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願望
夢を見るように死を思うの
安っぽいただの事象に
それでも悲劇を追い求めたくなる
私の生は
私にとってどこまでも素敵で輝いていたけれど
人間引き際が大事っていうじゃない
暗い穴凹に落ちていくまえに
いっそ足を止めてしまえばいい
そうすれば私はずっと夢の中
幸福に包まれた愛しい世界で風化していくのを
ただ笑って待つだけ
きっとそれは無責任で
他人を無視した非道だけれど
もういい加減に地獄でもどこでもいい
誰もいないところで美しい思い出に浸っていたいの