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【書籍化&コミカライズ】規格外スキルの持ち主ですが、聖女になんてなりませんっ!~チート聖女はちびっこと平穏に暮らしたいので実力をひた隠す~  作者: 沙夜
第二章

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聖女会議

待っていて下さった方、ありがとうございます。

何とか続けられそうなので投稿を再開します。

辻褄合わせが苦手なので、もし不備があっても温かく見守って頂けると…(笑)

「ほぉんとぉぉぉに腹が立つのよ!あの男!!!!!」


「嫌だわぁ不敬罪って言われますわよ、紅緒(べにお)ちゃん」


「アンタのその態度も腹が立つんだけど!?」


「ま、まあまあ…黄華(おうか)さんも話聞いてあげましょうよ…」


「瑠璃さんっ!瑠璃さんがいてくれて良かったぁぁぁ!!もぉワケわかんない世界に飛ばされて混乱してるってのに、話通じないし、腹立つヤツばっかりだし、ウンザリしてたんだから!!!」


「やだ、私ちゃんと紅緒ちゃんのこと、可愛がってましたよ?」


可愛がって(からかって)たんでしょぉがぁぁ!!!」






ここは王宮の貴賓室。


今日は王宮のお茶会に招かれています、和泉 瑠璃です。


…一応、"癒しの聖女"です。


そしてお茶会のメンバーだけど…。


「とにかくいちいちネチネチネチネチ言ってきてムカつくのよ!納豆菌かアイツは!!!」


このちょっと口が悪いのが日暮 紅緒(ひぐらし べにお)ちゃん。


18歳の元女子高生で、肩の下まであるウエーブした黒髪に赤目のちょっとキツめの美少女。


彼女は"粛清の聖女"らしい。


「まあ、納豆菌だなんて…いつも一緒にいる紅緒ちゃんも臭くなりますわよ?」


「誰が匂うって言った!って言うかいつも一緒にいないし!!」


「あらー自覚ないの?あんなにじゃれあってますのに…」


「じゃれてなーーい!!!」


そしてこっちの火に油注いでる人が、東雲 黄華(しののめ おうか)さん。


ゆるふわロングヘアーの茶髪に少し緑がかった金の瞳で、まさかの年上30歳!


パッと見はいつもニコニコしてて可愛いらしい人だけど、中身は天真爛漫と言うか何と言うか…クセのある人だ。


彼女は"祝福の聖女"なんだって。


めでたく聖女が三人揃ったので、こうして時々交流会を開いているのだ。


無理言って王宮の滞在を断った身としては、これくらい了承しないと…と思ったのだが。


…正直、間に挟まれて困惑することが多かったりする。


でも…


「ほう、聖女殿が揃って俺の悪口大会か?」


「出たわね性悪魔王!!!」


「嫌ですわ、悪口なんてまさか」


…魔王様、降臨。







わーわー叫ぶ紅緒ちゃんを連れて(引きずって)カイン陛下は去っていった。


一緒に何をしてるんだろう?と思って聞いたことがあるんだけど、どうやら騎士団の訓練場に行って二人で訓練をしているらしい。


紅緒ちゃんは攻撃魔法に特化している。


そしてカイン陛下は魔力がほぼ無い代わりに、剣術に凄く優れているらしい。


そんな二人が組んで、しかも連携が取れるようになったら、控えめに言っても最強だろう。


紅緒ちゃんは魔法の勉強中なのでまだまだらしいが、これから魔物討伐に出てもらうこともあるから、二人で訓練して連携を精密にしたいんだって。


「黄華さんも、もう少し紅緒ちゃんに優しくしてあげれば良いのに」


「良いんですよ、その役目は瑠璃さんがしてくれているでしょう?時々ガス抜きさせてあげなきゃ。怒って愚痴って、発散も大事なんです」


そう言ってお茶を飲む黄華さんは、やっぱり年上なんだな、という表情をしていた。


召喚されて暫く、紅緒ちゃんは情緒不安定だったらしい。


そりゃそうだ、だってまだ未成年。


突然異世界に連れて来られて、動揺しない訳がない。


きっと、何も知らない私がラピスラズリ邸でのほほんと過ごしている間、黄華さんは紅緒ちゃんを守ってきたのだろう。


こんな風に、会話していると二人の事情を垣間見たりするので、私も二人との関わりを大切にしたいと感じている。


…もっと、話してみたいと思うのだ。


「さて、ではそろそろ私達もお開きにしましょうか。ああ、瑠璃さんは訓練場を見に行かれますか?例の、団長さんがいらっしゃるんでしょう?」


「えっ!?えっと、そう、ですね…少しだけでも来て欲しいとは、言われましたが…」


「それでは一緒に参りましょう!」


黄華さん…絶対面白がってる…。


ニヨニヨとした笑みには、からかう気満々だと書いてある。


本当は優しい人なんだろうけど、この人の判断基準は面白いかどうかなのだと思う。


小さく溜め息をつくと、私は素直に黄華さんの後に続いた。







始めに断っておくが、私とレオンハルトさんは恋人でも何でもない。


好意を伝えてくれているし、それが冗談だとかからかいではないという事は分かっているが、正直、自分の気持ちがよく分からないのだ。


勿論とてもかっこいいとは思うし、一緒にいてドキドキもするけど、ほら、私は平穏を望んでいた訳で、イケメンとのいちゃいちゃを希望していた訳ではない。


まあすでに、平穏とは…?って感じにはなってるけど、ね。


それでも年齢=恋人いない歴な私には、レオンハルトさんの恋人とか、ハードルが高いのだ。


あんなにかっこいいんだもの、経験豊富だろうし、他のお嬢様方がほっとかないだろう。


恋人になったは良いけどつまらない、とか思われたら絶対傷付く。


恋愛経験ゼロの純情アラサーをなめないで欲しい。


「あ、また何か余計なこと考えてますね?」


「黄華さぁん…」


考えれば考える程ドツボにはまりそうで怖い。


思わず同郷の年上に頼ってしまうのは自然なことである。


「もう、瑠璃さんは色々考えすぎなんですよ。やったーイケメンと付き合える、ラッキー☆とか思えば良いのに」


「いや、思えませんて」


「でも、団長さんと瑠璃さんの話はもうほとんど知れ渡ってますし、逃げられないと思いますけどねぇ」


「…はい?」


「あれ、知らないのですか?有名な話ですよ?ラピスラズリ家にいる聖女様は魔法騎士団長のお手付きだって」


「はあぁぁぁ!!?」


何でそうなったのー!!?

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 瑠璃さんに対して、勝手に召喚してしまって、ごめんなさい的なことは、国からなかったのかな?経済的なことは、一生裕福に暮らせるように保証するとか、あって当然のように思えますね。
[一言] 読んでいるほうも癒されて、ほっこりします。 続き、楽しみにしています。
[一言] お早い再開ありがとうございます!
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