第二十一話 中華街にはない中華料理店
第二十一話 中華街にはない中華料理店
次の週の日曜日、えりんは上機嫌だった。最初から、モンクレールの専門店に行き、店員との話も、盛り上がっていた。
気に入った商品を試着すると、とても色っぽかった。
裸のままコートを着せて、すぐに後ろからぶち込んでやろうかと想像した。ギンギンに勃起していた。
商品をそのまま着て、駅前まで戻った。最近のえりんは、三宮と塚口の生活を行き来しているのでおしゃれになった。
社交性も出て来たし、日本語も格段に上手くなって、違和感もなくなり、日本語もネイティブに近づいて来た。
日本人の友達も出来たみたいで、電話の相手も、日本人だとわかる日本語で話すようになっていた。
女性だけではなく、男からもたまにかかるようになって来た。
それが、少し気に入らなくなって来てたのだ。
「似合ってるやん、お前浮気すんなよ」と、しょうもない事を言ったなと思ったが、笑いながら、
「馬鹿ね」と言ったきりだった。
それからえりんは仕事に行き、いつものように、森熊に向かった。
夕方、森熊に行くと、いつもの連中がいた。
ヨーちゃんが、
「えりんと、こないだ三宮であったで。
なんか、さらに綺麗になっとったわ!!、えっ、結局モンクレ買わされたん?!」、「まーねぇ〜」と言うと、
「それ着て、誰かと会うんちゃうかぁ〜」と言い出した。
「しばくぞ!!」と言ったが、別に自分は気にもならなかった。と、言いながら少しは気になっていた。
それから、リョウちゃんが中国に帰った話をしたら、
「ええやん、また会えるし、あんないい女とええ思いしたんやから?!」と言われた。森熊が、
「ヨーちゃんもええ思いしてるやん!!、ゆいちゃんと、めっちゃ仲ええやん、結婚すんのか?!」と言うと、
「どーかな、今度一緒に中国に行くかもやけどな」と言った。
「おう、凄いやん」と言いながら、(え、ゆい捕まってるんちゃうん?!)と聞きたかったが、ヨーちゃんに言うのはためらった。
「最近、ゆいちゃんには、会ってるん?!」と聞くと、横から森熊が、
「ヨーちゃんと昨日一緒に来とったでぇ〜」と言うから、大丈夫だったんだろう。
「良かったやん、でも、親を説得出来るんか?!」と言うと、
「まだ決まってないって言うてるやん!」と言ったので、
「送金しまくったったらええねん、どっちにしろ、日本より結納金高いぞ!!」と言うと、
「まーなぁ〜」とか言っていた。それから馬鹿話をし、『森熊』でしこたま呑んで、とっとと寝た。明日から編集だ。
今はスマホ一個あれば、編集出来るので楽だった。
四、五日で、ほぼほぼ完成した。
後は流すだけだが、時間が出来たので、えりんに電話した。
「今からご飯行かね」と言うと、しんどいから行かないと言う。しゃあないので、日曜日まで待った。
いつもは、日曜日の早朝帰って来て、昼過ぎまで寝ているのだ。
それから三宮でぷらぷらすんのが日課だった。えりんは平日も帰って来ると言っていたが、全然帰って来ない。日曜日だけだ。
「結局一週間に一回しか、会えないやん」言うと、
「もう少しの辛抱やん、我慢してよ」と言って、今夜は、えりんの働いている中華料理店に連れて行ってくれた。
「超高級店店やん」と言うと、
「そうよ、ちゃんと払ってよ」と笑っていた。
三宮は時々中華街では、高級店は見かけるが、
「中華街でも無いのにこんな店があるんや」と言うと、
「中国人はあまり中華街には行かないわよ」と言った。
「そう言うもんなんや〜」と言いながら、赤いキラキラのチャイナ服の女の子達を観ていたら、
「相変わらずの、どすけべね」と笑っていた。高級店は、特にお茶が美味しい。
紹興酒も美味い。ザラメをいつものように頼んでも、嫌な顔をされなかった。日本人が、良くやるザラメを入れて呑むやり方は、中国では邪道らしいが、何も言われなかった。
料理も最高だったが、客のひとりの日本人の男が、えりんに、話しかけて来た。「こんにちは、今日はお休みですか?」と丁寧だが、ヘラヘラしている奴だった。
こっちも挨拶されたが、適当に流していた。なんか不動産関係の仕事をしているらしいが、生簀かなかった。
そいつが、席を離れると、今度は、帽子被った料理人まで挨拶に来た。
「モテモテやなぁ〜」と言うと、
「まあね」と、急激に、さらに綺麗になったえりんは、確かに眩しかった。その後、働いている、スナックにも行った。
ママは、中国人だった。かなりの美人だった。しかも全然全然キツく無くて、優しいのである。
「えりん負けてんぢゃね?!」と言うと、「美人でしょ、高校生の時の同級生なの」と言う、「まあ、美人の友達は美人が多いなぁ〜」と言ってると、若い女の子に代わった。ミャンマーから来たとか言っていた。
インテリの学生なのか知らないが、結構この女の子はきつかった。えりんに、
「あの娘はキツイいなぁ〜と言うと、
「そう言う娘もいるわよ、みんな大変だから」と言っていた。
カラオケを一緒に歌ったりして、最初は楽しかったが、一緒に大人しく呑んでた客が、急にえりんに絡み出したので、腕を引っ張って店を出た。
塚口に終電で帰って来た。その晩は、お化けアパートの扉の前で、思いっきし、えりんにぶち込んだ。
続く〜




