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【書籍化&コミカライズ】規格外スキルの持ち主ですが、聖女になんてなりませんっ!~チート聖女はちびっこと平穏に暮らしたいので実力をひた隠す~  作者: 沙夜
第三章

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ファストフード

「はい、揚げたてのサンダーバードの唐揚げだよ。美味しかったら、是非買っておくれ!そっちの顔の良いお兄さんもどうぞ」


「うわ、大きいですね!ありがとうございます」


気の良いおかみさんに特大の唐揚げを差し出され、アルと二人でいただくことにした。


サンダーバードの唐揚げと言えば、普通の鶏より大きめが普通なんだって。


でも、色こそ黄色みを帯びているが、見た目は鶏の唐揚げとそう変わらない。


これなら抵抗なくいただけそうだ。


「では遠慮なく。ふーっ、ふーっ…………ん、はふっ、美味しい!あ、ピリッときた」


確かにパサつきはあるものの、ニンニクや生姜でしっかり消されているので、思っていたよりも臭みはなく、塩味が効いていて美味しい。


揚げ方が上手なのか、外はサクッと中はジューシーで、肉厚で噛めば噛むほど旨味が出てくる。


それに意外とピリッとくる刺激も悪くない。


そして何より揚げたてという、最強のスパイスが付いている。


ああ…揚げ物と言ったら炭酸系のお酒よね…。


こちらの世界に来てからはあまり呑んでないからなぁ。


こういう庶民的なものをラピスラズリ家で食べる機会なんて無いし。


だからと言って外で呑むのは、ちょっと…。


はぁ…なんかファストフードとかも食べたくなってきたかも…。


「!」


そうだよ!


作っちゃえば良いじゃない!!


「ご馳走でした!折角なので、唐揚げ、30個程包んで頂けます?」


「毎度!いやぁお客さん気前良いねぇ」


ついでだし、孤児院に顔を出してお土産にしよう。


あ、因みに代金は自分で払ってるからね。


騎士団の遠征食の開発や幼少教育のアレコレで、一応王宮で働いている扱いになっているのだ。


有り難いことにお給料も十分な程頂いている。


「アル、付き合わせちゃって悪いんだけど、孤児院にも行って良い?パン屋さんに寄って、あとさっきの青果店でジャガイモを買ってから向かおうかと思うんだけど…」


「ええ、唐揚げ30個で想像付きましたからね。今日は一日空けましたから、いくらでも付き合いますよ」


「ありがとう!」


さすがアル、付き合い良い!






さてお次はパン屋さん。


こちらも殆ど日本のパン屋と変わらない内装だ。


…でも、若干衛生面には気を配ってない感じがするかな。


「ねえ、アル。あんな風にお店の人が手掴みでパンを袋に入れるのは、普通なの?」


「ああ、そうですね。客はともかく、店の方はずっとパンを触っている訳ですしね。手が汚いという事はないと思いますよ。トイレの後などは流石に洗っているようですし」


ふーん、貴族のアルも気にしないという事は、かなりそれが一般的なようだ。


まあ清潔にうるさい日本人ならではなのかもしれないけど。


「ところでどんなパンを探しているんですか?」


「ん?うーんとね、私達は食パンって呼んでるんだけど…。あ、あれかな!」


向こうではよく食べていた食パンと似た物を見つけてほっとする。


こちらの世界で普段からよく作ったり食べたりしているサンドイッチ、実は食パンで作る物とは違い、バゲットタイプやコッペパンタイプの物が一般的なのだ。


カツサンドとかも、本当は食パンの方がソースが染みてしっとりして美味しいのになぁと思っていた。


「ああ、箱パンの事ですか。こちらも平民には人気のパンですね」


「箱パン?ああ、焼き上がりは箱っぽい形だもんね」


向こうとこちら、似ている物や同じ物が多いが、こうしてちょっと違うところが見つかると、とても面白い。


まあ、まさか魔物を食べるなんて思わなかったけどね…。


取りあえず、お目当てのパンは見つかって良かった!


あとは…


「あ、あれ良いかも」


目に映ったのは、イングリッシュマフィン風のパン。


これならバンズの代わりになりそう。


そう、私は孤児院でハンバーガーを作ろうと思っているのだ!!


残念ながらハンバーグやバンズまで作る時間はないから、このパンと唐揚げでチキンバーガーにするつもりだ。


…まあ実際はチキンでもないけど。


でもでも!ポテトフライは作るから!!


ファストフード感出るでしょ!?






と言うことで孤児院にやって来た。


ジャガイモもたくさん買って、青果店のおばさんに「また王都にいる間はいつでもおいで!」と言ってもらえた。


完全にお得意様扱いだなぁ、と笑ってしまった。


「あー、るり先生だ!」


「ほんとだーなんでー?」


「アルも一緒だー。どうしたの?」


突然の訪問に子ども達がなんでー?と集まってくる。


「あはは、たまたま近くを通ったから、寄ってみたの。すみません、院長先生」


「いえいえ、ルリ様の訪問は大歓迎ですよ。それにしても大荷物ですね」


うーん、さすがにジャガイモや唐揚げ、大量だからね。


アルが一緒で良かった。


「アル、重いのばっかりごめんね、ありがとう。院長先生、お昼の準備ってもうしちゃいました?まだなら是非、作らせて頂けないかなと思って…」


「おや、よろしいのですか?用意はしていましたが、今日はパンとスープですから、夕食に回せますよ。むしろ嬉しい申し出です」


よかった、なかなか良い時間だし、迷惑かなとちょっと思っちゃったのよね。


「じゃあ、ちょっとだけ台所、お借りしますね」


「ええ、良ければ年長の子ども達も手伝わせてやって下さい。」


そうね、包丁使いの上手な子たちにジャガイモをたくさん細切りにしてもらおう!


油で揚げるだけだし、覚えて時々おやつに作ってもらえば良い。


なんとこの世界のフライヤーは、火事防止のため魔力で程よい温度までしか上がらないようになっており、しかも油ハネなどもしない造りになっている。


なので、割と12、3歳くらいでも自分で揚げることが珍しくないらしい。


孤児院の年長さん達もよく当番で揚げ物をしていたりする。


簡単にできるポテトフライ、気に入ってもらえるのではないだろうか。


「ありがとうございます。是非後で一緒に召し上がって下さいね」


楽しみにしています、と院長先生は快く中に入れてくれた。


台所には食事担当の子たちが揃っていて、話をすると皆喜んで手伝ってくれた。


まずはジャガイモを綺麗に洗う。


皮は剥いても良いけど、私は皮付きも好きだ。


今日は時間もないし、そのままで。


こんなにたくさん切るの!?と驚かれたけど、絶対たくさん食べたくなるんだから、良いんです。


それではまず温めた油に、唐揚げをさっと通す。


やっぱり温かい方が美味しいもんね。


食べやすい大きさにし、半分に切ってもらったイングリッシュマフィンに、レタスやトマト、マヨネーズと一緒に挟んでいく。


因みに年少さん用は、箱パンをカットしたものに、薄めに切った材料をサンドしておく。


この方が食べやすいからね。


さて、これでチキンバーガーは完成。


ポテトフライはほぼ任せていたが、簡単だからか子ども達だけでも十分上手くやれている。


もちろん火の扱いはちゃんと見てましたよ。


慣れてるとは言え、危ないからね。


そして、揚げたての大量のポテトに塩をふれば完成。


ケチャップも添えれば完璧!


「うわ、ジャガイモを揚げただけなのに、美味しそうですね」


ふふふ、そうでしょう、アル。


たかがジャガイモ、されどジャガイモなのよ。


「揚げたて、味見してみましょうか?」


「「「してみる!!」」」


味見と言う名のつまみ食い、作り手の特権ですよね!

お正月料理に飽きたらジャンクが食べたくなりますよね…。


明日から仕事始まります…。

皆様頑張りましょう(´・ω・`)

更新も2、3日に一度は出来るようにしたいと思いますので、よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[良い点] サンダーバードの唐揚げで人形を思い出して笑えたw
2021/01/03 15:23 退会済み
管理
[気になる点] たしかにジャンクフード美味しいけど…太るorz 瑠璃が作った料理はどれもが油っぽいものだし… そこんとこ瑠璃の聖女の力でカロリーオフできないかな。
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