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破損したデッドラインは…… 修復? 強化改修? それとも新型?


「ここは……?」


ジンは、ベッドの上で目を覚ますと……


「あっ、腕の鱗が消えてる。なんでだ…… うん?」


デッドラインのコックピットで炎に包まれた時に現れた身体の鱗がなくなったのに気付いた時、自分の胸に何か暖かい物がすりつくのを感じて、ジンが毛布を捲る……


「うっ!?」


「う~ん…… ジンさま♥……」


そこには、ジンの胸に顔をこすりつけて眠るネネがいた。


「ちょっ、どうして?」


「あっ、起きた」


「うお!? り、リューナ」


「あらあら幸せそうな顔して」


「ど、どうゆう状況なんだ?」


「ああ、転移陣を抜けた後で…… あなた、倒れたのよ」


「えっ!?」


ノアール卿ことトモキの砦から、リューナの転移魔法でネネとドラグーンに戻ったジンは…… 転移魔法の魔法陣を出た処で気を失った。


「腕の鱗が消えてるでしょう? 危機的な状況で一時的に魔力が実体化していたのよ。普通なら龍の血族とかしか出来ないんだけどね…… 一緒にいる私の血を浴びた事と、攻撃が私の身近にいた龍の魔石を使った炎だった事で、あなたの魔力が龍の鱗を実体化した…… のかもね。でも、肉体の変化では無い魔力だから消費が激しくて、魔力切れで倒れたのよ」


「それは解った…… で、何でネネが?」


「さあ? 拐われて不安だったんじゃない? ネネにも龍の血が流れてる様だし…… つが…… あなたの側が落ち着くのよ」


「う~ん…… リューナさ、ん!?」


リューナと話している内に、ネネが目を覚まして……


「あ、お、おはよう」


ネネが顔を上げて…… ジンを見て固まる。


「きゃ!? ジジジジジ、じ、ジンさま! わ、私、キャア~!!!」


「お、おい」


ネネは悲鳴を上げなから飛び起き、部屋から飛び出して行った。


 ・

 ・

 ・


ジンが腹を抱えて笑うリューナと格納庫に行くと……


「よ、色男」


「ジンさん…… 艦内での性犯罪は困るんですけど」


にやついた顔のウィリアムと冷たい目をしたジェフがいた。


「性犯罪? なんの事だ?」


「惚けないで下さいよ! ジンさんの部屋からネネさんが飛び出して行ったじゃないですか!」


「その事ね。フフッ」


「笑い事じゃあないんです!」


吹き出したリューナに、ジェフが不満気に声を荒げる。


「マスター、誤解の様ですよ」


「あの、その、す、すみません……」


そこにクレアに連れられ、顔を真っ赤にしたネネが現れた。


 ・

 ・

 ・


「すみませんでした!」


「なんだよ。つまん、いでぇ!?」


ジンに平謝りするジェフの横で、ウィリアムが頭を押さえて転げ回る。


「マスターが懺悔しているのに、邪魔ですよ」


ウィリアムの身体(ボディ)は、クレアのプロトタイプなので…… 制御権はジェフとクレアの方が優先される。


ジェフが謝罪中なのに茶化す様な態度をしたウィリアムに、クレアが擬似的な頭痛を起こしたのだった。


「わ、解った! 悪かった!」


「まるで悟空と三蔵様の関係だな」


「なにそれ?」


「俺の世界の昔話だ。お供の猿が悪さをすると、三蔵様が呪文を唱えて猿の頭の輪を…… ギリギリと締め付けるんだ」


「話だけだと…… 状況が似てますね」


「だろう」


頭を押さえて転げ回るウィリアムと、それを覚めた目で見るクレアの姿に……


ジン達は、悟空と三蔵様の姿を重ねて見えた。


 ・

 ・

 ・


「で、起きて大丈夫なんですか?」


「別に、身体に異常は感じないし……〝こいつ〟が気になってなぁ」


ジェフに応えながら、ジンが見る先には…… 焼け焦げたデッドラインがあった。


「いてて…… うわぁ!? コックピットまで焼け焦げてんじゃねぇか…… この状態でよく操縦できたな?」


「後部のサブシートに緊急操作システムが有ったからな。それでも、ギリギリ帰艦するのがやっとだったが……」


「こうなると…… コックピットはもちろん、全体的にパーツを交換するかしないと…… 無理じゃあないですか?」


「このまま治しても、今回の様な性能の敵に襲われたら…… また同じ様になるんじゃねぇか? いっそうのこと新型にでも乗り換えたらどうだ?」


「ウィリアムさん…… そんな新型…… 何処にあるって言うんですか?」


「あるだろう」


「だから、何処に?」


「この艦内の〝ガチャ〟の中にだ」


「「「あっ!」」」


「ちょっ、ちょっと待って下さい! これ以上機体を増やすには、格納庫のスペースが足りませんよ!」


「そうですね。先ずは…… この艦を改修するか乗り換える為に、艦に関連するガチャを回す方が良いと進言します」


「まあ、とりあえずガチャを確認して見るか?」


 ・

 ・

 ・


「あれ? みなさん、こちらに居たのですね」


ガチャマシンのある部屋に入ると…… ドワーフと小人のチビッ子チームが居た。


「うん、整備の工具を集める為にね」


「工具類は、おれたちの人数分、コンプしたよ」


「あとは」


「あまったコインで、てぃーじぃーをつよくするの!」


「だから…… 格納庫……」


「「「「「ひろげてください! おねがいします!!」」」」」


チビッ子達がお願いする横で…… ジェフとクレアが期待した目でジン達を見る。


「はぁ~…… 仕方が無いな……」


機神ガチャよりも先に…… 艦ガチャを回すことが確定したのだった。



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