けじめ
お蔭様で100話達成しました!
いつも読んで下さる皆様のお陰です(*^-^*)
評価、ブクマ、誤字報告もいつもありがとうございます。
やっと二人もくっついた事ですしこれから糖度高めに…いきたいとは思ってます。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
結局その後は頭が上手く回らなくて、夕食の席で色々やらかし、エドワードさんとエレオノーラさんににやにやされた。
リーナちゃんとレイ君はニコニコしてるだけだったけど…何だか筒抜け感が満載だ。
あまりに居たたまれなくて早めに退席したら、リーナちゃんが後を追って来てくれた。
「せんせい、あしたはなにつくるの?」
そう、明日はリーナちゃんとマリア、そしてエレオノーラさんも一緒にお菓子作りの約束をしている。
「うん?うーん、明日のお楽しみね」
「えーっ!」
「ふふ、私も楽しみにしてるね。おやすみ、リーナちゃん」
「むーっ。わかったわ、おやすみなさい」
リーナちゃんの頭を撫でて別れる。
最近はああやってちょっぴり拗ねてみたりもするようになって、本当に表情豊かだ。
それに誕生日が来てからかな?少しお姉さんになった気がする。
「さて、明日も楽しくなりそう」
薬指で光る指輪に触れる。
明日も晴れるのだろう、窓から見える夜空には星が瞬いていた。
「ーーーーという事があってな」
「ふぅん…確かに不思議ね。ところで、それは仕事の報告なの?それとも惚気?」
「勿論仕事に決まっている」
ルリと別れた後、レオンハルトは王宮の魔術師団長室に来ていた。
例のチョコレートを持って事情を説明されたのだが、所々でルリがああしただの、可愛いだの、惚気としか思えない発言が多々あったため確認したが、無自覚だったのかとシーラは溜め息を付いた。
しかし、確かにチョコレートの効果については興味深い。
「私も鑑定をかけてみたけど、ルリが言っていたことと同じことしか見えないわね。…想いが込められている、か」
「何か気になる事でも?」
手を顎に添えて考えるシーラを見て、レオンハルトは尋ねる。
「ーーー惚気ね、って思っただけよ。まったく…やっと恋人になれて嬉しいのは分かるけど、手加減しなさいよ?ルリは経験なさそうだしね。いきなりがっつかない事ね」
「…………」
「…あんた、ひょっとして」
「キスだけだ。我慢出来なかったんだ」
糞真面目な顔で言うなよとシーラは項垂れた。
これはるり先生、今日は頭がぽーっとしているだろうな、と同情する。
「もう良いわ、用件は分かった。次の講義の時にルリからも話を聞いておく」
「ああ、頼んだ」
レオンハルトは団長室の扉を閉めると、ルリにもらったチョコレートの小箱を見つめる。
「…俺も、けじめを付けなくてはな」
そして目当ての人物に会いに、足を進めた。
それから三日後。
第二騎士団の団長室の前に、一人の令嬢が立っていた。
令嬢が警備の騎士に了承を得て入室すると、そこには麗しの青銀の騎士と、その右腕の副団長が待っていた。
「呼び出してしまってすまないな。こちらから出向くべきだったのに」
「い、いえ。お忙しいのは存じておりますから…」
「申し訳ありませんね、私も同席させて頂きますよ。二人でお話したいでしょうが、邪推されてもお互い困るでしょうから」
「はい、構いません」
「では、そちらにかけて、楽にしてくれ。トパーズ子爵令嬢」
レオンハルトに声を掛けられ、アメリアはそっとソファーに腰を下ろした。
「さて、では今日はみんなでチョコレートを作りたいと思います!」
「「「チョコレート?何で?」」」
うん、みんな綺麗にハモったね。
チョコを使ったお菓子、じゃなくてチョコレートを作りましょうだもんね。
「あのね、ーーーー」
クリスマスを楽しんでくれたみんななら、きっとバレンタインも興味を持ってくれるはず。
そう期待してバレンタインデーについて話し始めた。
「ーーーなるほどね。それで私も呼んでくれたのね」
「私もやってみたいです!」
「わたしも、おとうさまとおにいさまにつくる!」
おお、みんなやる気になってくれたみたい。
私もレオンには渡したから、紅緒ちゃんや黄華さん、シーラさんやベアトリスさんに友チョコを作ろう。
あと、アメリアさんとオリビアさんの分も。
…受け取ってくれるかな?
あとは騎士団のみんななんだけど…いつもならお世話になってます、ってまとめて渡すところだけど、今回男性には渡さないでおこうかなと思っている。
いや、レオンが気にするかもと思わなくもない…し?
そんな事レオンは考えたりしないと思うけど!一応!ね!?
「せんせい?」
「あ、ごめん何でもないの。じゃあ始めましょう!」
危ない危ない、またレオンのこと考えてると顔に出て、からかわれるんだから。
「お嬢様、駄目ですよ。恋人の事を考えている時はそっとしておいてあげないと」
「そうよ、リーナ。どうせレオンがやきもち妬きとかそういう事を考えているんでしょうけどね」
結局こうなった…。
そして、ねー?って2人で笑い合っているのに首を傾げるリーナちゃん。
うん、リーナちゃんはまだまだ純粋でいてね。
気を取り直して、レッツクッキング!
「チョコは湯煎でゆっくり溶かしてね」
「えー?お鍋で直接じゃダメなの?」
エレオノーラさん、それ、焦げるやつです。
「るりせんせい、こんなかんじ?」
「あ、そうそう!リーナちゃん上手!」
4歳の娘が慣れた手付きでやっているのを見て、エレオノーラさんがぐぬぬと顔を顰める。
「わ、私だってそれくらいちゃんと出来るわよ!マリア、お湯!!」
「あ、はいはいどうぞ奥様」
「きゃー!!お湯がチョコに入っちゃったわ!!」
「あー…。大丈夫です奥様、落ち着いてやれば出来ますから。私押さえてますね」
「ご、ごめんなさい…。ええ、お願いね。今度こそ上手くやるから」
エレオノーラさん、意外と不器用だったんですね…。
でも、真剣な顔でやってる。
そうだよね、クリスマスにサプライズプレゼントもらったから、お返しするんだって嬉しそうにしてたもの。
手作りは愛情が大事だからね!
みんなが幸せな気持ちになれるバレンタインデーになると良いな。




