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えりん  作者: だいわ朝廷
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えりん

えりん

 その日は、知り合いの中国人の女の子『ゆい』と焼肉を食べる約束をしていた。大阪の天五から天六の間の、煙もうもうの焼肉屋だった。その前日、「今度新しくお店を出すの」と、聞かされていたので、「えっ大阪で?!」って聞くと、「ううん、塚口」、「明日は、友達も連れてくるから、二人で行くね」と言われて、当日、天六の商店街で、ぼさーっと待っていたら、「こんにちは、ごめんね、あまり日本語上手ぢゃないの」と言う、もうひとりの女の子は、まさに一番綺麗な頃のテレサテンだった。

 それから三人で焼肉屋に入ったが、その頃まだ現役の職員だったので、ハブリは良かった。公務員時代は、バイト禁止だったが、公社になり、民営化する頃には、仲間内でも結構怪しい商売する連中増えてきていた。で、私もご多忙にもれず、一応会社に届けを出して、アパート経営や学習塾、しまいにカルチャーセンターの講師とかやり出した。結構自分はかなり不真面目で勉強嫌いだが、学問自体は好きなので、数学に関しては、ある資格まで取ってしまった。

 それは昔、数学は好きで勉強したかったのに、難しくて、誰も簡単に、わかりやすく教えて貰えなかった、と言う怨み辛みがあったからで、社会人になったら自分が勉強して、みんなに簡単にやるんだと言う、何故か高尚な志を持ってしまったので、まー少しは願いは叶った。

 で、そのゆいの友達の女の子の名前は、『えりん』

一発で気に入ったが、眼鏡が気になった。自分も眼が悪いので眼鏡の子は、あまり〜って感じだったが、顔が好きだったし、おっぱいも大きかった。

「何食べる?!」、「ハラミぃ〜!!」関西人だけでは無いと思うが、みんなハラミが大好きで良く頼む。

「じゃあ、姉さん、上等のハラミが三つと、ハイボール三つ」って言うと「他は?!「ん〜あー、先にタン塩貰おうかなぁ」って言うと、女の子達はなんか金持ってそーに見えたのかニコッと笑った。すると、斜め後ろの若いにーちゃんが、「おばちゃん、俺はカルビ」って言い出した。

「えっ、おばちゃんって、何処におるん?!」ってメガネのおばちゃんが言い出し、場が少し悪くなって、少し可哀想な感じだったので、「修行が足りんなぁーお兄さん」と笑いにしてやったら、その中国人のおねいちゃん達の眼がステキ!!なっていたのでその日は絶好調だった。

 で、焼肉屋でしこたま食べて、塚口に移動する事になったが、電車の中で、店の方針とか、料金とか、抜きの店ではなく上品なお店なので、全面的に手伝って欲しいとの旨を聞いた。しかし、あなたと、あなたの友人達はいつ来ても抜いてあげるとの事だった。はっきり言って、この美人二人がいつでも抜いてくれるんなら大歓迎でしょう。

 「しかし塚口で出来るん?!」って言うと、「大丈夫、ちゃんと調べてるし、本当に仲良くなった常連客しか抜かないから」と言う事だったが、実は、地回りの本職の連中との対応より、喧嘩する形で独立した、伊丹のマッサージ店のママから、「あの女は絶対潰してやる、ゆいの店の情報教えて」と、連絡が来ていたのである。本職の地回りとの関係は、噂になってから色々とあるだろうが、中国人コミュニティの上部から連絡が行くのか、当人が話つけるのか知らないが、後に、えりんひとりの時は、ボディーガード兼、抜いて貰いがてら、店の空き部屋で寝ていた時、夜中に本職来たらどうしようかなぁ〜どう対応すれば良いんやろと考えていたが、一度も遭遇する事はなかった。

 塚口に着いた。「尼崎のビバリーヒルズである」

 と、伊丹出身の超有名人歌手が言っていたが、確かにこの街は上品で、一度住むと、他所では住めなくなるほど楽な街だった。

 それから歩いて、居酒屋に行く。『森の熊さん』と言う居酒屋だ。みんな「森熊」と呼んでいるが、何故に、この現実離れした名前の屋号にしたのか、意味がわかんないが、店の店主も含めて、常連はみんな友達だ。特に店主森熊と、河童のヨーチャンと私は仲良しで、良く連んで例の伊丹のマッサージ店や、抜き抜き阪神尼崎店に、良く行ってたのである。

 森熊の店主はやり手で超男前、河童のヨーちゃんは自営の会社の次期社長で、副業やりまくりエセ元公務員の自分も含め、一時期、この三人の稼ぎは非常に良かった。なので、店終わったあと、あちこち繰り出し、イケイケで遊んでいた。後に河童のヨーちゃんは、『ゆい』と出来てしまうが、送金大王にもなってしまう。

 次の日、早速えりんから連絡があった。

「色々話がしたいから、夕方例の熊さん連れて行って」

前回あっさりとラインを教えてくれて、その森熊で色々な話をした。シングルマザーと言う事、女の子がひとりいる事、これからお店をやるので中国のおばあちゃんに預かって貰う事。正直ゆいも相当美人だが、えりんの魅力に、自分は、もう既にメロメロになっていた。全く悪い女に見えなくて、優しかったからである。実は、自分には『リョウちゃん』と言う、別の中国人の彼女がいて、見た目ははっきり言って、この二人よりさらに上位である。リョウちゃんとは、時々ヤッているのでたぶん彼女だろう。しかし、リョウちゃんは超わがままで、他に男がいるみたいだし、合宿運転免許代を自分に出させて、一発目は他の男を塚口のレンタカーで借りた車に乗せるくらいだから、面倒な悩みの種でもあった。

 中国人の女を囲うと、ひと財産無くすと言われているが、二人もいるともう終わりである。そー言いながらも男は馬鹿なので、リョウちゃんの大学の受験料と、一年分の学費も払ってしまった。このリョウちゃんについては、もう少し書くが、地元ではもちろん大悪で、中学も殆ど行ってない。それなのに何故か大学受験が可能と言うのが凄い。高校の卒業証書は中国では売ってるらしい。なので購入して日本に来て、日本語学校に行き、関西大学を受験し、合格。日本も舐められたもんだが、地頭は恐ろしく良かった。それと肉体も凄かった。「フェラしてあげるから五千円ちょうだい」、ある日、欲情したのか、気まぐれなのか、夜中に電話かけて来て、もちろん速攻でワンルームマンションに行ったが、もちろんそれだけで、満足するわけもないので、ヤッてしまった。肉体が凄すぎてボクシングのスパーリングを三ラウンドやるくらいの体力が必要だった。アジアの西洋人って感じの肉体だった。自分が良く例えるのが日本人は鶏肉、南国のフィリピン人やタイ人はジンギスカン、白人は牛肉って感じだけれど、彼女はまさに牛肉だった。濃厚すぎて胃がいっぱいになって、チンポが飲み込まれてしまった感があった。

 えりんの話に戻るが、何故にリョウちゃんの話をするかと言うと、えりんが、彼女を毛嫌いしていたからである。

 後にそのマッサージの店にリョウちゃんを、技と誘って働かせて、あいつと縁を切ってよと、しつこく言うのである。自分は、「切るよ切るよ」言いながら、しかし実際はいつまで経っても切れなかったのである。

話に戻ろう。

 森熊でしこたま飲んだ後、実際店に行ってみようと言う事になり、塚口某所へ向かう。店は駅の南側、北警察とそんな離れていなかった。警察官まで抱き込んでしまうつもりなんか、と思ってしまったが、聞いても、なーんも考えてない様子だった。店の中に入ると、真新しい壁に、新品のタオルが山程あった。前方が事務所、真ん中でマッサージをし、奥が身体を洗う場所、所謂、先体を寝てシャワーをする場所である。全て新品で綺麗だった。

「試しにマッサージやる?!」「やるやる!!」って言うとさっそくお試しマッサージが始まった。オープン前なので工事終わったばかり感はあったが、女好きの自分としてもちろんオッケーだった。でも、「五千円ちょうだい、今日は半額にしてあげる」「えっ、金取るんや」「いーじゃない半額だから」「まーいっか」でマッサージが始まった。

 しかし、紙パンツは面倒い。ごわごわしてるし、どーせ最後は抜くんだから、ノーパンで良いと思うが、途中から全部脱ぐと、風営法に引っかかるらしい。なので、後に、えりんが他の客相手してる時とか、ゆいにやって貰う時、全裸だと嫌がられた。

 えりんと個室に入り、マッサージが始まった。

普通のマッサージである。「えっ、普通のマッサージやん」「後で抜いてあげるから、練習させて」「まーいいけど」でマッサージ始まったが、上手いか下手なんかわからなかった。でも、眼鏡外した彼女は、とても綺麗だった。リョウちゃんに勝ってるかも知れない、と見入ってしまった。

 女の人に「何を見つめてんの?!」って優しく言われる時の男は、子供同然である。高校生の時、女教師に「あんまり見つめないで」と言われた事があって、なんてこの人罪深いんだろうと、思春期の少年は思ったが、その時以来のドキドキ感だった。

マッサージが終わりシャワー行く事になった。シャワーの時はパンツを脱いで全身洗って貰えるが、いやらしい事はしない。ただ洗うだけである。「チンコくらい触ってくれよ、つまんね〜」って言うと、えりんは「後でね」って言って、黙々と練習してるみたいだった。

 その後抜いてくれた。「白のストライプのスーツがあるからそれ着て抜いてあげる」と言い、ぴっちりとした黒のアクセントのあるストライプの白のスーツに着替えて、エロエロの手の動きと、雌の匂いをふんだんに漂わせて抜いてくれた。「他のお客さんにはこんな事しないからね」と優しく笑ってくれた。まるでそよ風の天使に擦って貰っているような感じだった。

 それからニ週間後、えりんとゆいのマッサージ店はオープンし、『森熊』でその話をする。「さいっこう、やで」とカッパのヨーちゃんと店主に言うと、「いきてぇ〜」と二人が早速乗ってきたのである。

 もー四十も過ぎて遊び飽きた人間は、普通の風俗では飽き足らず、「駄目よ駄目」と言われながらスレスレの状態でお金渡したり交渉しながら、えっちに持って行くと言うスリルを求めるようになるのである。自分も抜きのない真面目な駅ビルの普通のマッサージ店なんかで、こっそり抜いて貰うのが好きだった。残り二人もそうである。

ゆいの天敵の伊丹のママのマッサージ店も近いものがあった。

実際、抜いて貰った事はないが、もうちょいでなんとかなりそうだった。なので時々この三人で行ってたのである。しかし河童のヨーちゃんが強引に襲い掛かり大声で「警察呼ぶよー」と言われ追い出されてしまったのだ。

なので自分の友人なら確実に抜いてくれる店なら大歓迎なのである。

「店とっととしまえよ」十一時前にヨーちゃんが痺れを切らし、森熊に言う。「行くか」で、速攻店を閉めた。

 が、よく考えたら森熊には嫁がいたのである。

「えーおまえ大丈夫かよ」と自分が森熊に言うと、「いや普通のマッサージだろ!」とニヤリと笑った。

 仕事も早いが、脱出も早い、十一時十五分には店片付けて三人で脱出。えりんとゆいの店に向かった。

 

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