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胡蝶之夢  作者: 凛
辻一将
4/7

一将

道路沿いに並ぶ木々が風に揺られ、

その葉の集まりに烏が飛び込んだ。

辺りは余りに静寂で茫然と立ち尽くしていると

夕日に照らされた美雪が、振り返って笑った。

「一将くん、またね」

気がついた頃には美雪はバスに乗り込んでいる頃だった。

「あ、じゃあまた明日」

急いで声をかけた頃にはもう遅く、

美雪を飲み込んだバスはゆっくりと動き出して行った。

俺はバスが小さくなるまで見ていた。

そうしているうちに、やっと道路に車や人が居ることに気付いた。


美雪を見送って、チャリに乗って自宅のマンションへ帰り、母親にただいまを言う。

母親は奥の部屋から顔を出し、疲れたような目でお帰りと言った。そして夕飯置いてある、と付け足すとまた奥の部屋へ引っ込んでいった。

俺は何も言わずに自室へ戻るとベッドに横になった。

誰しもそうかもしれないが、こうして横になっている時間が最も心の安らぐ時間の一つだった。

別に今日、何か特別嫌な出来事があったわけでもなかった。けれどこれは習慣になっていた。

ぼんやりと部屋の天井を見つめながら、一人脱力するようにため息をついた。

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