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【書籍化&コミカライズ】規格外スキルの持ち主ですが、聖女になんてなりませんっ!~チート聖女はちびっこと平穏に暮らしたいので実力をひた隠す~  作者: 沙夜
第三章

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真剣勝負

夕食の席でパーティーのゲームを提案した私だが、出席予定のクレアさんにネタバレもあれなので、とりあえず場所を移して説明することに。


リーナちゃんも眠い様子だったので、応接室にはエドワードさん、エレオノーラさん、レイ君、レオンハルトさんと私が集まった。


マーサさんとマリアが食後の温かいお茶を出してくれた。


今日はアップルティーのようで、口に含むとふわっと優しい香りが鼻に抜けていった。


「それで?どんなゲームをやろうと思ってるんだ?」


「はい、私たちの世界では、パーティーなんかの時に景品を賭けてこのゲームをするんです。"ビンゴゲーム"と言います」


そう言いながら、日本人ならお馴染みのあのカードを見せる。


因みに厚紙で作った私の手作りだ。


「何ですか?カードに数字が並んでいますね」


「特に規則性などはないが…。カード一枚一枚並びや数字が違うのか?どういう意味があるんだ?」


まずレイ君とレオンハルトさんがカードを手にとって疑問を投げ掛けた。


それを見てエドワードさんとエレオノーラさんもカードを手に取る。


「では、実際にやりながら説明しますね。せっかくなので、マーサさんとマリアもどうぞ」


「え、私達もですか?」


「ぜひ!カード、一枚ずつどうぞ」


戸惑う二人にもカードを押し付け、説明に入る。


「まずはカードの中央、freeと書かれたマスを、こんな風に折って下さい。破りやすくなってますから、どうぞ」


不思議そうな顔をして皆が折るのを確認して、説明を続ける。


「ここに1から80の数字が書かれたクジの入った箱を用意しました。ここから一枚ずつ紙を引いてもらいます。最初は私が引きますね。…25番です。カードに25が書いてある方はいますか?」


「あ、僕あります」


「レイ君、すごいね!じゃあ25のマスを折って」


レイ君がパキッとマスを折る。


「こんな風にクジで引かれた数字のマスを折っていきます。では一度ずつ引いてみましょうか」


本当はカラカラ回すビンゴゲーム機があると良いのだが、そんな物この世界にあるはずがないし、作ることもできないのでクジにしてみた。


まあ無かったら無かったでどうとでもなる。


「じゃあ次は僕が。…3ですね」


「37だ」


「55よ」


「28です」


そんな感じで一周すると、皆いくつか穴の空いたカードになった。


「皆さんまあまあ空いてますね。こんな風にどんどん空けていって、縦・横・斜めのいずれかの列が早く揃うのを競うゲームなんです。揃ったら、ビンゴ!と言います。よく聞いて、よく見ていないと上がれませんし、この数字出ろ!とかワクワクしながらできるんです。私のいた世界では定番のゲームなんですが、意外と熱中しちゃうんですよね。良い景品があると尚更」


「ああ、なるほど。パーティーのお礼の品を何種類か用意して、このゲームで上がった順に選んでもらうということか?」


「そうです!さすがエドワードさん!」


「なるほどねぇ…。確かに色んな品があるとパーティーの後も話題になるし、新しい試みだから興味を持ってもらえそうね」


確かに、と皆が頷く。


「では、私はあと6が出れば上がりという事か?」


「え!?レオンハルトさん、もうリーチですか!?」


レオンハルトさんのカードを見せてもらうと、確かに6が出れば横の列が揃うようになっていた。


まだ7回しか引いてないのに…すごい運だな。


「ルリ様、リーチとは?」


マーサさんの質問に皆が私の方を見る。


「あ、あと一つで揃うよ、って時はリーチ!って言うんです。別に理由はないんですけど、皆に知らせる感じですね」


へえ、と皆が納得したようなので、どんどんゲームを進めていく。


「ねえ、全然当たらないわ」


「私はたくさん空くが、なかなかリーチにならない」


「あーん!マーサ様、次30引いて下さい!」


「そんな無茶な…」


「あの皆さん、これ一応お試しのゲームなので…」


「「「ルリは黙ってて」」」


わーお、みんな真剣ね。


別に景品も無いのに熱中している。


と、その時。


「あ。…私、ビンゴです」


なんとマーサさんが一位で上がった。


「ああん、悔しいわ!」


と悔しそうだったエレオノーラさんもすぐに二位で上がり…。


「あ、ビンゴです」


「私もだ。レイモンド、引き分けだな」


エドワードさんとレイ君も上がる。


「えーと…ビンゴ、です」


マリアも上がった。


…という事は。


「…私が最下位か」


…ビンゴゲームあるあるです、最初にリーチになった人が最下位。


レオンハルトさん、持ってますね。







「いや、単純だが、意外と面白いな。くくっ、レオンのカード、あんなにリーチがあるのに、最後まで空かないとはな」


「五月蝿いです、兄上」


からかうようなエドワードさんの言葉に、ちょっぴり拗ねたようなレオンハルトさん。


うーんこの二人の兄弟っぽいやり取り、ちょっと可愛いかも。


兄弟仲が良いのって素敵よね。


小さい頃はどんな感じだったんだろう?


少し歳が離れてるし、優しいお兄ちゃんとお兄ちゃん大好きな弟だったのかな?


それとも意外とケンカばっかりだったり?


でもどちらにしろ二人とも可愛かったんだろうなぁ。


おもちゃの取り合いとかしたのかな?


いや貴族のお坊っちゃまだし、おもちゃは豊富か。


ならおやつの取り合いとか?


うーん、食べ物もふんだんにあるよねぇ。


「ルリ」


お兄ちゃんがやってるの真似して剣の稽古始めた、とかはありそうだよね。


「…おい、ルリ」


それなのに剣が重くて泣いちゃったりとかしちゃったり?


かーわーいーいー!!


「ルリ!戻って来い!」


はっ!


「あれ?呼んでました?」


「…嫌な予感がするから何を考えていたのかは聞かないが、話を戻しても良いか?」


あ、ビンゴのことね。


危ない危ない、私ったらまた想像の世界に入っちゃってたみたい。


「見ての通り、私達も楽しめたからな。きっと招待客達も喜ぶだろう」


「では!」


「ええ、是非誕生パーティーでやりましょう!あとはプレゼントよね。色んな種類を用意して、上がった人から選べるようにするのよね?」


「あ、それなんですけど………」


ビンゴが採用してもらえたのは嬉しいが、懸念もあるので、ここで相談しておく。


「ーーーーーーーーしてはどうかなと」


「ーー成る程な。ルリの考えは良く分かった」


全て言い終わると、それまで真剣な顔で聞いてくれていたエドワードさんがにっこりと笑った。


あれ?レイ君とエレオノーラさんは驚いたような表情のまま固まっている。


私変なこと言ったかしら?と不安になってレオンハルトさんを見ると、大丈夫だと微笑まれた。


「では、その意見を考慮して色々手配しよう。ルリにはカードの製作や進行など、まだまだ力を貸して欲しい事があるからな。また相談させてくれ」


そこで今夜はこのあたりで、と解散の運びとなった。

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[一言] やっぱりビンゴゲームだった
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