表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】規格外スキルの持ち主ですが、聖女になんてなりませんっ!~チート聖女はちびっこと平穏に暮らしたいので実力をひた隠す~  作者: 沙夜
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/283

これからの私達

アメリアとオリビアとはまた会う約束をして、トパーズ子爵邸を後にした。


そう、二人とも年下だし友達になったのだからと、さん付けは無しで良いとの事で、名前で呼ばせてもらうことになり、敬語も無しになった。


これだけで親しくなった感じするよね。


うん、新しい友達、嬉しい。


それと、もう一つ。


「…早く、話したいな」


レオンに会って、伝えたい。







その晩、やはりレオンは少し遅めにラピスラズリ邸にやって来た。


と言ってもギリギリリーナちゃんが寝る前だったので、レイ君とリーナちゃんの二人とはちゃんと会うことができたんだけれど…。


「レオンおじさま、ちょっとこっちきて?」


何故か三人で内緒話を始めてしまった。


何だかのけ者にされたみたいでちょっと寂しい…。


でも三人とも表情は明るいし、レオンが二人の頭を撫でているから、変な話ではないのかな?


あ、レイ君照れて怒ってる。


そんなお年頃?


リーナちゃんは凄く嬉しそうだな。


あー二人とも本当に可愛い。


楽しい内緒話なら、まあ良いか。







少し遅めの夕食も終え、私達は二人で話をするために自室へとやって来た。


レオンにはソファーに掛けてもらい、マリアが用意してくれたお茶をテーブルに置いて向かいに座ると、まずは一つ目の大切な話を切り出す。


「レオン、お疲れ様。今日来たのは、やっぱりリーナちゃんの事、だよね」


「ああ、兄上と義姉上に報告してきた」


そう、リーナちゃんが聖属性持ちではないかという話だ。


あくまでシーラ先生の予測だけど、多分間違っていない気がする。


「驚いていたが、あの子なら大丈夫だろうとも言っていた。…ルリ、貴女がついているから」


「私?」


「ああ。身近に聖属性魔法の遣い手がいて、しかもそれが慕っている人で、それを正しく使おうとしている見本のような女性がいるんだ。何の心配もないとさ」


「…私、そんな立派な人間じゃないよ?結構自分の事でいっぱいいっぱいだし、迷惑かけたり、間違ったこともしちゃうし」


「ああ、それで良いんだ。一緒に悩んで、考えて、助け合えるからこそ、みんなルリの事が好きなんだ。それに、一度間違えた事を貴女は繰り返さないだろう?」


「…うん」


レオンの言葉がジンと胸に響く。


こんな私を好きだと言ってくれる人達がいることが、とても嬉しい。


「リリアナに聞いてからだが、近々王宮に出向いてシーラの鑑定を受けるつもりらしい」


シーラ先生の鑑定を受けるということは、聖属性持ちであることを国に申請するという事。


「私、私もリーナちゃんの為に、リーナちゃんを守れるように、頑張る」


レオン達、みんなが私を守ってくれているように。


「ああ、そう言ってくれると心強い。ありがとう、ルリ」


ふるふると首を振る。


そんなの、今まで私が受けた優しさに比べたら些細な事だ。


「…あのね、もう一つ私からも話があるの」


「うん?どうした?」


レオンが私の隣に座り直す。


優しい声が近くから聞こえるのが、ドキドキするのに落ち着く。


「今日、トパーズ子爵邸にお邪魔して来たの。そこで、アメリアに聞いた。…話したんだってね」


そうか、とレオンが苦笑する。


きっと、私が聞かなかったら話さないつもりだったんだろうな。


「アメリア、凄く優しい顔してた。レオンにありがとうって言ってたよ。こんなこと私が言うのも変だけど、きっと、アメリアはレオンを好きになって幸せだったと思う。憧れも、尊敬も教えてくれて、人を大切に思う気持ちも知った。それに、きちんと()()()()()くれた事も」


素敵な人を好きになった自分を、きっと彼女は誇れる。


心残りなく振ってもらえたから、新しい一歩を迷わず踏み出せる。


きっとアメリアは、これから素敵な女性になるだろう。


「そして、そんな人と恋人同士になれた私は、凄く幸せだなって思った。いつかアメリアにすれば良かった、なんて言われないように、私も頑張るね」


「ルリ…」


少しだけ驚いた表情をしたレオンは、すぐに顔を綻ばせると、私の手を取った。


何だろうと不思議に思っていると、そのまま私の手を自分の口元に寄せ、ちゅっ、とキスを落とした。


「ひぇっ!?」


「…俺も、幸せだよ。こうして貴女の隣にいられることが」


あまりに突然の出来事に、私は何も言えずに口をぱくぱくさせるだけだったーー。






「ルリ?何故向こうを向いている?」


「イエ、ちょっと私には刺激が強すぎて…」


現在私は自分のベッドに横になり、レオンは隣に腰掛けている。


疲れているだろうからそろそろ…、と就寝をすすめたのだったが、私が眠るまで側にいたいと言われ、何故かこうなった。


何もしない、隣で手を繋ぐだけだと言われたしそれを信じているが、それと心の動揺は別物だ。


だってだって!薄暗いベッドの上で、好きな人と手を繋ぐって、何もなかったとしてもドキドキしない訳ないじゃない!?


月明かりでレオンの顔に陰影ができて、それがまた何とも言い難い、い、色気を醸し出しておりまして…。


こんな状態で眠れるかぁぁ!!!


…と思っていたんだけど。


不思議だよね、レオンの手の温度が心地よくて。


いつの間にか、私は眠りについていた。






「ルリ?…眠ったのか」


繋いでいた手から力が抜けた気配がして、ルリにそう呼び掛けた。


すぅ、と安らかな寝息を立てるルリの姿に、ほっとする。


穏やかな寝顔を眺めながら、レオンハルトは先程ルリに言われたことを思い出していた。


トパーズ子爵令嬢の件、そもそも彼女に会って話そうと思ったのは、ルリの為だった。


ちゃんとけじめをつけなくてはいけないと思えたのも、ルリだったらそうしただろうと考えたからで。


子爵令嬢の為だとか、そんな高尚な考えなどではない。


それでもその行いが、自分も、ルリも、子爵令嬢も救ったのであれば、それは正しかったのだろう。


それにしても名前で呼んでいた所を見ると、彼女たちとずいぶん親しくなったらしい。


それとーーー


『レオンおじさま。あのね、ルリせんせい、さいきんとてもうれしそうなの。きょうも、おじさまがくるの、たのしみにしていたわ。ちょっとまえはね、おじさまにあうのがはずかしいから、すこしへんなたいどをとっちゃう、っていってたのに。ふふ。きっと、はずかしいよりも、だいすきってきもちがおおきくなったのね』


『ルリ様、最近急に綺麗になったと話題ですよ。誰がそうさせたかは一目瞭然ですけどね。誰かに奪われないように、ちゃんと大切にして下さいね』


幼い二人からの激励も思い出し、笑いが零れる。


「自分がどれだけ人に影響を与えているのかなど、分かっていないのだろうな」


華奢な手をきゅっと握ると、んんっ、とルリが身じろぐ。


すると繋いだ手の温度が心地よいのか、頬を刷り寄せてふわりと微笑んだ。


「……参ったな」


本当に何もしないつもりだったのだが、と呟くと、レオンハルトは少しだけ考えた後、ルリの唇におやすみ、とキスを贈り、そっと部屋を後にした。






これから、私達はたくさんの壁にぶつかるかもしれない。


まだまだ謎の多い自分の魔力。


携わる事業。


きっと、悩むことも、間違える時もある。


それでも、ずっと一緒にいたいと思える人に出逢えた。


彼となら、きっと一緒に乗り越えられる。


私もこれから、最大限の努力をしたいと思う。


この世界で、幸せになりたいから。

第三章、終わりです。ありがとうございました。


瑠璃も落ち着いたので、次章はあの人かな?

何話か書いてみてから更新しようと思うので、少しお時間頂くかもしれません。


ブクマ・評価・感想等ありがとうございます!

いつも嬉しく思い、活力にしております。


また第四章でお会い出来ることを祈っております。

まだまだ頑張る瑠璃達をどうぞよろしくお願いします(*^-^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 次はアメリアちゃんですか?w まぁ次は赤の聖女様ですかねぇ。
2021/02/16 07:42 退会済み
管理
[一言] 作者様、第四章楽しみにお待ちしています。 無理しちゃ駄目ですよ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ