けつけてきた。あ、事情聴取かなコレ。補導されちゃうかな?
ここまでありがとう!
あすたもがんばるべ。