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【書籍化&コミカライズ】規格外スキルの持ち主ですが、聖女になんてなりませんっ!~チート聖女はちびっこと平穏に暮らしたいので実力をひた隠す~  作者: 沙夜
第二章

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休日

うーん、今日も良い天気!


良い一日になりますように!






今日は久しぶりにアリスちゃんが遊びに来る日だ。


なので今日は勉強もフォルテもお休み。


新しい遊びをやろうと、昨日のうちに準備していたのだ!


女の子なら、絶対好きだと思うんだよね。


楽しんでくれるといいな。





「おはようございます。今日もよろしくお願いします、リリアナお嬢様」


「おはよう、りーなちゃん!」


「おはよう、ありすちゃん。」


「いらっしゃい、アリスちゃん。今日もたくさん遊ぼうね」


はーい!!と元気いっぱいの笑顔。


ああ…癒やされる…。


最近偉い人とかに会うことが多かったから、ちびっこ不足だったのかも。


思わず二人まとめてきゅっと抱き締めました。





「さて、今日は小麦粉粘土で遊びましょう!」


「「「コムギコネンド??」」」


はい、毎度お馴染みの反応ありがとうございます。


「小麦粉は知ってるよね?」


「けーきとかつくるやつ…」


さすがリーナちゃん、よくお菓子作りで使うもんね。


「大正解!じゃあ粘土は?知ってる?」


「「「わかんない」」」


ですよねー。


「粘り気のある土のことなんだけど、色々な形に出来て、遊びに使うと面白いの。それを今日は口に入れても大丈夫な小麦粉で作ります!」


「たべられるの!?」


「えっと…美味しくはないと思うよ?」


キラキラした顔で見つめられましたけど、期待外れでごめんね、アリスちゃん。


うん、ガッカリだよね、ごめんね。


「小さい子でも安全に遊べるように、って事だから。食べるために作るわけじゃないから、ね?食べるやつはまた後で作ろう?」


「うん!わかった!!」


アリスちゃんてくいしんぼうなのよね。


…マリアもだけど。


「あ、でもこれも作り方はお菓子作りに似てるのよ。一緒にやってみましょうね」


「「「はーい!」」」


作り方は簡単。


小麦粉に塩と油を混ぜて、少しずつ捏ねながら水を足していく。


「かんたーん!たのしー!!」


「でも、こねるの、けっこう、つかれる」


うんうん、二人とも上手!


「フニフニして気持ちいいですねー!」


マリアも一緒になって楽しんでる。


「では、四つの固まりが出来たので、それを二つに分けて一つずつ色を付けたいと思います!」


これはテオさんに相談して提供してもらった食紅的なやつ。


食べられる植物などで色を付ける物だから、安心だとの事。


「みんな何色がいい?二色選んでね」


「あたしきいろとみどりー!」


「わたしは、あかとあおがいい」


「じゃあ、茶色と黒ね」


「私はこのまま白にしておくね。意外と使うから。じゃあそれぞれの粉を入れて捏ねましょう。違う色を捏ねる時は、一度手を洗ってね」


「わー!だんだんきいろがひろがってきたー」


「…ちょっとぴんくいろっぽい。なんでだろ」


「本当ですね。粉、もう少し入れてみましょうか」


うんうん、良い感じ。


リーナちゃんとマリアも良いやり取りしてるね。






「「「かんせーい!!」」」


という事で、七色の小麦粉粘土が出来ました。


「では、これで遊びましょう!ただ捏ねてるだけでも楽しいけど、粘土はこうやって…」


まずは粘土が初めてな皆のために、見本を作ってみる。


「こうやって丸めたのを付けて…出来た!」


「わあ!かわいい!」


「るりせんせい、すごい!」


出来上がったのは、うさぎの顔。


まあ大人なら簡単にできるし、子どもでも真似しやすい。


同じようにして耳を変えたりすればクマとかネコとか、色んな動物にできる。


「ルリは器用ね~。よーし、負けないわよ」


「あたしもうさぎ~」


「わたしは、くまつくってみる」


という感じで作り始めたのだが、アリスちゃんがピタリと動きを止めてしまった。


「?アリス、どうかした?」


「まま、ぴんくのうさぎにしたいけど、ぴんくがない…」


はい!待ってました!!


これです!今日のお勉強は!!


「うん、でもさ、さっき色付けてる時、リーナちゃんピンクになっちゃった、って言ってなかった?」


「あ、いってた!」


「どうしたら赤くなったんだっけ?」


「うーんと、こなをたくさんいれたから?」


「そう!じゃあピンクに戻すにはどうしたら良いのかな?」


「そっか…しろいねんどをまぜるんだ。ありすちゃん、やってみて」


さすがリーナちゃん!賢いわぁ!!



「わかった!えーっと、これくらい?よいしょ、よいしょ…あ、ほんとだ!」


「すごい…できた!」


「なるほど…これは白い粘土が多めにいるわね。水色とかクリーム色とかも作れるもの」


「そういうこと」


それにしても、二人とも良い顔してる。


自分で発見したことって、忘れないものだもの。


友だちと伝えあって、共感・共有するのってすごく大事。


大人が教えてあげるのは簡単だけど、それよりも自分達で経験した方が何倍も貴重だと思う。


「良かったね~。じゃあ、粘土遊び再開!また困った事とかあったら、教えてね。みんなで考えましょう」






「あ、あおとあかのねんど、くっついちゃった」


「あれ?ありすちゃん、そこ、へんないろになってるよ」


「本当ね。その二つ、一度よく混ぜて捏ねてみようか?色が変わるのかもよ?」


「うん!…わあ!むらさきになったよ!?」


「どうして!?」


「「ふしぎー!!!」」


ふふふ、混色って楽しいのよねぇ。


色々試してみたくなっちゃうの、どこの世界も一緒なのね。


夢中になって遊んでる二人を見てると、園の子達を思い出す。


みんな、元気かな…?


先生、意外と元気に頑張ってるよ。






「あれ?何だか楽しそうな事してますね」


「おにいさま!」


「レイモンド様。よろしければご一緒にどうですか?楽しいですよ」


そう言ってマリアが皆の作品を見せると、レイ君も興味を持ったようで、近寄って来た。


「…へえ。楽しそうですね。僕もちょっとやってみても良いですか?」


「勿論!どうぞ」


皆はワクワクしてレイ君が何を作るのかと覗く。


ーーー五分後。


「ふう、出来ました。どうでしょうか?リーナの好きなバラの花を作ってみたのですが」


そこには、超芸術的な薔薇の花があった。


「す、すっごーーい!!」


「おにいさま、じょうず!!すごい!!」


「そ、そうかい?そんなに褒められると照れるなぁ」


「「………」」


「レイモンド様、何故絵は残念なのに…」


「しっ!マリア、それは言っちゃダメよ!!素直に褒めて!!」


剣は得意なのに包丁は扱えない人がいるように、立体工作は得意なのに絵画は苦手な人だっているのよ…。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさに知育教育って感じですね。座学も大事ですが、こういうのも大事だったりします。 [気になる点] レイ君もしかしたら飴細工も出来るんじゃないかな。
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