【超短編】3Pしたいからガチレズの双子従姉妹を全力で口説いてみる~オチてからが本編なのにプロローグ?~
短編投下します!
「ちょっと、ワケわかんないんだけど?」
「それならもう一度説明しようか?」
「要らないわよ!ユウジの性癖の説明なんか!」
声を張り上げて怒りを露わにするミナト。
宮古学園美少女ランキング1位かつ絶対に落とせない相手不動の1位、旭川ミナトは普段誰にも見せないほど怒っていた。
「ミナトだって特殊性癖じゃないか」
「ガチレズは至高の関係なのよ!ユウジみたいに3Pしたいから私たちと付き合えとか絶対におかしいから!」
そう、剣崎ユウジは同い年の女の子たちからモテモテにも関わらず、一切の告白を断ってきた。
それというのも、ユウジは『3P』をしたいから1人だけとは付き合えないというのだ。
「ガチレズで双子なミナトとミサキなら、俺の理想が叶えられるんだよ!」
「だから嫌って言ってるでしょ?!だって私たちは男になんか興味無いんだから!」
「じゃあミサキが帰ってきたら聞いてみろよ」
「わかるもん!ミサキだって絶対に男なんて嫌い!って言うから!」
「男は嫌いでも俺の事なら好きかもしれないぞ。何しろ俺たちは同じ保育器の中で育ったんだからな」
「言わないでよっ!それこそ不可抗力な黒歴史なんだからっ!」
生まれた日と場所ががたまたま同じだったユウジとミナトとミサキは、共に未熟児であったため同じ保育器二入れられたのだった。
それ以来、家が隣でいとこ同士ということもあり、3人は兄妹のように育ってきたのだった。
「とにかく幼なじみでいとこのユウジを『同性』として見るなんて出来ないから!」
「明らかに異性だからな!訳わかんない言い回しをするなよ!」
「とにかくユウジの欲望のために付き合うとか絶対に嫌だから!」
「そこを何とか頼む!ミサキと一緒に俺の恋人になってくれ!」
「嫌よ!だいたいなんで私に言うわけ?ミサキに言えばいいじゃないの!どうせ答えはわかってるけどね」
「それならミサキがオッケーしたらどうするんだよ?」
「ふん!そんなことありえないわ!」
「有り得たらどうする?」
売り言葉に買い言葉。
ミナトはユウジの挑発に乗ってしまう。
「いいわよ!それなら私も恋人になってやるから!」
「本当だな?」
「本当よ!」
「よーし、言質は取ったぞ、ミサキ!」
「やったあ!」
「ミサキ?!あなた出かけていたんじゃなかったの?!」
「えへへー。みさきはずっとユウジのへやのおしいれにいたんだよー」
天真爛漫な笑顔を見せるミサキにミナトは思わずほっこりする。
「ちょっと待って。ミサキがこの部屋に隠れていたってことは…まさか?!」
「そう、ミサキからは先にオッケーをもらっていたのさ!」
「そうだよー!」
「うそ?!うそよね、ミサキ?!」
絶望のあまり顔面蒼白になるミナト。
「じゃあ約束を守ってもらおうか?」
「くっ、恋人になればいいんでしょ?なれば!」
「じゃあ早速やるか」
そう言うといそいそと服を脱ぎ出すユウジ。
「れっつ、さんぴー!」
ミナトも服を脱いで下着姿になる。
「うそ?今からする気?冗談よね?」
後ずさるミナトを手をワキワキさせベッドに追い詰めていくユウジとミナト。
「いやっ、いやああああああっ!」
「おや、3人でおつかいかい?」
「違うよ、デートだから」
「うん、ミナトたち3Pデートなの!」
「そうかいそうかい。だから同じ柄のシャツを着てるんだな」
そう言いながら『誰だ?名門宮古学園附属保育園の園児に変な言葉教えたやつは?』といった顔をする八百屋の店主。
「恥ずかしいから離れてよ!」
「ダメだぞ、3Pだからくっついてないと」
「うん、チーズみたいにねっ!」
ミナトを真ん中にして両側から腕を組んでお揃いのシャツを着て歩いているユウジとミサキ。
そもそもの発端は、この田舎に倒産したホテルの居抜きでラブホテルができたことだった。
「ねえ、ここのホテルって何?」
「ご休憩って書いてあるから休むところじゃないか?」
「ユウジすごいね!こんなむずかしいかんじがよめるなんて!」
「ねえ、お母さんは知ってる?」
「え、えっとね、それは…ほら、姉さん。姉さんの娘たちが知りたがってるから答えてあげて」
「え?ちょっと、なんで私が?あなたの息子だって知りたがってるじゃないの」
そう押し付けあっている2人にさらに追い打ちがかかる。
「あっ、割引券が入口にあるよ!『3Pでも2人分の価格』って書いてあるけど何のこと?」
「さんぴー?なんなのそれ?」
「そ、それはね、ほらこれみたいに!」
そう言って『6Pチーズ』と書かれた商品をマイバッグから取り出す双子の母。
「ほら、こうやって同じものが6つくっついているのが6Pなのよ。だから、3Pはこのチーズみたいに3人で同じ服着てくっついている仲のいい人たちのことよ」
「「「ふーん」」」
なるほどと頷く保育園児たち。
「ちょっと、姉さんったらまた適当なこと言って!」
「仕方ないじゃないの!」
「そんな風だから姉さんの所の双子は『ペアルック』のこと『ガチレズ』って言うようになったんだから!」
「じゃあ代わりになんの事か説明してよ!」
なんてことがあったのだ。
そして保育園児3人はあろう事か、そのラブホテルの中に入っていった。
「おお、凄いな!」
「きれー!」
「ちょ、ちょっとはいい所じゃないの」
そう言ってキョロキョロしている3人の前に慌てたようにホテルの女性従業員が飛び出してきた。
「あなたたち、ここは大人しか入れないのよ?」
「え?そうなの?」
「ミサキたちさんぴー(3人で同じ服をして遊ぶこと)しに来たのに?」
「え゛?」
凍りつく従業員。
「だから私はガチレズ(ペアルック)のほうがいいから!3人でスルなんてやっぱり変よ!」
「今更、何言ってるんだよ?また俺のマグナム(うまい棒)を味わいたくないのか?」
「そ、それは…」
「さっきも俺の部屋のベッドでたくさん(色んな種類)味わっただろ?」
「う。うん。すごく良かった(おいしかった)のは認めるわよ」
「おねーさん、3Pでも2人分のお金でいいんですよね?はい、ご休憩のお金。割引券あるから2480円だよね?」
『子供銀行』かと思いきや本物のお金を出されてこれはマズいと思う従業員。
「じゃ、じゃあこっちの部屋に入って、それでジュースとか持っていくから何もしないで待っててね!」
子供たちを事務室に一番近い部屋に押し込んで慌てて最上階に居る支配人に連絡をする。
『は?3Pしに保育園児が来た?』
「そうなんです」
『子供のごっこ遊びだろ?』
「本当のお金を、それもちゃんとした額払ったんです!」
『受け取ったのか?!』
「だって、3P経験あるみたいなこと言ってるし、嫌がっていたひとりの女の子は実はガチレズとか言ってましたし」
『…そいつらは例の部屋か?』
「はい。誘拐犯や売春に対応出来る隠しカメラ付きの部屋です」
それらしい相手が来た時は他の部屋を満室にしてそこに誘導しているのだ。
『わかった、すぐそっちに降りて行く。何かまずいことになりそうなら踏み込めよ!』
「わかりました!」
そして従業員は『緊急用』と書かれたカバーを開けて『カメラ』『マイク』と書かれたスイッチを次々とオンにすると、事務室のモニターに園児たちが入った部屋の様子が映し出される。
『おっきいテレビがあるよ!』
『ホントね』
『よし、つけてみるか』
「まずいわ!18禁の番組が映らないようにしないと!」
カチッ
『ナンパーンチ!』
『あいうえおおおおおっ!覚えてろカレーナンマン!』
『わあ、『カレーナンマン』だ!』
『『わーい!』』
余談だが『カレーナンマン』に出てくるキャラは全てカレーである。
「間に合ったあ。あれ?映像消えた?音声だけ聞こえる?うそっ?」
カチカチやっても映像は映らない。
『あれ?これはなあに?』
『ああ、これは気持ちよくなるやつだよ』
『そうなの?』
『お母さんが夜にこっそり使ってるの見たことあるから』
「今度は何を見つけたのおおおおおっ?!」
『すごい、スイッチ入れるとウニウニ動くね!』
『何だかいやらしいわね』
『ほら、ミナト使ってみろよ』
『わ、私はいいわよ!』
『じゃあわたしがつかうね!ああっ、すごいいっ!』
「ダメだわ!すぐに止めないと!」
事務室を出ようとすると不意にカメラが直って映像が表示される。
そこには電動頭皮マッサージャーで頭をマッサージしている女の子の姿が。
「それですかっ!」
思わずツッコミを入れてしまう従業員。
『お風呂沸かしたから入るぞ!』
『わーい』
『わ、私はユウジとなんか入らないんだから。子供じゃあるまいし』
「あなた達は十分子供よ!」
『お父さんとは入ってるんだろ?』
『そんなの年少組までよ!』
『ミサキもおとうさんとはもうはいってないよ♪』
「こんなに早いうちから親離れして、お父さん可哀想に…」
『お風呂出たらまた3Pするからな』
『うん!』
『し、仕方ないわね。もう一回だけよ』
そこでまた映像が消えてしまう。
「これはまずいわ!今度こそ止めないと!」
カードキーを持って事務室を飛び出す従業員。
「おい、清水さん。子供たちの様子はどうだ?あれ居ない?」
支配人が事務室を開けるとそこはもぬけの殻だった。
「そうか、部屋に行ったのか。それなら俺も…」
『だめえええっ!』
「清水さん?!」
事務室に響き渡った声は紛れもなくこのホテルの女性従業員である清水愛佳(21歳メガネ美人)のものだった。
『まさかおねーさんがさんぴーのなかまに入りたいなんてね♪』
『4人だから4P(4人で同じ服を着る)だろ?』
『こうなったら道連れよ。ガチレズで鍛えた(着せ替えの)テクニック見せてやるんだから!』
「な、何が起こっているんだ?」
『むり、そんなのむりい!(保育園児サイズの服なんて)絶対に入らないから!』
『大丈夫大丈夫』
『痛いっ』
「これはまずい!すぐに助けに行かないと!」
支配人はマスターキーでドアを開けると、そこには半裸で園児サイズの服に頭を突っ込んだ清水さんの姿が。
「な、何をしているんだ?」
「さん、よんぴーだよ!」
「おじさんもやる?5Pになるけど?」
「………は?」
この後警察が来て園児とその母親たちはこってり絞られた。
「なんてことがあったよな」
「まだ覚えてるの?そんな黒歴史なんて早く忘れなさいよ、馬鹿ユウジ!」
「黒歴史だから覚えているんだよ。それよりさ、俺たち明日成人式だろ?」
「それがどうしたの?」
「誕生日もその日だからさ…成人式が終わったら3人でお祝いしないか?」
「わーい、いいねー!」
「ミサキがいいなら別にいいけど、どこでやるのよ?」
「この券を使おうと思って」
ユウジはポケットから紙切れを取り出す。
『HOTELプレミアルド割引券』
「これってまさか?!」
「そう、あの時の割引券を取ってあったんだ」
「い、いやよ!誰がユウジなんかと!」
「嫌なの?ミナトが行かなくてもミサキは行くよ?」
「ミナト、あなたそこが何をする場所か流石にわかってるわよね?」
「うん!」
「3人で行くのよ?普通は2人で行くものよ!」
「3人でも2人分の金額だよ!」
「そもそも私たち恋人じゃないし!」
「あの時から恋人になっただろ?」
「そんな小さい時のことなんか無効よ!」
「それならどうして今日も俺の部屋で『俺のマグナム』を咥えてるんだ?」
「マグナムじゃなくてうまい棒よ!それにここが居心地いいから仕方ないじゃないの!」
「ツンデレだな」
「ツンデレですね♪」
「違うわよっ!」
「じゃあガチレズ?」
「私、ミナトとならガチレズしてもいいなー♪」
「うっ…ほ、本当?」
思わず頬を染めてミサキに聞き返すミナト。
「マジかよ?!お前、いつの間にガチレズになったんだよ?!」
「元々ミサキのことは大好きだから!」
「俺だってミサキもミナトも大好きだぞ!」
「だめっ!ミサキは譲らないから!私も駄目だからね!」
「頼むっ!2人とも俺の恋人になってくれ!」
「「うん!・いやよ」」
双子なのにハモらずに不協和音になったようだ。
「俺は諦めないからな!3Pするためにお前を絶対に口説き落としてやる!」
そしてここから3人の本当の物語が始まるのだった。
お読みいただきありがとうございました!