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前回のあらすじ

タカシ君、奴隷魔法の解除に失敗!

スキル名の表記見やすくしました。

「あ?魔術師?生憎知らねーんだ。悪りぃな。」

これで15人目。うん、もういっそ虚しくない。

「あのー、タカシさん、すげー虚しそうですよ。」

若者よ、おっさんが折角前向きになろうとしてるのにそんな指摘はやめなさい(まあまだ27歳だが)。

僕は今、ケイタと共にエイチシェルの町で魔法使いを探している。何故かって?僕が魔法解けなかったからだよ。


昨晩

あれ?おかしいな、絶対奴隷魔法解除したとおもったんだけど。

「ねえ、ケイタ。あんたの顔の模様消えて無くない?」

「まじ?そういやお前のも消えてねーな。タカシさん、これ大丈夫すか?」

ぐっ、2人も察しやがった。

「ええと、すいません、鑑定してみたら奴隷魔法消えてませんでした。」

「「………」」

「え、ええと、でもさでもさ、2人とも自由に動けてるよね?だからさ、落ち込むのはやめよう?そうだ!魔術師さがそうよ!魔術師だったら魔法に詳しいからきっと治してくれるよ!」

吸血鬼ちゃんが助け舟を出してくれた。嗚呼、子供ってこういうピュアなところが大人には真似できないんだよなあ。

 という訳で先程の宿に戻り、ガチ謝罪してなんとか引き続き泊まらせてもらった。高校生2人組にまた鎧を着てもらって、魔物が入り込んだため討伐のため仕方なくやったことだと説明したところ、王国直属の騎士だと思ったようで(実際そうとも言えるのだが)、宿の修繕代を一部出す代わりに泊まっても良いことになった。因みに修繕代はチトセが自分の剣を差し出してそれを売ってもらうことにした。どうやらなかなか品質の良いものだったらしい。

「いいのか?顔の模様があれだから鎧売れないのは分かるけど、だからといって剣も売ったら困るだろ?」

「ああ、別にいいんすよ。ぶっちゃけあいつのスキルは丸腰というかむしろ素手の方が使えると思うんで。つーか顔のこれがなけりゃ鎧も無い方がいいくらいなんすよ。」

そうなんだ、まあいいけど。

 

 その後、僕の部屋で今後の予定を話し合った。

 2人にかけられた奴隷魔法を解くためには魔法の研究などを専門とする魔術師の協力が必要だ。よって明日からとりあえず町で魔術師を探すことにした。

「そういや、この世界って冒険者ギルドとかありそうだけど、どうなの?」

「あー、それ俺たちも最初気になってたんすけど残念ながら無いっぽいです。」

「ねえ、()()()()ってどういうこと?」

あっやべ、吸血鬼ちゃん置いてけぼりだわ。うーん、どうしよう。まあ打ち明けて困るのはどうせカタリスどもくらいだろうし、別にいいか。

「えっと、2人とも、話してもいいかな?」

「俺は別にいいと思います。」

「私も大丈夫です。」

という訳で、僕たちは異世界から勇者として召喚されたということを吸血鬼ちゃんに説明した。どうやら王国が勇者を召喚したことは話題となっているらしく、吸血鬼ちゃんも割とあっさり信じてくれた。そういや僕たち彼女に素性を全然明かしてなかったんだな。

「ねえ、どうせなら今から自己紹介でもしないか?これから一緒に行動するわけだし、お互いのこと知らなさすぎる気がする。」

「あーそうっすね、いいと思うっすよ。」

「私もいいと思います。」

「……私もそう思う。」

そうして僕から順に名乗っていく。

「じゃあ僕から。2人は知ってると思うけど僕の名前はタカシ=カズノセ。27歳です。」

「俺はケイタ=ツキシマ。17歳。」

「チトセ=ミミズク。同じく17歳です。それじゃ次は君だよ、名前は?」

「……その、名前は無いの。魔物(私たち)は名前がないことも多いから。」

まさかの名無しでした。そういやずっと吸血鬼ちゃんって呼んでたから気づかなかったな。

「じゃあ今から考えようよ!」

以外にもチトセが反応した。

「え?」

「名前がないと不便だし、あったら絶対いいと思うんだ。だからさみんなで考えよう!」

「う、うん。わかった!」


こうして吸血鬼ちゃんの名前を考える会が幕を開けた。言い出しっぺのチトセが先陣を切る。

「うーん、やっぱり本人に似合う名前にしないと。君って好きなものとか特技とかある?」

「ええと…好きなものは…特に無いかな。吸血鬼の仲間たち(みんな)と一緒にいた時はその日のご飯を見つけるので精一杯だったし。特技は…あっ、私のスキルとかどうかな?〈数式〉ってスキルなんだけど」

「「〈数式〉?」」

首をかしげる高校生2人組。ケイタの方は何か苦虫を噛み潰したような顔だ。テストでしくじったのだろうか。

「僕が代わりに説明するよ。彼女のスキルは文字通り数式を操るんだ。えっと実際に見せた方が良いかな、重力の公式(さっきの)もっかい出して。」

「わかった、えい!」


W=mg


「あっ、これ物理基礎でやったやつじゃん。ケイタ覚えてる?」

「いや、俺勉強苦手なんで。」

「彼女のスキルはこうやって出現させた数式を操るんだ。そして書き換わった数式通りの現象を起こす。さっき君たちを捕まえた時はこの式を書き換えて君たちに働く重力を重くしたんだ。」

うわ、チートじゃん、という顔をする高校生2人組。すると、チトセが何か閃いた顔をする。

「そうだ!すごい理系のスキルを使えるからリカはどうかな?」

「いや、安直すぎるだろ。」

まあ確かに安直だな…あ、それなら

「じゃあリカイってのはどうかな。数式の意味をリカイしてちゃんと使いこなせますようにってことで。あとは他人の気持ちを理解できますようにみたいな意味も込めて。」

「いや、タカシさん、それもあんま変わんn…」

「リカイ…いい名前…」

「えっ⁉︎いいのかよ⁉︎」

吸血鬼ちゃん本人が気に入ったようだ。

「じゃあ決定だね。リカイちゃんこれからよろしくね!」

「うん!!!」

こうして彼女は吸血鬼ちゃん改めリカイとなった。

魔術師探しの話どこいった………

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