第百十一話「嗚呼、栄光の九八式OS」
澄み渡る空。
本日快晴、空高く、然れど心中雨曇り。
荒野を走るは馬なるか、否、走るは鋼鉄の、帝国陸軍八九式。
多数のトラック引き連れて、ひた走るは南の地。
キューポラ半身乗り出して、少女が睨むはディスプレイ。
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1:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:30:09 ID:⁇⁇
不本意ながら南部戦線に行くハメになったけどなんか質問ある?
2:名無しさん@お腹痛い:1944/6/30(金)10:30:22 ID:⁇⁇
2get
3:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:30:52 ID:⁇⁇
閣下降臨!
4:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:30:56 ID:⁇⁇
神キタコレで勝つる!
5:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:31:12 ID:⁇⁇
魔王閣下がリアル閣下の可能性が微レ存
6:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:32:28 ID:⁇⁇
>>5
いや、閣下だし、常識だろ常考
7:うさ耳ソナーウーマン:1944/6/30(金)10:32:30 ID:⁇⁇
閣下仕事してください
8:吸血娘:1944/6/30(金)10:32:31 ID:⁇⁇
仕事するのだ
9:船長:1944/6/30(金)10:32:32 ID:⁇⁇
仕事しろ
10:虎っ娘:1944/6/30(金)10:32:36 ID:⁇⁇
仕事せんかい
11:這い寄るダークエルフ:1944/6/30(金)10:32:40 ID:⁇⁇
主、仕事して、てか早く帰って来て
12:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:33:56 ID:⁇⁇
>>7-11
仕事してますー
線路引きながら回線も引いてるんですー
スレ見れてるのが証拠
つか、おまえらモナー
13:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:34:05 ID:⁇⁇
魔王様、新しいPCまだですかー
14:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:35:56 ID:⁇⁇
中央司令部がXPに移行するから98が出回ると思うよー
15:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:36:15 ID:⁇⁇
!?
16:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:36:18 ID:⁇⁇
キ・キ・キ・キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
17:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:36:21 ID:⁇⁇
ネ申降臨!
18:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:36:25 ID:⁇⁇
祭り開催の予感
19:メカニック廃:1944/6/30(金)10:36:56 ID:⁇⁇
ヒャッハー! クソスレは消毒だー!
と思ったら神スレだったぜー!
20:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:37:06 ID:⁇⁇
さらば95、君の事は忘れない!
21:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:37:38 ID:⁇⁇
さすが魔王閣下!
Wekipediaの大和帝国の項目に『国教:ミーシャ教』って書いてあった理由わかったわwww
22:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:38:56 ID:⁇⁇
>>21
その話kwsk
うちの国、国教樹立禁止してるし、ありえねーし
23:這い寄るダークエルフ:1944/6/30(金)10:39:48 ID:⁇⁇
>>21
その宗教の主神は『ロリ』『ショタ』『ペド』の三重苦揃ったガチレズのぐう畜
24:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:40:52 ID:⁇⁇
ペドとか無いわーwww
バクニューでしよjk
でもナターシャ姫のサクニューなら見てみたいかも
25:自称優雅な王女様:1944/6/30(金)10:42:52 ID:⁇⁇
>>24
( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
26:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:43:22 ID:⁇⁇
でもツルペタょぅι”ょのサクニュー合戦なら見たいかも
27:吸血娘:1944/6/30(金)10:43:49 ID:⁇⁇
>>26
( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
28:這い寄るダークエルフ:1944/6/30(金)10:43:51 ID:⁇⁇
>>26
( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
29:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:45:48 ID:⁇⁇
ぅぁょぅι”ょっょぃ
30:公安の翁:1944/6/30(金)10:46:52 ID:⁇⁇
ょぅι”ょ(*´Д`* )ハァ…ハァ…
ここに総統と副総統の添寝画像置いてきますね
(・∀・)つXXXXXX.jpg
31:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:47:52 ID:⁇⁇
翁良くやった
32:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:48:00 ID:⁇⁇
こwれwはwww
33:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:49:32 ID:⁇⁇
……ふぅ……
34:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:50:56 ID:⁇⁇
>>30
>>33
お巡りさんこいつらです
35:吸血娘:1944/6/30(金)10:51:32 ID:⁇⁇
>>30
こいつ、お巡りさんであるの
36:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:52:52 ID:⁇⁇
今北産業
37:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:53:45 ID:⁇⁇
>>36
友人の実家が怪しい
知り合いのジジイが単凸
ジジイがジジイが大ピンチ←今ここ
38:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:54:32 ID:⁇⁇
>>37
今はじめて聞いたしwwwwww
39:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:54:52 ID:⁇⁇
>>37
ジジイwwww
40:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:55:12 ID:⁇⁇
でフィーリア地方に行くんだけど何か質問ある?
41:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:56:52 ID:⁇⁇
あれ? フィーリア地方って大河の向こう側じゃね? 大河の向こう側って敵がイパーイじゃね?
42:気さくな魔王様:1944/6/30(金)10:57:10 ID:⁇⁇
>>41
そーゆーこと
43:自称優雅な王女様:1944/6/30(金)10:58:52 ID:⁇⁇
フィーリア家と言えば伝説の秘宝ですよね
見たら死ぬ黄金の手鏡とか、地下大宮殿とか
44:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)10:59:32 ID:⁇⁇
>>43
胡散臭ww
ガセネタ乙
45:筋肉の妖精さん:1944/6/30(金)11:00:00 ID:⁇⁇
妖精さんが11時をお知らせするぞぅ!
マッスルマッスル〜!
46:名無し@お腹痛い:1944/6/30(金)11:01:52 ID:⁇⁇
>>45
すげwww
マッスルが時報成功してるよwww
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「閣下! 見えてきましたよ!!」
ふと聞こえる声に意識を向ける。
八九式戦車と並走するバイクと軽戦車の集団。
声は隣の一号戦車からだった様だ、車長が前方を指差して何か叫んでいた。
ちなみに八九式は軽戦車じゃなく中戦車である。
前方には大きな川とそこに掛かる橋が見えていた。
確かにデカイが大河と言うほどか?
「全車停止、ここいらで様子見といきましょ」
「敵は今だ見えませんが、こちらの主力もまだ後方です。閣下、『積荷』はどうしますか?」
一号戦車の車長の問いにミーシャは後方を振り返る。
そこには兵員輸送のトラックが並んでいた。
「降ろしてやんなさい。彼らにゃ頑張って貰わにゃ」
「了解しました! 全員降車ぁ!!」
車長の号令に『全員降車! 作戦開始!』と方々で声が上がりトラックから次々と赤い服の兵隊が降りてくる。
ナナル王国銃剣隊である。
「我が兵を送っていただいて感謝いたしますわ」
ミーシャは後方のトラックから従者を引き連れて歩いて来る人物の声に少々引き攣った表情になってしまう。
(なんでホイホイついて来ちゃうかなぁ、この人)
ナナル王国王女ナターシャ・ナナルその人であった。
ミーシャの様子に小さく苦笑するナターシャ。
「ふふ……それならお互い様ではないですか? 総統閣下?」
「げっ、口に出てた?」
「口よりも顔全てが語ってましたわ?」
とそこに、二人の会話に割って入る者があった。
「ちょっと! 着いたなら早く出してちょうだいよ!!」
「おわっ!? 悪ぃ悪ぃ、忘れてた」
下から怒鳴るのはアイシーである。
「こら! アイシーちゃん! 口には気を付けなさい!」
「アイシーちゃ、じゃない、アイシーお嬢様! マズイですって!?」
「シーア姉様もナピもなんで馴染んでんのよ!? なんでコイツが皇女なんて信じてんのよ!」
同行しているシーア、ナピから叱咤されるもミーシャを指差して怒鳴り散らすアイシー。
「だいたい偉い人間がこんな狭い、臭い、暑苦しい乗り物に乗るもんですか!!」
「暑苦しいって、ひっでーなぁ。乗員全員女性よ? 臭いは無いでしょうに? 嫌なら専用の輸送車に乗れば良かったんだよ」
「王女様と相乗りなんて出来るわけ無いでしょう!? 恐れ多いわよ!!」
「私にタメ口きくのは恐れ多く無いのな」
「あんたは論外よ! 論外!!」
がなり立てるアイシーと耳の穴かっぽじりながら受け流すミーシャ。
二人を見て王女は笑い、アイシーの姉と従者は。
「ごめんなさいねナピくん。迷惑かけたでしょ?」
「い、いえ、そんな! お、お嬢様のためですし、その」
なんて甘酸っぱい感じが滲む会話をしていた。
「ムキーっ! なんなのよー!! ムキーっ!」
「あ、ナターシャ、そう言えばさ。例のフィーリア家の秘宝の話」
「王女様を呼び捨てとか何考えてんのよあんた!?」
「あぁ、例の見たら死ぬ手鏡と大宮殿の話ですか?」
「普通にスルー!? 私? 私がおかしいの!? ねえ!?」
「あ、それなら私が詳しいですね」
「姉様まで!? ……ぐすん、良いわよもう、ぐすん」
「お嬢様、よしよし」
あまりの扱いに涙目になるアイシーとなだめるナピを放置して三人の話は続く。
「えっと、『鏡に秘めた呪いは、汝が難敵を滅ぼさん、しかれど鏡は御身をも、喰いし諸刃の剣なり』『地下に眠るは宮殿か、宮殿に眠るは何者ぞ、そは大地の荒神なり、決して眠りを妨げず、必ずその空腹を癒せよや、さすればこの世の安定は約束されん』……代々伝わる唄です」
歌い上げたシーアにミーシャとナターシャは拍手を送る。
「呪いに荒神ねぇ」
「あの地は代々フィーリア家が納めてきましたからね、王家も諸国も大々的にフィーリア家の領地に踏み込んだりしないのは秘宝があるからだと言われています。父が居れば詳しくわかったのですが」
「ナターシャ、無いもの言っても仕方なかろ。今はじいさんの心配しなきゃな」
「そう、ですね」
ミーシャがナターシャに声をかけた時、川向こうを警戒していた兵士から声があがった。
「警報!! 敵兵発見! 敵兵発見!」
その声に全員が意識をそちらに向けた。
そこには地平線を埋め尽くさんばかりの敵、敵、敵。
「わぁ、いっぱい居るなぁ……」
「ついに来たか」
「無線も混乱しています」
兵士達からどよめきが上がる。
ミーシャは無線機の会話を聞いてみた。
<敵兵を発見!>
<敵兵を発見!>
<敵兵を発見!>
<敵兵を発見!>
<敵の潜水艦を発見!>
<ダメだ!><ダメだ!><ダメだ!><ダメだ!><ダメだ!><ダメだ!>
(非常時に何やってんだか……)
ミーシャが無線を聞いて呆れていると、
「主力到着までは私達が! 王国銃剣隊前進!! 演奏を始めなさい!!」
とナターシャが号令を掛けた。
号令を受けた銃剣隊は『王国擲弾兵』行進曲の音楽と共に橋に向かって行進を開始していった。




