表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

家族と知らない天井

「おぎゃぁぁ、おぎゃぁぁ」

「よくやったぞ、エマ!」

「また男の子ですね、貴方」

よくある田舎のみすぼらしい小屋といった方が適切な家に鳴り響く赤子の声は、その家族の声も明るくさせるものだった。

他にも何人かの騒ぐ声が聞こえるが、赤子である守には判断できるわけもない。

(聞いたことがない声がする。これで転生できたってことで良いのかな。デマウス様、転生させていただいてありがとうございます)

「お前の名前はアルスだ!」

(どうやら俺の名前はアルスと言うらしい。前世の基準ではゲームの主人公みたいなカッコいい名前だが、これでブサイクな顔付きだったらちょっと辛いな)

守はそんなことを思いながらも、部屋の一部を眺めながら異世界転生の定番である一言を言おうと思った。

(知らない天井だ)



それから3ヶ月、アルスは生まれたばかりの頃より意識もはっきりとし耳や目も以前よりはるかに見え、また聞こえるようになっていた。

「アルス、そろそろお腹減りましたか?」

今抱きかかえてくれる優しそうな顔付きをした女性が母親で名前はエマというようだ。

年齢は若くまだ20代前半のようにも見える。

少なくともアルスの前世である守だった時の年齢よりは確実に若いであろう。

顔も整っており、茶髪で胸も大きくアルスが守だった時の世界であれば芸能界とかにいてもおかしくない容姿をしていた。

「しかし、アルスは全然泣かないな。マークやティムの時はもっと泣いていた気がするんだが」

そう言ったのはおそらく父親であり名前はデニムという。

こちらも外見はまだ若くテレジアと同じくらいの年齢であろう。

赤い髪をしておりイケメンではあるのだが、守だった時のワイルド系が売りな人気ボーカル&ダンスグループのメンバーにいそうな風貌であり、前世の記憶があるアルスは少し苦手に感じていた。

マークとティムというのはおそらく10歳と7歳のくらいのアルスの兄達である。

マークはデニムは外見も性格も似たのか、赤い髪をしており比較的ヤンチャな性格をしているようだ。

ティムはマークと違い母親のエマに似て茶色い髪をしており、性格もエマに似てしっかりしているように思える。

エマからおっばいをもらって満腹感に襲われたアルスは

(どうやら皆優しくて良い家族の中で生まれたみたいだ。俺は赤髪よりは茶髪の方がいい。髪の毛が生えてきたら真っ先に色を確認しよう)

と部屋を見渡しながら変な事を考えていた。

(そういえばテイマーのスキルのスキルをくれるってデマウス様が言ってくれてたな)

アルスは生まれてばかりでやることもなく、毎日退屈していたが大事なことを思い出した。

(こういう時の定番はあれだよな。「ステータスオープン!」)

そう念じると、突然アルスの目の前に半透明なタブレットのような板が出現した。

面白いと思われたら下部にあるブックマークと評価の方をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ