赤の牙団との出会い
サムがため息をついていると、青年が一人、声をかけてきた。
「サムさんに会えてよかった。ザックさんもこんにちは。…これからつきあってもらえませんか?」
いつも冒険者ギルドの受付カウンターの隅っこの方にいる水色の髪のギルド職員の青年だった。
水色の髪のギルド職員…ニコルに連れられて冒険者ギルドにやってきたサムは
ヒックス達の死亡経緯についてギルドの調査が入る事を知った。
「よほどの辺鄙な場所だとか危険なところでない限り、冒険者が亡くなった時にはギルドの調査が入るのですよ。今回もそんなケースに当てはまります。」
青年に連れてこられたギルドでは、他にも何人かの冒険者が集まっていた。
「こちらが、同行してくれる「牙と盾」のパーティの皆さんです」
水色の髪のギルドの青年に引き合わされたのは、ハイグリーンでも中堅の冒険者パーティだった。
彼らと今回、ヒックス達の遺骨がみつかったダンジョンへのルートを確認する。途中行きあう可能性のある魔物の情報や地理の確認をとり、各自の装備と獲物を決めた。
「ニコル、冒険者でもないのに君の情報量はすごいな。」
「冒険者さん達から集まる情報を集約するのもギルドの仕事ですし、ちゃんと聞く耳を持っている人には集まった情報は僕達も開示してますよ」
「ま、聞いてこないのに教えてまわるってのも押し付けがましい話だからな」
ぼんやりとギルド職員と冒険者達の話しを聞いていると、ギルド内がざわざわと落ち着きがなくなった。




