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清明の結婚  作者: 木苺
Ⅱ キャラハン
14/42

キャラハンの絶望と孤独

※物語の中の諸制度・諸資格は あくまでもフィクションであり、リアル日本の制度・資格とは全く関係がありません!


キャラハンが第二次性徴を迎えたころより、キャラハンの母は、

娘の「女性性」を極端に貶める言動をとるようになった。


彼女は キャラハンをののしり騒いだあとは、極端に落ち込み、

そのあとは、就寝中のキャラハンの枕もとで包丁をもって立っていたり

首を絞めたり という行動をとることも増えてきた。


そのたびに、気配に気づいて目覚めたキャラハンが、とっさに状況を見定めて

ことさら無邪気な言動をとって、母を母の寝室に誘導し寝かしつけ、

その後で、刃物をそっと台所に戻した。


このあたりのスキルと勘は 小学校時代の無茶苦茶な担任達とハチャメチャな男子生徒たちとの対応で しっかりと磨きこまれていた。


それでも 自分の家で安心して眠ることができないというのは 致命的であった。

おかげで 学校の授業中眠って過ごすことが増えた。

 それでも 成績は 常に学年1番キープできたのは、10歳までに 義務教育校での教科をすべて独学で身に着けていたからである。


しかし キャラハンがいくら頭の良い子でも、たかだか14・5歳で このような状況をいかに改善していけばよいかまではわからなかった。


それこそ「教科書に載っていない現実、本に書いてない問題」ってやつだ。


それでも 劣悪な環境で生活していたので、家庭内の問題で家を飛び出した未成年がたどる末路がどのようなものであるかだけは よくわかっていた。

 形式的にでも「家庭」の中に居るだけで、子供は 犯罪者から遠ざかることができるのだという現実を。


ところが 情緒不安定な母親が やや正気に戻ったときに、相談相手を求めて街に出て、変な男に引っかかったからさあ大変。


世の中には 自称弁護士(実際には司法書士の資格を取ろうと弁護士事務所や 探偵事務所で下働きをしている程度の人間)やら、自称相談員(もっともらしい名刺を持った詐欺師)がうようよいて、悩み迷う獲物を待ち構えている。


母は、そういうや輩にころッと騙されて、「この方に あなたのことをおまかせしたいの」なんて男を家に連れてくるようになったのだ。


最初の一人二人は キャラハンもまじめに相手をして 法律・規則に基づいた質問攻めで男たちを追求して追い払うことができた、


すると 母親は 「あなたのせいで 私は 良い男を逃してしまった」とキャラハンを責め始めたのだ。


さすがのキャラハンも 地頭じあたまが良い癖に思慮分別をなくした年長の女性に議論を吹っ掛けられたら かなわなかった。

 結局のところ キャラハンの母も平均以上の知能を持ち、

 しかも なまじ母親だから 娘の子供時代すべてを知っているので

 キャラハンの感情を揺さぶり 情に訴えかけて自分の思い通り動かそうと

 言葉を操ることにはけていたのだ。


が、しかし 論理的思考にかけては、キャラハンのほうが研鑽(けんさん)を積んでいた。

基礎知識も豊富だから、母の極論に揺さぶられることはなかった。


すると キャラハンの母親は むき出しの憎悪をキャラハンに向け始めた。


母の発する罵詈雑言から、母が望んで父と結婚したわけでもなければ

強引に妊娠させられたことも知ったキャラハンは さすがに どう受け止めてよいかわからなかった。たった14歳の娘には きつすぎる現実だったのだ。


それでも 周囲を見回せば その手の話が ごろごろしている下町であったので


「けっきょく 野心的な父が 良いところのお嬢様を手籠めにしてお家乗っ取りをはかったが、お嬢様の叔父さん・伯父さんたちのほうが一枚上手で、目的を果たせず追い出されたのか。


 母もまた 父の哀れな身の上話に同情して 慰めの言葉をかけた時に警戒心が緩んで襲われたから、

「自分は間違ったことをしていない。自分が良きサマリア人に徹すれば この男も回心するのでは」と思うことで自分を支えて結婚生活を維持していたのに、

そして 最後は 自分の手で 夫に引導を渡して きっぱりと離婚したかったのに、


父が 妻から これ以上金を搾り取れないなら 妻の親族から金を巻き上げようと伯爵家に乗り込んで行って、

その結果 母のもとに残っていた最後の個人財産を 母は伯父さんから巻き上げられて

 その金の一部を手にした父が遁走したから、母の心が壊れて

父の血を引く私の存在まで憎むようになったのか、


その上  母が手籠めにされた年齢に私が近づいていくのを見て、昔の恐怖を夢にみて、

当時自分が自殺できなかったから、

代わりに今の私を殺そうと夜中にたびたび 発作的に私の寝室に来ていたのか」

と母の過去から現在を ほぼ正確に理解してしまった。


 それこそ 錯乱した母の言葉をつなぎあわせ、同様の立場に置かれたほかの女性達の言葉、あるいは父と同類の男たちの言動とも照らし合わせて・・


「あー 世の中 知らなきゃ よかったって、こういうことか。

 ほんと知りたくなかったなぁ」とキャラハンは思った。


そして 母の人生を私の上にかぶせられても どうしようもない。

私は 私の人生を生きるより仕方がないなぁ と改めて思ったが・・・



そうやって キャラハンが 母に対して精神的に距離を置くと

それをいち早く察知した母親が「娘から私は虐待されている~~!」と騒ぎだしたからもう大変。


それでもなくても キャラハンは 義務教育校の担任達から いいように扱われ

捏造ねつぞうされた噂に取り囲まれて生きているのに、

その輪に母親まで加わったら

もう致命的であった。


自分の周りには 自分の言葉に耳を傾けてくれる人が だれ一人としていない


一緒に暮らす母親の罵詈雑言は まだ彼女の因果を知るがゆえに

まあ 仕方がないとあきらめることもできる。


そしてまた 家族であるがゆえに 彼女が 心底しんそこ苦しんで部屋に閉じこもっている姿を見れば哀れにも思う


赤の他人からの因縁も、成人と同時にこの地を去れば もう2度と会うこともないだろうと思えば我慢できる。


が、母が近所の人たちを巻き込んで彼女を攻め立てたり

彼女の行く先々に手を回して 自分を虐待する娘を叱ってほしいと触れ歩くものだから、

せっかくキャラハンが 地域の外で新しい友人・知人との関係を作り始めても

そのことごとくを 母に踏みにじられ続ける15歳~20歳までの5年間の暮らしには、ほんとうに参ってしまった。


そのせいで キャラハンは 有利な進学も就職も 数回 棒に振る羽目になった。


しかし それはまあ 「親の因果が子に巡り」親ガチャ運が悪すぎと嘆いて

やり過ごすことはできた。


 だって 悔しいと嘆いても 自分の気力がそがれるだけ

 自分の努力が無にされたと嘆いたら さらに心が弱くなって再起できなくなるだけだと身に染みて実感していたから、


 己の感情的な痛手の無視して ひたすら前進あるのみと 己を奮い立たせて生き抜く道を選んだのだ。



だが どうしようもなく心が痛んで仕方のないことが 一つだけあった。


それは とんでもなくひどい環境に取り囲まれていたキャラハンではあったが

それでも 世の中には キャラハンの努力に目をとめて 暖かい言葉をかけてくれる人、手を差し伸べようとしてくれる人はいたのだ。


がしかし キャラハンの母は そのような人が現れるたびに、その人の家まで押しかけて玄関前で「人さらい 娘を売り飛ばそうとしている」と騒ぎ建てたのだ。


けっきょく その人たちは 皆 キャラハンに申し訳ないと涙を浮かべて謝罪しつつも、

これ以上自分達にはキャラハンは近づくな、キャラハンの母の行動を抑ええるのは娘であるキャラハンの責任だと言い置いて去っていた。


キャラハンとしては 自分に心を向けてくれた人が傷つく姿を見るのもつらかった。


さらにまた 善意からの行動を成し遂げられなかった失意の裏返しで

キャラハンに説教をかまして(キャラハンを貶め・攻撃して)

己の傷ついた心を癒そうとする大人のずるさも見てしまい うんざりした。


中にはかってに「哀れな娘を救済するのだ」という使命感にもえて

キャラハンの家庭に入り込もうとして

キャラハンの母のすさまじさを前に逃げ出す腹いせに

キャラハンやキャラハンの母を罵倒する人もおり、

その浅ましさに吐き気がした。


 しかも 罵倒された母の精神は そのたびに崩壊に向かうのだから

 キャラハンが 彼女の心の安定・精神の維持のために 費やしてきたキャラハンの努力が

 そのような自己中人間の偽善により 踏みにじられ 台無しにされていくのである!!


 なのに そのお節介どもは、いつまでも己の善意を吹聴して、キャラハンに恩を着せようとしたり、キャラハン母子を貶めて己の正当化を図るのだから始末に悪い



15歳で義務教育を終えた後、おおむね20歳くらいまでは、

間に成人式をはさんで

若者が社会人として基盤を固める非常に重要な時期である。


そこを 自分の母親にとことん踏みにじられ、努力の成果をことごとく蹴散らされ

しかも 母の奥の手は 自殺未遂を繰り返し、物理的にキャラハンを呼びつける!であった。


15歳の大学受験の時も、それを母に妨害されたので就職に進路変更しての、某ギルドへの15歳での就活の最終面接のときも、常に会場から呼び出された、警察の手によって、自殺未遂(正確には狂言自殺)の人間の唯一の親族として。


「母が生きている限り 私の人生は踏みにじられ続けるだろうな、げに恐ろしきは妄執なり」とキャラハンは 悟った。


もはや 彼女を 身内だとか母とだとか思っていては 自分の立場がないことを悟った彼女は

20歳の時 断腸の思いで彼女を サナトリウムに入れた。

 

 そのためには 母の行状・母の過去を逐一 審査官に報告しなければならなかった。


 当時のキャラハンとしては 自分の母の愚かさや 身勝手なふるまいを告白することは 精神的にとてもつらかった。

 それは 彼女をまだ 自分の母親だ 家族だと思えばこそ。



 母は子を見捨てることができる。

 しかし 子供には 親を見捨てることができない。

  16歳の時のキャラハンは 心底そう思った。

  だから 進学をあきらめ、16歳で官僚となり母を養う道を選んだ。


その一方で 母の手で自分が性奴隷として売り飛ばされる事態だけは断固として避けたかったので、

公的機関に就職するとともに、新設の大学院研究制度を利用して、自分の存在と国の機関とを結びつける糸を増やすように心がけた。

 民間就職だと 雇用主個人の立場や気持ちで 自分の立場が踏みにじられるのが目に見えていたので。(義務教育時代の経験から)


 だが、母は、娘に養われることのうしろめたさに耐え切れず、それを「屈辱」ととらえて

 さらに妄執を募らせ、


 あげく「娘は仕事を口実に私をないがしろにする、ろくに稼ぎを家に入れないくせに 家事を私に押しつける」と言いふらした。

 (実際には 家事はすべて キャラハンが行ない、母は縦の物を横にもせずに好き勝手していただけなのだが。)


 そこに便乗して キャラハンに付け入ろうとする有象無象もいれば

 噂話で 人を貶めることが好きな輩もいた。

 

 そういう連中に、事実を話しても意味もない、無視していたらさらに騒がれる

 適当にあしらってもキリがなくて疲れる


 ほんと いいことなしの 迷惑かつ困った状況の連鎖である。



20歳の時にも そう思った。母を見捨てることはできないと。


 その一方で、キャラハンは次のことに気付いた。

母は 自分が生きることのできなかった人生を、娘が実現することそのものに耐えられないようだと。


だから 今後さらに 娘の足を引っ張るとともに、

『娘の成功=母の妄執を激化させることにしかならない』という将来まで見えてしまった。


そこで、キャラハンは断腸の思いで 母をサナトリウムに居れることを選んだ。


(本来なら、16歳でキャラハンが公的機関に訴えていれば、キャラハンの母のケースでは、監獄入りの判決が下るところだったのだが、

さすがに情において忍びなく、キャラハンは、16歳から20歳の間は 自力で母を養い、

成人後に自分の権限で母をサナトリウムに送る道を選んだのであった。)


キャラハンは 学力的には優れていたので、15歳で受験資格が得られる検定試験を受けて大学卒業資格を取っていた。

(大学受験と就活面接のときの母の振る舞いから、この検定試験は 母に知られぬように細心の注意を払って受験した)


この「大卒検定資格」というのは、困窮家庭で育った優秀な子供たちを安く働かせるための施策のようなものである。


 王国としては、「子供には子供時代が必要である」との考えから義務教育という形で、若年者を学校という枠踏みの中にとどめていた。その時はあくまでも児童保護の観点から制度化したのだ。


 しかしながら 国民皆教育が普及すると、個人の学力差(=知能の差)が、予想以上に非常に大きく開くことが明白となった。


 その結果、学力的に優秀だが、義務教育終了後すぐに働かなければならない子供たちが、

すでに自力で取得している学力(大卒相当)にふさわしい就職ができないのは、国家的損失であるという観点から、

16歳で、20歳の学卒者と同じ仕事をさせよう、でも若いから賃金は低く抑えようという目的で導入されたのが、「大卒検定資格」であった。


なので、官吏は20歳の大卒者、官僚は16歳以上の「大卒検定資格」を持つ者に受験資格があると定めた。


 実際には 20歳の大卒者が 己の学力に応じて 官僚またや官吏となるのであるが。


その一方で、キャラハンのように、「大卒検定資格」で受験して官僚になった者たちが

人事の扱いのひどさ・労働条件の悪さには定評のある部門に回されることが常態化していた。

 ようは 生活のために どんな部署でも働き続ける人間だから、不人気部署の補充要員として都合よくつかわれたのだ。



 キャラハンは、16歳で官僚に採用されたときに、この現実を知った。

  うわー、私って 理念を信じて現実を知らない「世間知らず」だったんだ~、と思った。


  しかしまた、幼いころ受けた貴族教育の教え、「現実を直視しつつも理念を抱いて努力せよ」

  という教えを 頭の中に呼び覚まして、奮起することに決めた。


  そうでもしないと 自分で自分を支えきれなかったから。


  己の置かれた家庭環境の理不尽さを思い、

  そこで、あくまでも母を見捨てないという理念を選んだのに

  ほかの点で現実に妥協して理念を捨てたら、

  人生で最大の犠牲を払った『親子関係の維持を貫く理由』そのものがなくなってしまうから



 宮廷の人事管理部門から、「大卒検定資格」で採用した官僚たちの人事配置が不当ではないか?

16歳で自力で大卒相当の学力を身に着けるほど優秀な若者を、「飼い殺し」にする現状は問題なのではないかという声があがった。


 (正確に言えば 16歳でこの制度の利用者した第1号がキャラハンだったのだ。


  従来の利用者は 大学中退者、それも裕福な家庭の怠けものが大学を落第した挙句、

  家庭教師の助けを得て大卒検定資格を取ったといった感じの者たちであった。

  (大検資格導入時にも いろいろな裏と表(建前と推進者の本音)の駆け引きがあったのだ)


  故に、この制度の本来の趣旨(=表看板)に沿って16歳で官僚となったキャラハンが登場したとき、多くの者が こっそりと彼女に注目した。

  そして彼女の優秀な働きぶりが 人事部門のお偉いさんの眼にとまったのだった。)


 そこで、優秀な官僚が「大学院で研鑽しながら働く」制度が導入された。

 


なのでキャラハンは、16歳で官僚となり、その後導入された、官僚の大学院研修制度を利用して

17歳~20歳の間は、官僚として早番・遅番・夜勤などを務めながら、勤務時間外は大学院の研究室で研鑽に努め、博士号を取得した。


(一般的学生の博士課程修了は26歳以降だが、論文の審査に通れば 博士号は20歳で取得できる。ただし人脈を得て大学で教鞭をとるには、通常の博士課程の修了者が断然有利なのであるが)


なお、「キャラハンの対人スキル~」の章で述べた「採用面接」の話は

キャラハンが 博士号をとったあと、官僚としてポスト移動するための、別の部署の「採用面接」のことである。

 大学院に通う必要がなくなれば、キャラハンとしても 9時~5時の部署に異動したかったので。

 そして どうせ移動するならば、少しでも 自分の希望に近い部署に異動したかったのだ。



妄執が増し、非社会的行動が顕著となりつつあった母をサナトリウムに預けることを決意したキャラハンは、

サナトリウムに一括前納しなければいけない資金を 国から借りることに決めた。


つまり、大学院修了により受験資格を得た「官吏登用試験の受験」を見送り、

かわりに 国からの借金を返し終わるまで官僚として働き続ける道を選んだのだ。


官僚には、一時金を国から借りて、借金の利子と担保代わりに、「借金完済まで、上から命じられた部署(責任ばかりが重くて将来性の無い部署)で働き続ける」制度があったのだ。

 (どんだけ 不人気部署があるのだろうか?官僚組織には・・と突っ込んではいけないw)



20歳までのキャラハンの人生は、キャラハンが自分で這い上がろうとしては、母に妨害されてすべてを台無しにされることの繰り返しであった。


しかも キャラハンの母は、己の妄執に沿って いかに今後のキャラハンの人生を支配していく予定であるのかを、具体的にリアルに語りつつ それを実行するために積極的に動きだすことが増えた。


そのような彼女を前にすれば、もはやこの人は「かつての母ではない。もはや別人」と思わざるを得ないなぁと キャラハンも悟った。


「そこまで 人格が壊れるなんて」と哀しく思ったが

ここで情にながされては、自分の人生が完全に彼女に隷属させられてしまうと悟り、母への思いを断ち切り、彼女をサナトリウムに入れることに決めたのが、大学院修了後の20歳のキャラハンの決断であった。


なので 彼女は 借金が完済するまで 官僚を続けることに決めた。

 無理して 官吏になっても、キャラハンの母がぶち壊しに来る未来が明白だったから。

 まずは 彼女をサナトリウムに居れることを最優先したのである。



それゆえ 借金もち官僚としての年季明けの26歳になったとき、

キャラハンは、「あーこれで いつでも転職できる(待遇の良い官吏登用試験も受けられる)」、

とほっとするとともに

鏡に映ったわが姿を見て つくづく自分が老けたなぁと思った。


同僚からは 年下だと軽んじられ、

同年齢の者から「精神的に老けている」と言われるならまだしも「変ってる」とまで揶揄されるだけでなく

見た目もくたびれている、これはいかんと思って

今まで以上に 外見に気を遣うことにした。


(そうするだけの経済的なゆとりもできたことだし。


 これまでは 借金を1日でも早く返済し終えるために 被服費も化粧代も節約してたもの。

 だから 普通10年返済のところを 実質5年で返済できたのだわ。

 だから 後悔はしてない。


 でも お気楽な方たちの価値基準で 私が「地味趣味」と言われ続けるのには もううんざり!


 倹約しつつ服装コードを守れば「地味」以外の選択枝がない現実を無視して

 「地味趣味→堅物→云々」の人格否定をされるのは ほんと迷惑。


  視野の狭いバカ者は嫌い!! 

  そんな奴に これ以上漬け込まれない服装を これから選べるわ♡ 万歳!)

(挿話の意図の説明):スルーOK


母が娘に向ける愛憎については、夏目漱石の「虞美人草」以後 近代日本でも

ときどき、小説に取り上げられてきたテーマであり、

現代日本でも あるある話なのですが

いまだに 現実社会では認知されていない話ではあります。


ある意味 平安時代の幽霊や怨霊、江戸時代の怪談の主人公に女性が多いのも

こういう現実(妄執に至るほど追い詰められていく女性の立場が、あくまで利害の絡んだ周囲の人間の思惑でしか語られない現実)が反映しているのかも? という観点から


キャラハンという娘の立場で この問題を描いてみました。


 なにしろ リアル日本では 妄執にかられた女性への生贄役を押し付けられるのが、

 娘もしくは嫁であり、結局「不幸な女性が別の女性の人生に喰らいついたり食いつくし」


 昨今(というかこの半世紀の日本の心理・福祉・公務員業界)では、「それに介入して 不幸な女性二人をさらに食い散らかして 己の業績にカウントさせる」組織・職業人が増殖していることによる 新たな被害が目立ちますので。


少しは 当事者である女性視点の発信が あってもよいのではないかな?と思い書きました。

 もちろん 異世界物語ならではの「救い」を入れつつ。

  (リアル社会に 救いってあるのかな??と思いつつ)

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