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第三話「魔法練習ですよ」

side「ジュリー」


旦那様があの『クロ』の娘を連れ帰ってから2年がたちます。

なぜあの様な不吉な色の髪と瞳の娘を連れ帰られたのか理解ができません。

まぁ、確かに旦那様方にはお子様はいらっしゃいませんが。


それにあの娘には違和感があります。

今まで村の子供の世話をすることは何度もありました。

夜泣きは当たり前だし、動き回れるようになるとどこへでも行きます。

ただあの子の場合夜泣きはまったくありえませんし、言葉もかなり早くの段階で理解していたようでした。

動けるようになったら確かに好奇心旺盛に移動しますが、決して家からは出ようとしません。

いるところはなぜか旦那様の書斎ばかり、読めないはずの本棚を見つめて動きません。

それに喋るようになる遥か以前から何か意味のある様な声を発していた所も・・・


そしてあの黒い瞳には人を吸い込むような不思議な感じがします。

何事もなければいいのですが・・・


side「ミーシャ」


さて、母様から聞いた所だと魔法はイメージが大事。

呪文はトリガーのようなモノのようだ。


というわけで今俺は親父の書斎に居る。

ここで文字を覚えるため本を読んだりして努力をしていたのだが。

多少難しいような本でもまったく問題ないだろう。


というわけでこちら

「魔道〜入門編〜」

どうやら魔法の入門書のようだ。

そんな『剣道』とか『柔道』みたいに言われてもな表紙である。


(ふむ。まず簡単な魔法からだよねぇ、火とか危ないし、水を・・・)


ということで水魔法使ってみよう。

教科書を見つつ右手を前につき出す。


(えー、なになに?水分を集め水弾を打ち出す魔法『ウォーターショット』?)


手のひらに水が集まるようにイメージをしながら呪文を唱える。


「我が手に潤いを」


と呪文を唱えた。

すると右手に体から力(気力?)が集まって行くのがわかる。


(成功?よっしゃ!)


そう思った瞬間、力の移動は止まってしまった。


(しまった、集中・・・集中・・・)


「我が手に潤いを」


徐々にかざした手の先に水が集まり出す。

少し貯めてみたが水弾の大きさはピンポン玉くらいか。

これ以上大きくして水だらけはまずい。

よし、あとは対象物(今回は壁)に当たるように・・・


「ウォーターショット!」


水弾が手のひらから離れて飛んでいく・・・が。


(お、遅ぇ・・・)


水弾は手を離れふよふよと壁に向かって飛んでいく。

飛ぶっつーかもう空中を漂っている感じで。

しかも対象物に当たるまで水弾の形と浮遊・移動をしなければいけないので力の消費がきつい。

早くあたってくれないかな。

やがて漂うように移動した水弾は壁にあたりぱしゃりと弾けた。


水弾が弾けた瞬間、世界がぐらりと揺れたような感覚。

脳みそがシェイクされるような気持ち悪さに襲われた。


「・・・おろ・・・?」


そして俺は猛烈な睡魔に襲われ書斎の床に倒れこむ。

魔力が底をついたようだ。

ゆっくりと睡眠という闇の中へ落ちていくのだった。

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