新型か?強化改修か? とりあえず…… 代わりかな?
「すごいな…… これは……」
ネネが当てた空中城塞の中で、ジンが思わず呟く。
「これ…… 超長距離星間移民移動城塞じゃないか?」
ネネの当てたこの空中城塞は…… どうやら、ジェフとウィリアムの世界の物の様だ。
「えっ? 確か…… 一部の人達が新天地を求めて、かなり離れた別の銀河系を目指す!……って、ヤツでしたよね? 実際に作られたのですか?」
「1機だけな…… 実際には動力やエネルギーに難ありって、危険だから外宇宙に廃棄されたんだが……」
「動力とエネルギーに難あり…… 大丈夫なのかよ?」
「武装が最低限になった事と動力部がこの世界の魔導具化した事で、問題が解決した様です。防御面ではバリアシステムが正常に作動していますが…… 武装が最低限なので、防衛能力の底上げに武装の追加を希望します」
「確か…… 動力部とエネルギーに問題が無いのなら、此処で素材が有れば製産する機能が在ったはずだが?」
「はい、製産機能も正常に作動しています。素材を頂ければ武装の製産が可能です」
「マジで? それなら…… 機神系も製産可能か?」
「詳細なデータが有れば…… 製産可能です」
「ほんとう!?」
「はい、ですが…… 詳細なデータを獲る為には、機神を一から分解し、素材のデータを解析する為にそれらのパーツを成分検査する必要があります。そうなりますと…… 機神を1機、完全に消費するかと……」
「う~ん…… でも、これからも戦闘があるでしょうから…… 必要経費じゃないですか? ジンさん?」
「確かになぁ…… 問題は、どの機神を潰すか…… だな?」
「考えるまでも無いだろう?」
ウィリアムがジンの方を見ながら言った。
「言いたい事は解るが…… デッドラインには、愛着があるから潰したくないなぁ」
「ジンさま……」
ちょっと不安そうなネネの頭を撫でながら、ジンがデッドラインを潰すつもりが無い事を話すと……
「まぁ、俺も機体には愛着があるからな……」
「そうですね」
ウィリアムが両の手のひらを上げると、ジェフも笑いを浮かべながら頷いた。
「あの~…… ガチャ、回して見ませんか?」
「そうね。機神系のガチャで出たハズレの物を使えば良いわね」
「確かに…… でも」
「ハズレ…… 出ますかね?」
「だな……」
「そうね……」
「え、え、あ、あの、その……」
みんなに見られて、ネネが恥ずかし気に戸惑う。
「じゃあ、ガチャマシンの処に戻るか」
照れるネネから視線を奪う様にして、ジンがみんなを促しながら移動を始めた。
そんなジンに、ネネ以外のみんながニヤニヤしながら付いて行った。
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「それじゃあ、回すのは…… もちろん、ネネよね?」
「ですね」
「だな」
「その方が確実ですね」
「…… まぁ、俺が回すよりは…… なぁ?」
全員がネネとガチャマシンを見た。
「わたしで…… 良いんでしょうか?」
「俺の分は任せるから、気楽に回してくれ。機神系は…… コイン30枚か? 俺の分のコインが100枚だから3回だな」
「いいえ、わたしのもですので6回です♪」
「いいのか?」
「はい♪」
「じゃあ、任せた」
「はい♪ ネネ…… いきます!!」
コインを投入したネネがガチャマシンを回した!
「結果は……」
「今のところ…… 銀が3と金が2ですね」
「次が今回のラスいちだな」
「いきます…… !?」
「そう来ると思ったわよ」
ガチャマシンから現れたカプセルが眩い光りを放ち、部屋全体を光りに包む……
「毎回の事ですから……」
「今回は大丈夫ですね?」
「だな」
ちびっこ連中も手で顔を隠していたので、今回の目潰し被害者はゼロだった。
「じゃあ、城塞の方に移動して開封しようぜ」
ネネが出したラスいちの虹カプセルを持って移動した。
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「で、どれから開ける?」
「順当に…… 銀からか?」
「そうね。楽しみは、後に取って置きましょう」
「じゃあ、ネネさん…… お願い致します」
「わたしが開けていいのですか?」
みんながネネに促すと……
「わかりました…… それでは開けます!」
ネネが銀カプセルを1つ掴むと、ゆっくりと開封した。
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「銀カプセルの中身が……」
「ラインナップによりますと……【武装セットA】【武装セットB】と【強化ユニットセット】ですね」
「で、金が……」
「【量産型デッドライン】と【試作型デッドライン】の2機です」
「いよいよ最後の虹カプセルですね…… 皆さん、目を守る準備を!」
「総員、対閃光防御!!」
「では、参ります!」
眩い光りが空中城塞の格納庫を染め上げる。
「皆さん…… 大丈夫ですか?」
「あいかわらず…… 凄い閃光だよな」
「背を見せたのに…… 格納庫全体が光り輝いてましたからね。咄嗟に目を瞑らなかったら、ヤバかったですよ」
「油断したなジェフ? で、こいつが虹カプセルの中身か?」
ジェフをからかいながら、ウィリアムが1機の機神に目を向ける。
「ああ、そうらしい……」
ウィリアムに同意しながら、ジンも機神を見た。
「これは…… カプセルのラインナップに無い機体です」
機神を見て、クレアが声を上げる。
「シークレット…… て、ヤツかよ?」
ネネの強運に…… ジンは苦笑いするしかなかった。




