プロローグ
本作品には残酷な描写、同性愛、チート、ご都合主義、異世界、中二病、高二病が含まれています。
またこの物語はフィクションです。
実在の人物、団体、国家とは関係ありません。
雪がちらほらと舞い落ちる寒い日の事だった。
「―――番乗り場、電車が参ります黄色い線の―――」
俺はボーと電車が入ってくるのを待っていた。
今年で22歳、平々凡々のサラリーマン。
高校の時は剣の道を目指したりした事もあるが、いじめにキレて先輩を病院送りにして即退部。
荒れに荒れて喧嘩に明け暮れた時期もあったが。
特に代わり映えのしない生活にも慣れてきたか。
なんてらしくもなく駅のホームで黄昏てる時、”それ”は起こった。
(なんか後ろの方がやかましいな・・・)
肩ごしに後ろを確認してみると酔っ払いが喚いているのがわかる。
三十代くらいだろうはバーコードハゲのおっさんが上司がどうのと騒いでいる。
駅員が困った顔でなだめている、新人だろうか若い兄ちゃんだ。
(あ〜、やだやだ、ちったぁ周りを考えろよなあ・・・お、電車来た)
どんっ!!
「・・・お?」
完全に油断しているところに後ろから強い衝撃。
押し出された俺は線路の上にアイキャンフライ・・・
側面にはホームに侵入してきた電車が見える。
あ、運転手のおっさんと目があった。
「おぉ!?」
咄嗟に何が起こったか確認しようと体をひねった。
ホームの上、ボーゼンとする駅員の兄ちゃんとさっきまで俺が立ってたとこにいる酔っ払い。
一瞬で理解した、俺はあの酔っ払いに突き落とされた・・・と。
周りの顔がちょっとずつだが驚愕へと染まっていく。
俺は背中から線路上に落ちた、すぐそこには進入して来る車両の車輪があった。
(あー、これ、逝ったわ・・・)
なんてのんきに考えてたっけなぁ。
そして俺は現実から逃げるように空を見上げた。
灰色の空からは雪が舞っていたのだった。