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【書籍化&コミカライズ】規格外スキルの持ち主ですが、聖女になんてなりませんっ!~チート聖女はちびっこと平穏に暮らしたいので実力をひた隠す~  作者: 沙夜
第一章

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ステータス

異世界に来て、三日目の朝。


エレオノーラさんの旦那様である、エドワードさん(侯爵様にもそう呼んで欲しいと言われた)には二日目の朝挨拶をして、すんなり受け入れてもらえた。


そんなので良いの?と思わなくもないが…。


そして、私は正式にリーナちゃんの家庭教師となることに決め、昨夜その旨を伝えていた。


皆さんとても喜んでくれて、ほっとする。


完全に諦めたわけではないけれど、還る方法がないのに、いつまでも居候するわけにはいかない。


それなら、仕事をするのが普通だ。


それに、王宮にいるらしい二人の聖女と私が、どんな関係にあるのか分からない。


巻き込まれただけなのか


それとも、私も聖女として喚ばれたのか


前者ならこのまま還る方法を探しながら、庶民として慎ましく暮らしていくつもりだ。


でも、後者なら…。


いや、そんな訳ないとは思うけどね。


特に魔法とか使える訳でもないし。


でも、ちょっと興味はあるのよね…。


うずっ


キョロキョロと周りに誰もいないことを確かめる。


さすがに、見られたら恥ずかしいからね。


「ええっと…この前読んだ小説の中では、何て言ってたっけ?ステータス?オープン?」


何かそんな感じの言葉だったはず!と口にしてみると、目の前に画面が現れた。


「…え?ちょ、はああ!?」







************

和泉 瑠璃(いずみ るり)

癒しの聖女 Lv.3

HP:523//523

MP:1235//1235




************


ちょっと待って。


落ち着こう。


見間違いかも、そんな一縷の望みを抱いて逸らした視線をそっと戻す。


……………


画面、ある。


「う、うそでしょ…!?」


私、魔法使った!?


いや、魔法なのかと言われると微妙だけど、現代日本では考えられない技が出来るようになっている。


いやいや、それもだけど、それよりももっと大事なことが書いてある。


"癒しの聖女"


って


何だそれーーーー!?






ステータスは手で払うようにしたら消えた。


開いたのが自室で良かった。


初日に泊まらせてもらった客室を、そのまま私の部屋として頂いたのだ。


思う存分うんうん唸れる。


「私が聖女って…何の冗談よ…」


とりあえず、MPが高すぎな気もしなくはないが、その他は初期レベル程度な気がする。


子どもの頃によく弟とRPGのゲームをしていた私は、それらと比べて、何となくではあるが異常な程数値が高いわけではないと思った。


変にチートでも目立って困る。


私が目指すのは、平穏だ。


気を取り直して、ステータスを読み進めてみよう。


************

和泉 瑠璃(いずみ るり)

癒しの聖女 Lv.3

HP:523//523

MP:1235//1235


魔法:聖属性魔法 Lv.MAX ・ 水属性魔法 Lv.35

風属性魔法 Lv.20 ・ 光属性魔法 Lv.20

火属性魔法 Lv.10 ・ 土属性魔法 Lv.10

闇属性魔法 Lv.5

スキル:鑑定 Lv.MAX ・ 癒しの子守り唄new

************


あ、駄目だ。


チートだわ。


魔法のレベルMAXがどこか分からないけど、とにかく駄目なやつ。


癒しの子守り唄って何?


しかもnewってついてるし…


あれか、リーナちゃんに歌ってあげてるやつか。


確かにリーナちゃんの寝入りも寝起きも良くて、マリアさんに大変ありがたがられている。


それってスキルの効果ってこと?


あと、色んな属性の魔法が使えるみたいなんだけど、この世界って魔法使えるのは普通なのかしら?


この世界の標準レベルが分からない。


これは隠しておいて、少しずつ探っていくしかないのかな。


あとは、"鑑定"か…


ラノベとかによくあるやつよね?


私は、そういう類いの小説を少しだけ読んだことはあるけれど、すごく詳しいわけでもない。


「まあ別に爆発したりするわけじゃ無いだろうし、使ってみよう。えーと、"鑑定"?」


実験で、近くに生けられていた百合らしき花を鑑定してみる。


************

*ホワイトリリー*

多年草。食用可だが、味は好まれない。

効果:HP弱回復

************


英名だけど、やっぱり名前はほとんど変わらない。


へー食べられるんだ。


元の世界でも食べる人がいないってだけで、食べても問題なかったのかもしれないけど。


まあ、でも美味しくはないよね。


あと、HP回復の効果もあるんだ。



便利だな、鑑定。


次は何を鑑定してみようかな~?





そんな事をして遊んでいたら、朝食の時間になり、マーサさんに呼ばれてしまった。


いかん、今日はお仕事一日目なのだ。


気合いを入れないと!






朝食の席では、リーナちゃんとレイ君に正式に私が家庭教師を引き受けることになったと伝えた。


二人にもとても喜んでもらえて、嬉しい。


エドワードさんはこの後お仕事なので、王宮へ。


侯爵様だし、職場が王宮なんて、きっとすごいエリートなんだろうな。


エレオノーラさんにいってきますのキスをして出ていった。


…ラブラブだ。


レイ君とリーナちゃんによるといつもの事らしく、気にも留めていなかった。


まあ、元の世界でも外国では挨拶だもんね。


「では、僕も家庭教師の先生がいらっしゃるので、そろそろ。ルリさん、リーナをよろしくお願いします」


レイ君も今日の午前中はお勉強のようで、にこやかに自室に戻って行った。


「じゃあリーナちゃんもごちそうさましたら、私とお絵かきしようか?」


「!する!!」


「あら、良いお返事ね。ではよろしくね、ルリ」


「はい、エレオノーラさんも、またお茶の時間に」


二日間過ごして分かったのは、リーナちゃんはいかにも女の子らしい遊びが好きなこと。


お花を見たり、お絵描きしたり、お人形遊びをしたり。


とりあえずは好きなことから、少しずつ教育的な要素も入れていこうと思う。


さーて、時間はたっぷりあるし、たくさん遊ぶぞー!

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― 新着の感想 ―
[一言] 召喚とかそれに準ずる儀式の元転移したのなら隠すイコール騙すになり、国上げての罪人になる又は自由を奪われて囲われるかもしれんが。儀式関係なく転移したのなら変わってくるけどさ。
2022/02/07 08:33 退会済み
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