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タカシ君(の能力)問題

 はいはい、チートが無いパターンの異世界ね。ということはあれか?人柄の良さとか地球の知識とか僕のことが大好きな美少女に助けてもらうとかで生き延びればいいのか?…いや待て待て待て!そもそも僕は勇者として召喚されたはずだよな?決してパーティーを追放されたわけでもスローライフを送りたいわけでもない。

「それで、どのようなスキルだったのですか?」

カタリスさーん!そんな冷静に訊いてこないでー!

どうする?思い切って適当なスキルでっちあげるか?いや、そりゃ死亡フラグしかたたん。ぐぬぬ…

「…〈鑑定〉だけです。」

「…本当に?〈鑑定〉だけですか?」

「本当です。それしかスキルがありません。」

「そうですか、ではスキル以外で何か突出した能力があるかも知れません。色々試してみましょう。」

おや?冷静やな。そういやこの人召喚の方法自分で考えたって言ってたし恐ろしく賢いのだろう。

 そんな訳で今僕は兵士の皆さんが使うという訓練場にてチートを探している。ここは王城ということで色々な訓練場や図書館、王族の寝室などがあるらしい。やっぱり城やったんかい。ちなみに王様と姫様は公務があるということで今はいない。今はカタリスさんと彼の護衛という全身甲冑の2人組が相手をしてくれている。主に木製の剣で護衛の人と戦ったりカタリスさんに魔力を測ってもらったり。そして2、3時間ほどかけて明らかになった僕の能力が

身体能力 普通

魔力 普通

知力 普通

というものだった。いや、身体能力と知力は変わってたら気付くだろうからうっすら予感あったよ。でもさ、魔力普通って、普通って…。

 魔力というのはスキルや魔法発動の為に必要エネルギーみたいなもので、この世界では個人差はあれど誰でも持っているらしい。しかしなぜ普通なのだ。せめて魔力0とかの方がまだ何か隠された力の存在を期待できるじゃないか。

「魔力がまだあるのは救いです。いっそ魔法を教えてしまいましょう。何か変化があるかも知れません。」

という訳で現在僕は図書館で魔導書(魔法について書かれた本全般のことらしい)を1人黙々と読んでいる。ちなみにカタリスさんもついにどっか行ってしまった。そして国家機密(ぼく)を無駄に人に会わせるわけにもいかず、現在独りというわけだ。

 そうだ、ここいらでスキルと魔法の違いを説明しておこう。まずスキルというのは生まれつき備わっている能力で、新たに取得はできない。対して魔法は一種の学問のようになっていて学べば才能次第で誰でもできるようになる。そして先程から物浮かす光出すとか図書館(ここ)でも出来そうな魔法を色々試して、全滅している。まあ本によると魔力はあっても才能はまた別の話らしいから仕方ないか…。いやいやいや、僕本当に勇者だよね?もう本当にどうすんねん。

 そうして静かに僕が詰んでいると、

「勇者様、陛下がお呼びです。」

カタリスさんだよ、何なの王様がお呼びって。

 という訳で僕は今国王サーフュラクの前に跪いている。そしてサーフュラクは玉座にどっしりと構えている。何これ、何か判決言い渡されるの?待ってください!妹がもうすぐ結婚するんです(大嘘)、友人を代わりに置いとくので2、3日程処刑は待ってください(錯乱)!

 そんな僕に国王は厳かに告げる。

「勇者タカシよ、魔物の討伐に向かって欲しい。」

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