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清明の結婚  作者: 木苺
Ⅴ 結婚に向けて
32/42

婚約記念デート

清明とキャラハンの 婚約に向けた話し合いは、王都に戻ってからも続いた。


「いや もう 婚約前に 波乱万丈の結婚生活を送った気分です」


久しぶりのデート、今回はむつかしい話は無しの約束で、出かけた店の一室を借り切って

座った清明は言った。


そこは クラフトのお店であった。


実は 波乱万丈の話し合いが終わり、結婚契約書をとりかわし

とりあえず婚約に至ったお祝いのデートの最中である。



キャラハンは 憧れのブーケを手作りするのだと言って

清明を連れて この店にやってきた。


清明は キャラハンに引っ張られて、いろいろな造花選びをつきあわされた。


婚約前の交渉(あれは 話し合いというより交渉に近かった、でも 感情的な交流も多かったから やっぱり話し合いかな?)の疲れが抜けきっていない清明としては、

「あなたの心に添うものが一番良いと思います」と言って、座れそうなところを探した。



キャラハンは 軽く清明をにらんで、

「じゃぁ 私が選ぶところを見ていてください」と言って、

店員と話しながら カタログを見て、いつのまにやら 材料の購入を済ませてしまった。



そして 店の2階にある空き室の一つを借りて、清明を椅子に座らせ

自分はテーブルをはさんで清明と向かい合って座って パーツの組み立てを始めた。


「やっぱり 結婚式は 純白のドレスにベール そして胡蝶蘭のブーケがいいですわ」


胡蝶蘭の花弁らしきものをテーブルに置いていう。


「ほんとうは あなたといっしょに ブーケ選びをしたかったのだけど

 あなたは興味がなさそうだから 私のあこがれの胡蝶蘭のブーケに決めちゃいました」



「すみません、あなたの第一希望に添えなくて。」清明


「でも 私の心に沿うものが一番良いと 言ってくださったから許すわ」

キャラハンは そういいつつ はにかんだ。


(彼女も 気負うことなく ずいぶん強気の発言を 私の前でするようになったなぁ・・

  それくらい 私に気を許してくれるようになったのがうれしい)清明


「よかった」

(キャラハンの言葉には きちんと相槌を打たないと、彼女はすぐに不安になるんだよな。)

清明は 微笑みを浮かべた。


針金に緑のテープを巻き付けるなど、清明も 少しだけブーケ造りを手伝った。


そんなひと時にかわしたのが、冒頭の清明のセリフであった。



そのセリフに対するキャラハンのこたえは、

「結婚生活の 予行演習の準備だと思えばよいのでは?

 でも ほんとに 辛抱強く 私に付き合ってくださってありがとうございました。

 これからも よろしくお願いします」 であった。


「そういうことを さらっとおっしゃる

 あなたの誠実さ まじめさ 律儀さも 私は好きです」清明


「も?」


「も! です、 だってほかにも 好きなところがたくさんありますから」

清明


「照れました」キャラハンは 両手で 赤くなったほほをおさえた。


◇ ◇

このデートのあと、清明は 久しぶりに龍の庭に行って、婚約を報告した。

その時の様子が、第Ⅰ章の「バチェラーパーティ」の話である。


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