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普通

初投稿です。優しい目で見て頂けたら嬉しいです。


 

友田(ともた)友子(ともこ)それが私の名前。ヒロインにはなれない。だけどヒロインと最高の友達にはなれるし、そこそこ甘い蜜を吸える。そんな将来が決まっている人物。まあ、簡単に言えばモブ。


それが私……らしい。何故そんな事が分かるかというと昔おばあちゃんが私の一族の秘密を話していたからだ。


「いいかい?私達一族はぱっとしないし普通だ。モブ。普通に恋愛して普通に死ぬ」


「も、モブ。普通……」


優しく頭を撫でながら言う台詞ではない。いや、可愛いとは言わないけど愛しい孫に普通って……まだ幼い子にモブって普通言う?混乱する私だったが祖母は続ける。  


「高校に入れば周りはイケメンだらけ。それに羨ましく思ってもイケメンはお前には見向きもしない。だが、甘い蜜を吸える」


見向きもしないを飲み込む前に甘い蜜発言ときた。ミーハーでイケメン好きには悲しい事実。おばあちゃんはまだ幼い孫に話すにはキツイ内容と理解してるんだろうか?


「ごく稀に本当に甘い蜜を……いや、これは期待させたら可哀想だから止めようね」


いや、散々言った後なんだから言ってよ「やめようね」じゃないんだよ。普通だと思ってたおばあちゃんが実は不思議な老人だったとかめちゃくちゃ聞きたいじゃないか!


……なんて言えないまま、その後。その話題が家で出される事は無かった。だから、その話題自体は忘れていたのだけど、あれは嘘ではないと分った出来事がある。


それから数年後。私は運命の人に会ったからだ。()()星野(ほしの)ゆらめ。


自称普通。本人曰くどこにでも居る平凡な女の子。……一つ言いたい。いや、沢山ツッコミたい事がある。普通の子は頭にバカでけえ流れ星のアクセサリーは付けない。付けてる以外は普通。いや、めちゃくちゃ見た目が可愛いけど内面だけは普通な子。


本人は普通だと言い張ってるが、めちゃくちゃ目立つしキラキラしてる。兄もめちゃくちゃ美形。家族皆が美しい。普通ではない。


それに両親は高校生と大学生を置いてハワイ旅行からの気に入ったからと子供置いてハワイしてる両親。おかしいよね。普通は行かないよ。


おかしいと言えばこの学園もだ。イケメンがめちゃくちゃ居る。先生も一部がイケメン。普通にアイドルや金持ちがわんさかいる学園。しかも、そのイケメンは一部ゆらめちゃん関係者。


実はもう一人『自称普通』が居たらしいが、それは私の知らない所なので今は置いておこう。とにかく私は運命の人。ゆらめちゃんに出会った。


そしてその日から私の全てが変わった。まずそのゆらめちゃんの話を何となく家族としてから家族会議が始まり「親友レッスン」が始まったのだ。


「『時が来たか……』」


「!?」


不思議老人再びである。我が「友」一族は主人公っぽい人を支え情報を集めたりアドバイスをしたりアシストをする為に生まれた存在。そこで得られる蜜が本当に素晴らしい。将来に役立つコネや普段は出来ない経験。何よりも最高の友人が手に入る。それが蜜。ちなみに祖母はもっと凄い蜜もついでに得たらしいが教えてくれなかった。


色々とお得。だから全力で「都合の良い親友」をやるのが幸せへの一歩。


修行は厳しかった。良いタイミングで去る技。親友の周りの情報と親友自体の情報や男の大体のルーティーン。恋人の作り方。恋愛指南。わざとうっかり口を滑らせるテクニック。


空気をひたすら読む練習。キラキラした人物が分かる謎修行。フラグの立てかた折り方。折られた空気。


恋人の作り方では実際に恋人を作った。何故なら恋人と居るからと例えば三人でと誘われた場合断りやすくする為だ。もちろん。ちゃんと好きな人を作った。やっぱり友達にしか思えないとフラれたけどね?


彼女にフラれた男のフォローももちろん習う。これはのちに拗れさせないようにだ。完璧にできていたと思う。


そんなこんなで本当に「ゆらめ」ちゃんには色々あった三年になったと思う。私も高級な別荘に行かせてもらったり志望大学在学の先輩に勉強をついでに教えてもらったり、将来の夢への詳しいアドバイスも彼女の知り合いなだけで教えてもらえた。


何よりもゆらめちゃんは良い子。コネだとか蜜だとかよりも一番得られて嬉しかった。バカでけぇ星のアクセサリーは頑なに外さないが大好きな親友だ。


卒業式はボロボロ泣いた。同じ大学予定だった彼女が途中で変更してしまったのもある。彼女は別大学に行ったけどこれからも遊ぼうと泣いて抱き締め合った。


そして卒業から数日後。とある人物に呼び出されてしまった。彼女にフラれた男だ。もちろんフラれた男のアフターフォローも勉強済みだから完璧にケアできる。出来るんだけどさ。


「…………友子ちゃん。」


重い空気だが彼から発せられる声は優しさの中にも色気がある。弱っているのか少し小さい。薄い茶色の髪に少し長い髪に女性も嫉妬する伏せられた長いまつげの綺麗な星空みたいな瞳が真っ直ぐ悲しげにこちらを見つめている。


「妹の『ゆらめ』の相手の事……知ってる?」


彼女と同じ変わった色の瞳。それ『のみ』が似ていない二人が血縁である証。色々と情報はある。が、私達家族は兄が妹にフラれた?フォローなど経験してなかった。


あぁ~。気まずい帰りたい!全部の台詞が地雷過ぎ!どうしたら!?

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