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彼女vs俺の嫁  作者: いー
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起承転結の「起」の部分

 私にはヲタクの彼氏がいる。名前は夏樹(なつき)。3度の飯よりもゲームが好きで、寝る間も惜しんでしている程だ。ジャンルとしては、MMORPGから横スクロールまでなんでもする。特に最近では、弾幕系シューティングゲームやブラウザーゲームにお熱らしい。高校3年生だが、学校にゲームを持ち込んで友達と通信している程だ。


 もちろんアニメも大好きで、いつも録画の確認をしてからゲームをし、そして朝方に眠るというとても不健康な生活をしているそうだ。いつ録画したアニメを見るのだろう。そう思い、聞いた事がある。


「いつもゲームしてるのに、アニメはいつ見ているの?」

「CMの間にゲームをしているから、アニメもちゃんと見てるよ」


 なんというか、想像以上の筋金入りのヲタクのようだった。



 申し遅れたが、私は李織(りお)という、ヲタク文化をあまり知らない高校3年生だ。ボーカロイドの曲も、夏樹が某微笑み動画を開いて見せてくるアニメのOPやEDも聴く。しかし実際にアニメや漫画を見たり読んだりということは、しなかった。


 そんな私には、過去16年間にない程の危機が迫っていた。


 日本の女性にとって、16歳というのは1つの区切りだと私は考えている。16歳、ピンとくる方もいらっしゃるかもしれないが、日本が決めた女性の結婚年齢の最低ラインだ。そして、多くの女性は焦るだろう。

 「もう結婚できる年齢なのに『彼氏いない歴=年齢』な私は一体どうしたらいいの⁉︎」と。

 かく言う私もそうだった。しかし、私には彼氏がいる。なにゆえに人生最大の危機が迫っているのか?と疑問に思う方が多いかもしれない。


 危機の原因は私でなく、どちらかというと夏樹の方だ。


 そう書くと、少しばかり語弊があるかもしれない。神様やオバケといったオカルトの類いは信じていないが、いるとしたら神様の仕業だろう。全てはほんの出来心だったのかもしれない。



 ここで話を進めていく上で、少し説明をしなくてはならない。

皆様は、「嫁」という存在をご存知だろうか?一般的には、新婚の女性を指す言葉のことであるが、ヲタク界では少し違う意味になる。

 例えば、あるアニメを見て「このキャラがとても可愛い」と思ったとしよう。すると、そのキャラを「俺の嫁」と言うことができるのだ。私もよく分からないが、夏樹はそう説明した。違っているなら夏樹を責めて欲しい。


 夏樹にはその「嫁」がいる。1人は金髪でサイドテールの小さな女の子、また1人は黒髪で膝まであるストレートロングのお姉さん。さらにまた1人はピンク色のショートボブのお姉さん、と多岐に渡る。そう、1人ではないのだ。

嫁を救う為に昼食の時間を潰し、嫁の笑顔を見る為に寝る間を惜しむ。


 その結果、夏樹は遅刻で怒られ、いつも笑い者になっている。

 しかし、そんなことは今はさして重要ではない。事の発端は、1週間前に遡る。

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