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黒い髑髏マークカプセルの中身は…… かなりヤバイ!?


その日…… 龍達の国ドラゴンズワールドの巨大な城〝ドラゴンパレス〟にて……


「炎龍帝よ。あのじゃじゃ馬姫は見付からんのか?」


「すまん…… 捜しておるのだが……」


「水龍帝よ。炎龍帝は、一族の若き龍を失ったのだ…… そう攻めるでない」


「うむ…… 炎龍帝の一族と眷族は、血気盛ん過ぎる…… 姫以外にも、あの地に攻め入ろうとする者達が多いのでは?」


「そこなのだ! 何故に我等龍が、あの地を禁忌とせねばならない? 我等は、風の龍…… 何者にも縛られぬ!」


「悲しき事よ…… 帝の名を冠する龍でも…… かの地で起きた悪夢を知らぬとは……」


「地龍帝…… あの地の禁忌は、本当なのか?」


各属性龍の頂点たる龍帝達が集まり、8年前の若き炎龍が伐たれた事で戦場と化した亡国と……


その戦場に消えた〝龍の姫〟について話していた。


「本当じゃあ…… あの時、儂はまだ幼い幼龍じゃった……」


龍帝の中でも…… 高齢の地龍帝は語る。


亡国となった国は…… 国になる前は、世界樹の生えた自然溢れる大森林だった。


しかし…… ある日、大森林の大地が大きく裂けて…… 障気が噴き出した。


その時を境に大森林が枯れだし、その被害は世界樹まで迫っていた。


事態を重く見た当時のエルフと精霊達は…… 世界樹とまだ無事な大森林を切り離し、地上を離れた大森林のみの星を作り難を逃れるが……


大地の裂け目から噴き出した障気は止まらずに…… さらに勢いを増して、地上を包もうとすると……


やがて、障気に触れた者達に変化が起きる。


障気を取り込み動物達は…… 巨獣や魔獣に変貌し、人や獣人も、魔族や悪魔等に変わる者が現れた。


「そして…… それは儂等…… 龍も例外では無かったのじゃ……」


当時の炎、風、水、地の龍帝は…… 障気に侵されて〝腐蝕龍〟と化してしまった。


その元龍帝の腐蝕龍達が暴れ回り、フロンティア・エデンは崩壊すると思われた時に……


「一人の流れ人が現れたのじゃ…… その流れ人こそ、後のかの地の初代国王となる勇者じゃった……」


勇者は、障気を祓う力を持っていた。その力を使い各地で仲間達を集め、かの地に腐蝕龍や巨獣や魔獣達を追いやると……


仲間達と障気が噴き出した…… かの地である世界樹の大森林跡地……〝大魔窟〟を監視する国を作った。


初代国王になった勇者の伴侶は、当時の聖龍帝である龍で……


勇者と世界樹の大森林跡地である〝大魔窟〟に眠る元龍帝の腐蝕龍達を監視すると、代替わりしてかの地を終の住処し……


勇者と間に、かの地の今の王族の祖となる子を授かる。


「その事もあり、同族と言える者が治めるかの地は、障気への警戒もあり…… 触れてはならぬ禁忌の地となったのじゃが…… その恩を忘れる程に…… 時が流れた様じゃな?」


「地龍帝、あなたは通常の龍の6倍は生きている…… 当時の出来事を知らぬ、若き龍が出ても仕方がなき事…… 問題は、我等に了解を獲ずに他国と揉める事でしょう」


「左様…… 我等龍は、他の者達とは生まれ持つ力が違う…… 例え、若き龍とて他国に軍隊と同じなのだ! それを討ち取られたからと、他の者達と同じ様に攻め入ろうとするなど…… 知を持つ龍のする事では無い!!」


「血気に流行り、愚かにも思い上がる若き龍達に…… ちょっと灸を据えてやるか?」


「それよりも、姫が問題では?」


「数代ぶりの聖龍帝の資格を持つ龍が現れたと思ったら…… とんだじゃじゃ馬…… いや、じゃじゃ龍ですからね……」


「討ち取られた若き炎龍と仲が良かったからの…… 止まらぬな?」


「止まりません……」


「せめて…… 被害が無い事を祈ります」


ドラゴンパレスに…… 龍帝達の溜め息が響いた。


 ・

 ・

 ・


「やっぱり…… 危険物だったか……」


その頃…… 真太郎の前では、海外の祭りで見るバルーン人形の様な感じに……


腹がパンパンに膨れ上がり、泡吹いてのたうち回る龍がいた。


「急に襲われたから…… 思わず手近にある黒い髑髏マークカプセルを投げたんだが…… この龍の感じを見ると、かなりヤバイ物の様だな」


飲み込んだ黒い髑髏マークカプセルに、激しくのたうち回る龍の姿に……


「龍がのたうち回るなんて…… どんな物が入ってんだよ……〝コレ〟……」


まだ50以上ある黒い髑髏マークカプセルに…… 真太郎は、げんなりしながら龍を見ると……


「おえェェェェェ!!!?」


龍が〝何か〟を吐き出そうとしていた。


「くろ! ゲル状の何か…… これって、スライムか?」


「そのようですね? 大変! これは珍しい…… ビッグブラックラバースライムですよ!」


「うん!?」


何時の間にやら目覚めていた猫耳天使の美少女が、真太郎の横で龍の様子を見ていた。


「君…… 大丈夫なのか?」


「はい、これと言って不調は感じませんが…… そう言えば、名のて無いですね? 私は【ネネ】…… 騎士様のお名前は?」


「騎士? 騎士じゃないが…… 神…… 真太郎だ」


「ジン? シンタロ?」


「呼び辛いなら、ジンかシンで良い」


「ありがとうございます。では…… ジン様。この龍さん、助ける事は…… できないでしょうか?」


すがる様なネネの顔付きに……


「…… やるだけやるか……」


神宮真太郎こと【ジン】は…… 龍を助ける事にした。



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