第二話「二歳児の好奇心」
さて、では今の状況を整理しようか・・・。
じいさんに拾われてから2年たつ。
まず驚愕したのは自分が赤子だった事。
昔よく読んでいた小説の異世界転生もののようだ。
名前は『ミーシャ・ラダッド』女の子。
黒い瞳と黒い髪、元日本人としては馴染み深い色ですな。
ちなみにこの髪の色と瞳の色は不吉な色として避けられてるらしいです。
どうやらこの世界に女の子として転生したようで、前回男の身な俺にはすこし、いやかなり衝撃だった。
ハイハイで移動できるようになって書斎の本の表紙などを見てみる。
日本語ではない、外国語というか英語でもなく、かといってドイツ語やロシア語でもない。
言葉の意味は理解できるようになって来た、日常的に聞いているとなんとなくだが。
言葉がある程度話せるようになると俺は片っ端から質問してみた。
あくまで子供として興味があるかのように自然を意識しながら。
この家の構成は、俺を拾った老夫婦、若い男女がひと組。
最初は若い男女が息子か娘夫婦だと思ったがどうやら違うようだ。
メイドさんと雑用係を雇っているようだ、金持ちなんだろうか?
まず老夫婦がこの家の主『クリフ・ラダッド』と『トリシャ・ラダッド』俺を拾った二人だ。
この二人が俺の育ての親、つまり父と母になるんだろう。
そしてメイドさんが『ジュリー・アームズ』銀髪を後頭部でお団子にしている、瞳の色は銀色。
雑用の兄さんが『ヘンリー・バーズ』どっちも20代前半といった感じ。
どうやらここは『イース王国、ライシス伯爵領、フィリス村』という小さな村だ。
俺の記憶ではそんな名前の国は知らない。
ちなみに魔物も存在するらしい。
魔物は空気中の濃い瘴気によって生まれてくるらしい。
人型や異形の化け物を『魔物』
獣型の化物を『魔獣』
洞窟や未開の森の中などに生まれる。
そして、なんと魔法が存在することが判明した。
怪我したとき母様が治癒魔法を使ったのだ。
傷口に手をかざしボソボソと呪文を唱えると傷口が光りだし徐々に治っていった。
どうやらジュリーの話だと母様はこの国で回復専門の魔道士として活躍していたらしい。
それを知った俺はそれはもう質問の鬼のように聴き倒した、魔法の使い方からなにから片っ端に。
ちょっと引かれたかな?まぁそんなことは些細な事、だって魔法ですよ?
そっりゃあ食いつきますよ!いゃっほぅ!
母様曰く、イメージが大切という事。
呪文や魔法陣というのは発動を簡略化したものだという事。
要するに無詠唱でも発動は可能だけど集中力とかなんやかんやで使い勝手が悪いとか。
車のマニュアルとオートマに近いかな?
魔法を使うにはもちろん魔力が必要で魔力の上限は決まっているらしい。
魔力は魔法を使っているうちに増えていく、それが上限まで達したら成長は止まる。
魔法は大きく分けて属性魔法(火・水・氷・土・風)補助魔法(回復・身体強化)特殊魔法(毒・合成・変化)
以上の三種類に分けられる、ただこれ以外に時空魔法という規格外的な魔法が存在するらしい。
属性魔法には適性があり5段階の評価で分けられる。
一般的には2ぐらいで魔法で戦うなら4くらい、国の魔法研究機関につとめるなら5という目安らしい。
ちなみにこの5段階以上の適正の持ち主は『絶対適合者』といわれ非常に珍しいようだ。
魔法・・・オラワクワクしてきだぞ!
13.5.9 一部変更しました。ご指摘の方、ありがとうございます。
13.10.13 一部修正しました。ご指摘ありがとうございます。
13.10.17 誤字修正しました。ご指摘ありがとうございます。