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エピローグ

 その場にいた兵士達(ぜんいん)が注目する中、ゆっくりと歩みを止めるヒポグリフ。


 どう言いつくろうかと悩んでいると、辺りが騒然としてきた。


 「い、今のって、まさか」


 「まさか、何だよ」


 「いや、一瞬だけど、見えたんだ。 Xィーブインパクトが」


 「俺にも見えたぜ」


 「なあ、俺らが死んだら転生者(ノーム)になるんだろ? 競走馬が死んだら何になるんだよ!?」


 言われてみると、そうだ。


 そもそもグリフォンがいきなりヒポグリフを産むっていうのも妙な話だ。


 もし、競走馬がグリフォンの子に転生してヒポグリフになるんだとしたら?


 ヒポグリフは名馬になるという話には納得出来る。


 「うおぉぉぉ!」


 兵士の一人が、いきなり全裸となった。


 「わ、お前何やってんだバカ」


 「バカはお前だ。 ヒポグリフは西ローマ帝国のグリフォンからしか生まれないんだぜ? この装備で帝国に行く気か? 全裸なら盗賊に身ぐるみ剥がされましたで通るだろうが」


 「お前、帝国に寝返るのか?」


 そう言いながら脱ぐ兵士。


 その様子を見て次々に脱ぎ始める兵士達。




 「貴様ら、誰にことわって脱いでいるんだ!」


 指揮官が罵声を浴びせつつ脱ぐ。


 そこに一人の男が立ちはだかる。


 「なにやつ!?」


 その男は、アトス。


 もちろん全裸。 ここに来て着いていけない事ばかりだ。


 アトフのポージングは、キレッキレだった。


 もちろんデカい。


 唖然とする指揮官。


 それに比べて俺は、という自虐的哀愁が漂う。


 「鍛えているな」


 唖然として見返す指揮官。


 「筋肉は嘘はつかん。 続けたまえ」


 ゆっくりと口を開く指揮官。


 震える声で、「アニキと呼ばせて下さい」




 え?




 頷くアトフ。




 えっと?




 「さあ皇帝、公爵のいる城に進むがいい。 そこで始まるのだ、我等『俺Uzeeere』達の栄光が!」


 「うおぉぉぉ!」


 え? 何? 何? 何がどうしてこうなったぁぁぁ!


 俺の心の雄叫びに反して街道を小走りに進むヒポグリフ。


 雄叫びを上げて追走する俺Uzeeere達




 街道が、肌色に染まっていく。


 異常な光景に二度見する監視者。


 「あ、あの、先輩。 あれは?」


 「バカ、隠れろ。 「ウホッいい男」とか言われて一緒に捕まれたらどうする気だ」


 首を横に振る後輩。 それは嫌だ。


 こうして初期報告が遅れ続けた。




 気が付くとユグルド男爵の古城に到着していた。


 城門は既に開いており、中から豪華な衣装を纏った男が出て来た。


 周りの兵士や護衛と比べても目立っていたので、公爵だとすぐ分かる。


 「これはこれは皇帝の影武者殿。 どういったご用件で?」


 やはりバレていたか。 ここで使う(・・)んだよな。


 「それとも、この状況を打破出来るチート能力でもおありか?」


 


 「これの事か?」




 俺は、見せびらかすように右手を掲げた。


 輝緑色(エメラルド)の輝きが、周囲を照らし出す。


 静寂が続く中、不安が膨らんでくる。


 何も起きないけど、これで良かったのか?




 公爵が、口を開いた。




 「……み」




 み?


 「未使用の、チート・ポイント、だと!?」


 えっと、それって一体?


 「お前、まだチート能力を選んでいなかったというのか!」


 「は、はぁ」


 「ならばいつ使う? いや、使えるのか、今! いや、使う! 俺によこせぇぇぇ!!」


 え? 何? 何? 何だよぉぉぉ。


 気が付くと、取り囲まれていた。


 「俺にもくれよ」


 「あと1ポイント、それだけでいいんだ」


 「抜け駆けは許さんぞ、俺だ!」


 「俺だ」「俺だ」「いや俺だ」


 もみくちゃにされて、後は分からない。


 薄れゆく意識の中で、俺は心の限り叫んだ。


 「おメーら一旦落ち着けぇぇぇ」と。



                                          (完)

 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 途中、私的な用事で更新が途絶えた事もありましたが、おかげさまで完成させる事が出来ました。


 それでは失礼します。

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